つまらないことをするくらいなら舌を噛み切って死ぬ。
メンヘラの定義
知りたいんだ。
君のことが全くわからないので
考えてみることにした。
底抜けに優しい君の、底の部分を覗いてみたいと思った。
愛してるだの好きだのとそんな言葉ばかり呟くそれを突き詰めていったなら、一体何が飛び出してくるのだろうか、なんて。本当にただただ興味本位で。
ところで私はそれが君にとって嫌なことだと知らなかった。
間違えてしまったようだね。
私は昔から知的探究心が強い子供だった。
不思議なもの、興味を惹かれる物があれば、調べ尽くしてしまいたい。
穴とみれば指を突っ込み、奇妙な虫は腹を開いてよく観察した。
面白いものはすべて知りたい。
加虐趣味はないけれど、知ることができるのならばどんなことも厭わない。
自分に対しても、他人に対しても。
それでも君が嫌だというのなら、控えようか。
どうして!
私はわかりにくくて中々面倒くさい性格をしているように思う。
私はそれを『博愛』と呼んでいる。
それは時として人を癒やし、傷付けていることも知っている。
誰にでも優しいやつなんか怪しくてしょうがない。
それでも私は全てに愛されたいから、すべてを愛す。
表に出る優しさもぬくもりも、それらはどれも愛情の形の一つに過ぎない。
ならば博愛の私が君に優しくないだなんて、
君を愛していないだなんてそんな馬鹿なこと、あるものか。
この優しさにも愛情にも気付いてもらえないのは、君が足りないと思ってしまったからなんだろう。
足りないというのならば、きっともっと行動に起こして、安心してもらわなくちゃいけないね。
私の愛情表現はおかしいと10年来の友人が言っていたけれど、君はそれがお望みのようだから。
あれ、でもおかしいな。
私はまた間違えなくちゃいけないのかもしれない。
ねぇ、聞いてるの?
私の探究心を縛るというのならば、君もどうか縛られてくれ。
私から興味を、調べることを奪ったのなら、君は私に何をくれる?
どうか教えてはくれないだろうか。私は君の好きな人間になりたいんだ。
朝はご飯を食べるのか、パンなのか。
目玉焼きには醤油?ソース?それとも塩コショウ?
君が嫌がることもしないように務めるから、どうか教えてはくれないか。
君についてなら何でも知りたいんだよ。
……こういうところが駄目なんだろうね。
わっかんないかなぁ!
知りたいと思ったとき、どうしようか。
知りたいと思うことはきっと悪いことではないから。
こっそり調べようにもきっと君は嫌がるだろうし。
難しい課題が残ってしまった。
愛しているのに足りないと言われる。
愛するためには君が嫌なことをしなくちゃいけない。
君に嫌われることはしたくない。
他の手段を模索しようにも、何も思い浮かばない。
だって私の言葉も、色仕掛けも君には全く意味がないじゃないか。
どうしたらいいんだろうね、本当に。
君の好きな人間になるための一歩がこんなにも踏み出しにくいだなんてとんだバグじゃないか。努力の方向を間違えているのかな。
君に好かれたいから君を知りたいこの一心が君に嫌われてしまう。
ふざけた話だよほんとにね。
知りたいとか調べたいとかそんなことはもう言わないから。
だからどうか一つだけ教えてください。
君にとっての愛って何?
どうすればこれは伝わるの?