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【サモンナイト】月について
サモンナイト世界観における月について、考察してみたいと思います。
「summon(召喚)」「night(夜)」というタイトルであり、ロゴからしてサモンナイトのシンボルとして地味に一貫し続けているのが月です。
ただ、本編シナリオではあまり触れられておらず、たまに「月からはマナが降り注ぐ」「だから霊界サプレスの住民などは夜間、とくに月光がよく降り注ぐ場所で活発的になる」と語られる程度で存在感はそんなにありませんでした。
存在感が大きくなったのは、U:Xの冒頭部分である「例えその恵みを受け取る者がいなくなろうと、月は大地を照らし続けるだろう」という記述と、5のラストバトルの舞台になったあたりから。
【月は全ての世界にある】
リィンバウム、ロレイラル、シルターン、サプレス、メイトルパ、レゾンデウムと六つの世界によって成り立っているサモンナイト世界観ですが、この六つの世界全てで月はあります。
U:Xの5巻でメイメイさんが語る創世神話においては、共界線を通じて各世界にマナを始原のエルゴが供給し続けているとされています。
そして先述した「月からはマナが降り注ぐ」という三つを重ねると、恐らく「月」という天体は始原のエルゴと各世界のゲートなのだと思われます。
これは材料不足の私の勝手な推測ですが、各世界から観測できる月はどの異世界から観測しても同じ、同一存在なのではと考察しています。
『月』自体が小さな個別の異世界という存在に近く、各世界に同時に重ね合わせにして存在している、というイメージ。
【千眼竜が眠る地】
これに関しては5の時点で語られており、U:Xではその詳細が描かれた形。
月を砕いてそのマナの力を借り受け、響融者となったミコトは荒廃した世界を再生させました。
5の世界での月は大きな★型のクレーターが刻まれていますが、この時月を砕いたせいでしょう。
もしかしたらあのクレーター自体が千眼竜かもしれません。
そんな所で冥土とドンパチしても千眼竜は寝ていることにプレイ時は「よほどお疲れなのだろう」と思っていましたがU:X完結後の今だとむしろ目覚めていたら全世界が終わっていたという事実が……。
※※※
千眼竜の正体が、力尽きた響融者を核として無数の亡魂が寄り集まって至った姿だということを考慮すると千眼竜の「眠る」とは安らかな永遠の瞑りと同義です。
ある意味では、響融化前の世界の犠牲者たちの超巨大な墓碑とも言えます。
それほどの無数の犠牲者がいたのです。
冥土の一部となったギフトが月を目指したのは、その豊富なマナを取り込み力をつけ、さらに各世界に移動するためだったのでしょうが、安らかに眠る亡魂たちに惹かれていたのもあるかもしれません。
【レゾンデウム視点でのお話】
以上のことを踏まえたうえで見ると、月は優しい夜のイメージと共に死のイメージがちらつきます。
エノク書に登場する大天使「サリエル」は死の天使であり、月の支配者でもあるように、これらのイメージは人類古来から共有しているものでしょう。
また、千眼竜の核となったU:X主人公のフルネーム「望月命」は、このラストありきで名づけられたということが完結した今ならわかります。
死者の声を聞くことができるが故に命の尊さを知る彼が眠る場所。
欠けのない満月。
望まれた命。
そういう想いが込められているのだと思います。
ちなみに「望月」姓は現実に静岡県で多く、日本全国でも10万人以上いらっしゃるとか。
ミコトの戸籍は、保護者のカイロスがものすごくがんばって非合法な手段で買い上げた戸籍売買の結果得たものなので、ありふれた苗字というのは説得力があります。
メタ的な意味でも、現実的な考察でも、ズバリ落ち着く秀逸なネーミングと言えるでしょう。