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誰得なのかしら

また若い人の言葉を一つ知った。
誰得だれとくという言葉、行為であったり
何かに対して誰一人幸せにならないような
事柄を誰得というらしい。

年の瀬の忙しいある夕方、私は足らずを買いに
近所のドラッグストアへ足を運びレジに並ぶ
夕暮れ時のお忙しい時間であっても開放される
レジは一台のみで長蛇の列ができていた。
人件費高騰とか諸々事情があるのでしょうね
その分商品売価に反映されるなら混んでいようが私は一向にかまわないわ。

私の前に6人ほど並んでいた列も会計を終え
いよいよ次の番というところで別のスタッフが
隣のレジを開放しこちらに呼びかける
「二番目にお待ちの方こちらにどうぞ!」
えっ?いやいや、もう私一分もしないうちに
順番が回ってくるんだからここで良いのよ
それをあーた、わざわざ買い物カゴ持って
隣のレーンに移動しろっていうのかい??

案の定私がモタモタと隣のレーンに
移動している間に後ろに並んでいた人は
会計を済ませていた。釈然としない
ありがた迷惑とまでは言わないけども
こういうのを「誰得」というのでしょうね。

以前他のお店で同じケースに陥った時に
特に深く考えず、私はここで結構ですよと
移動を拒んだことがある。そうしたら
こともあろうかそのスタッフは私の顔を
覚えて以降「お客様はそこで大丈夫です
3番目の方どうぞ!」と言われるようになり
これは親切なのか嫌味なのかとにかく
言いようのない居心地の悪さを感じて
私はそこのドラッグストアには以降
足を運ぶことはなくなってしまった。

私は接客業をしていた頃もあるので
きっと誰も悪くはないということは
頭では理解している。どんなに真心
誠心誠意の接客をしても交通事故のように
クレームに遭遇することはあるからだ。
あのスタッフとてこの業界で働く以上は
想像もつかないような理不尽な目に会い
打ちひしがれた日もあっただろう。

某大手100円ショップはカスハラや
人件費削減のために全レジセルフ化を
進めたようだけど時代についていけない
おっちゃんがスタッフに高圧的に詰め寄る
場面を目撃したことがある。
スタッフ目線からしたらコレも誰得よね
私達はもう少し気持ちに余裕を持って
制服を脱げばこの人達だって同じ一人の
人間であるという想像力を働かさないと
誰も幸せになれる日は来ないなとおもう
とある日の何かと忙しい夕暮れ時

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