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temppの短編小説一覧(一話完結)

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短編、というか1話読切の一覧です。 だいたい1万字以下です。
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#恋愛小説

短編小説のまとめ(主に自分用)

そろそろ何をUPしたのかわからなくなってきたので、自分のための管理用ページです。スルーください。一覧性のための文字ベースのリンクです(まさに自分用)。 ここでの短編小説とは、一話完結の話を指します。シリーズ中で一話完結する話もこのリストに含まれると同時に、シリーズのまとめがあればそちらにも記載されます。 ()内はあれば場所(神白県については行政区分別、pem世界においては領域魔女名)、ジャンル、シリーズがあればシリーズを記載。 イラストは短編にごくたまに出てくる奏汰さん。うち

【短編小説(恋愛)】その夏、一瞬の恋、永遠の恋 5500字

[HL:18才の時に一目惚れして、もう私は35才。あの人は今50くらいかなあ]  その日はちょうど良く晴れていた。人通りの多い交差点で大きな声に振り返れば、知らない男が奇声を上げながらこちらに走りこんでくる。その手元が太陽にキラリと反射して、それが包丁だとわかったときはもう目の前。高校2年の夏。バド部のインハイが終わってちょっと遅めの夏を満喫しに街に遊びに来ててって……これってきっと走馬灯だよねとか呑気に思いつつ、包丁が刺さると思ってギュッと目を閉じた。  けど、どこも痛く

【短編小説(恋愛)】夕立と東の魔女 5000字

[HL:雨の合間にできた、ちょっとした運命の分岐点] 「ようこそお越し下さいました。まずはこちらにお名前をお書きください。偽名でも結構」 「偽名でもいいんですか?」  その女は鷹揚に頷いた。 「うん、ここを借りる時に顧客が反社会なんとかかどうか確認しろとか言われてさ、でも聞いたってわかるわけないからね。とりあえず名前だけ書いてもらってるんだ。世知辛い世の中だよね」 「はぁ」  その辻占の席についたのは偶然だった。  なぜだろう。一人でいたくなかったから。大量の水分がもたら

【恋愛短編小説】思い、出戻り、恋の行方。2300字

 私は魔女である。魔女であることは世の中には秘密である。  そしてモテモテである。これまで何百人もの男と付き合った。なぜだか男と別れてもすぐまた新しい男ができるのだ。モテモテなのは私のせいで、魔女であるせいではない。決して怪しげな秘薬を使って他人をトリコにしたりするわけではない。ここは大事なので強調しておく。つまり健全な人間としてのお付き合いをする。魔女だと言うと、とかく全ての都合の悪いことを魔法に関連付けようとする輩が多すぎるのだ。まったく。  けれども私はどうにも飽きっ