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香川へ【旅記録】

旅の発端


 菊池寛記念館に行きたかったからです。何かの折りに一度は行きたいと思っていたところに企画展が川端康成さんと知り、ここだ!と思って飛び立ちました。

一日目

①金刀比羅宮(ことひらぐう)

金刀比羅宮の大門

 御本宮まで785段。
 後述する鬼ヶ島できび団子を提供するカフェの店主さんによれば「786段あったが、語呂が"なやむ"で良くないとなり、一段減らした」そうです。
 その減らしたところだけ、ちょっと分かるようになってるらしいのですが、この時点では知らなかったうえに昇ることに精一杯で全然気づきませんでした。

ちらちらとこちらを気にしているような?

 金刀比羅宮、なんと神馬がいます。それも二頭。
 写真の子は行きも帰りもずっとこの姿勢だったんですけど、入れ替わり立ち替わる人間(参拝客)のことをどう思っているんでしょうね。気になります。 

②金陵の郷

酒!酒!酒!

 こんぴら表参道に入ってすぐ見える『金陵の郷』。
 お酒の販売だけでなく、お酒に関する製造法や歴史を学べる『酒の歴史館文化館』も併設されています。
 昔の酒造の技法が道具の展示とともに説明されているんですが、昔のやり方が四行くらい書かれた後に「現代では、~で機械化されている」ような今のやり方が一行だけあって、その字数の差に技術の進歩を強く感じました。

「誰でも日本酒のラベルになれる!」
…強い。

③善通寺

琴平駅から一駅、
善通寺駅から徒歩十五分。

 恥ずかしながら弘法大師=空海だということを初めて認知しました。
今年は御生誕1250年だそうで、それを祝う行事が春頃から行われるようです。

五重塔

 寺社内がランニングコースになっており(そういう案内がある)、走っている方が多かったです。
 広々としているから最適だなあと感心しつつ、それは良いのか?とも思ったりしましたが、自己鍛練に勤しむ者に大師様も悪い顔はなさらないだろうと勝手に納得しました。
 四国入ってはじめてお遍路装束を纏った方とすれ違うこともできて、ちょっと感動しました。

④海鮮と骨付鳥 讃岐酒場 高松フェリー通り店


 善通寺からホテルのある高松まで一気に移動。宿で荷物を下ろしてから、早めの夕食へ。

鋏で切って食べる

 香川はうどんだけじゃない。
 こちら、香川グルメの一つである骨付肉です。
 味噌、ポン酢などで肉を頬張り、皿に落ちた脂に米を浸して食べる(お店おすすめの食べ方)。うまい。
 骨付肉におすすめのお酒も頼む。『』、私の飲める甘いお酒です。これがまたよく味濃いめの鳥に合う!
 もっとさっぱり食べたいと思って、レモンサワーのレモンを絞ったり…これもいける!
 今回の旅で一番記憶に残った食事でした。

二日目


 ホテルで自転車を借りて二日目スタート。

通りに名前がついてるのいいよね、好き

①栗林公園(りつりんこうえん)

こういう雰囲気、わくわくします

 日本一の広さを誇る大名庭園。
 冬の朝のすっきりとした空気の中で園内を散歩するのは気持ちが良かったです。
 舟遊びはネットによる事前予約と園内での当日予約があり、私は後者で参加したのですが、なんと時間になっても私以外だれも来ず…(ネット上で見る限り予約した人がいたはず)。贅沢な舟遊びとなりました。

お菓子は名物『灸まん』

 舟を下りたら『掬月亭(きくげつてい)』へ。
 ほっとする煎茶と電気マットで冬でも足元が暖かくて、ゆっくり休むことができました。

なかなか力強い

 実はこの日は午後に雪がちらつくようなこともあったのですが、園内では寒さに負けず、梅がその香りを漂わせてふうわり漂わせておりました。
 船頭さんはこういう季節の変化が楽しみだと言われていて、朗らかで良い人でした。
 この方以外にも園内で働く人みんな、本当にこの場所が好きなんだなあという感じを受けて、来て良かったなあと心から思いました。

②菊池寛記念館

大通りからはっきりと見えます

 道中、中央公園内に立つ銅像を発見。
 文学者で銅像になっているのは珍しいのでは?他に誰かいましたかね?

この旅行のメインです!

 入館すると、まずは菊池寛さんの生涯が簡単に分かる映像を見せていただけます。
 常設展は一つの部屋をコの字型の部屋が囲う形となっており、より詳しい生涯や功績と作品が続きます。
 印象的だったのが、銅像が建てられたときの吉川英治さんの書かれた記事。実物と比べてハンサム(意訳)みたいなことが婉曲的に書いてあったり…。息子・娘さまの父親像についての会話なども面白かったです。

 上記展示の後、歴代の芥川・直木賞受賞者の紹介がずらりと並びます。
 現代に近づいてくると、賞作家のサイン本が展示されており、見ごたえがありました。

 コレクション展は『川端康成-没後50年展』です。非常に小規模なものでしたが、違う場所で開かれた過去の展示会の図録※(分厚くて大きい上にカラーが多い)が置かれていまして、これがとても良かったです。
※『知識も理屈もなく、私はただ見てゐる 川端康成・東山魁夷コレクション展』ならびに『文豪が愛した美の世界 ―川端康成コレクション展』

③玉藻公園

広い

 高松城の跡地である公園。
 ちょうどここを散策しているときに雪が降ってきました。
 お堀に落ちてゆく雪はなかなか風情があってぼんやり見てました。

鯉でなく"鯛"

 そのお堀の水、なんと海水であるらしく、泳いでいるのは鯛なんですね。
 餌やりしました。びっちびちでした。

④香川県立ミュージアム

ミュージアム内にあるカフェで休憩

 こちらのミュージアムでは、香川の歴史から県出身の著名な人物についてを学ぶことができます。
 人感センサーで解説動画や演出が流れるなど、楽しい仕掛けが多かったです。

竪穴住居の中に入れます
レトロな教室
机と椅子が小さくて可愛い
「愛媛県からの独立」???

 香川県は「(第一次)香川県→名東県→愛媛県→(第二次)香川県→愛媛県→(第三次)香川県(現在)」とかなり悶着あったようで、「全国で最後の置県」という結びが、より当時の混乱した世情を感じさせますね。

⑤手打十段うどん バカ一代

肉!

 やはり一度はうどんを食べねばなるまいと、訪れたうどん屋さん。
 「釜玉バターうどん」がお店の顔のようですが、お腹が空きに空いており、肉の誘惑に抗えず、「温玉肉ぶっかけうどん」を注文しました。
 最初はそのまま、肉と一緒に、次に温玉に絡めて、大根おろしを豪快に、最後はレモンでさっぱりと…おいしかったです。
 地元の高校生と思われるグループがうどんを啜りながら駄弁っている様子が"らしさ"を感じて良かったです。

三日目

三日目、フェリーはじまり

①女木島

鬼の洞窟に向かうまで
こういったモニュメントがたくさんある

 高松港からフェリーで20分。
 女木島が『鬼ヶ島』とも呼ばれる所以は島の中央に位置する洞窟に鬼が住んでいたと伝えられているためらしいです。ちなみにこの"鬼"とは海賊のことを指すそうです。

②鬼の大洞窟

人の手(海賊)によって掘られた洞窟

 フェリー降り場からバスで10分。
 朝一番の到着だったため、客は私一人。
 中はライトでしっかり照らされていましたが、それでも一人で洞窟の奥へと進んでゆくのは恐かったです。気を紛らわすために、展示説明を読み上げながら進んでいました。

お気に入りの鬼瓦
(の土の余りで作られたと思われるものたち)

 洞窟の説明や鬼の人形があったり、鬼瓦が大量に置かれていたり、菅原道真公の思わぬ功績を知ることになったり…楽しさのほうが勝りはじめたところで、「監禁室」なる場所で囚われの女性人形の展示を見つけて、心臓がキュッとなりました。早足で洞窟を出ました。

③展望台

展望台
西側の景色

 洞窟を出て案内に従い、上へ登ると展望台に着きます。
 四方を海に囲まれている景色はとても清々しく、美しいものでした。

 帰りはバスではなく、徒歩で港まで向かいました。
 途中、アート作品を見かけたり、神社にお参りしたりと、楽しい帰路になりました。

④カフェ&アンティーク『鬼ヶ島倶楽部』

落ち着く店内、おいしいおやつ

 帰りのフェリーまで時間があったので、近くのお店にお邪魔させていただきました。
 注文したのは炭火で焼くきび団子。
 もちもち甘みのあるお団子に醤油、きな粉、あんこをつけていただきます。寒い季節にぴったりの、ほっとするお味です。
 店主さんがお話上手でお店や香川のことについて色々と教えていただきました。楽しい時間をありがとうございます。

帰宅

ちょうど昼~夜に変わる時間でした

 初めての香川。
 色々と行くことができて、とても充実した旅になりました。
 次は季節を変えて、また行きたいと思います。