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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『MS-06M ザク•マリンタイプ』

●開発経緯

 U.C.0076年、ジオン公国は“MS-06 ザクII”をベースに様々なバリエーション機の開発を進めました。その内のひとつがコロニー落としを行った後の地球占領作戦を進めるために開発された“MS-06J 陸戦型ザクII”です。

 MS-06Jについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 さらに公国軍は地球の表面の約7割が海洋で占められるため、拠点の強襲や海洋補給ルートの寸断、海底資源の獲得など海洋戦力が必須になると考えました。そこで水陸両用MSの開発が進められることになります。

●開発が難航

 水陸両用MSの開発は、海洋リゾートコロニーとして作られたサイド3の9バンチコロニーで行われました。

 “MS-06F”(“MS-06C”とも言われます)をベースに宇宙用装備をオミットし、空いた脚部のスペースに浮沈のためのバラストタンクを設置、推進器を熱核ロケットエンジンから吸い込んだ海水を高圧で噴射することで推力を得る“ハイドロジェットエンジン”(“熱核水流ジェットエンジン”とも呼びます)に換装、さらに防水処理を行うなどして、“MS-06M-1”を完成させました。

 水深400mの水圧に耐えるという軍部の要求から、大半のパーツが新造されることになったため、外見は原型とは大きく異なったものになっています。

 MS-06M-1は気密性に問題があったことから、関節部やモノアイにシーリング処理を施した“MS-06M-2”が生産されますが、要求された耐圧をクリアできなかったことやその形状から水の抵抗を大きく受けてしまい、思ったような運動性も発揮できませんでした。

●試験機として運用

 公国軍はMS-06をベースとした水陸両用MSの開発を早々に断念し、ツィマット社とMIP社に新型機の開発を発注します。MS-06Mは新型開発のためのデータ収集を行う試験機として運用されることになり、本格的な水陸両用機開発が決定されると、型式番号も“MSM-01”に改められました。

 そして、“地球侵攻作戦”が始まり、潜水艦隊が設立されると、北大西洋潜水艦隊“シーサーペント”に配備され、試験が繰り返されました。試験を終えた7機のMSM-01は、その後しばらく倉庫で眠ることになります。

●戦争末期に実戦投入

 一年戦争末期、戦局の悪化に伴い、戦力が不足してくると、倉庫で眠っていたMSM-01も実戦投入されることになります。“シーサーペント”、“レッドドルフィン”に2機、“ナーガIII”、“グリーンサイレン”、“マンタレイ”にそれぞれ1機ずつ送られています。しかし、2,3機を残して全て撃破されてしまったということです。

“MS-06M-2(MSM-01) ザク•マリンタイプ”

●スペック

頭頂高:17.5m
本体重量:43.3t
全備重量:60.8t
ジェネレーター出力:951kw
スラスター総推力:66,000kg
装甲材質:超硬スチール合金
主な搭乗者:ギュンター•ローズマンほか公国軍MSパイロット

●基本武装

○60mm機関砲
 頭部に2門、固定装備されています。“レッドドルフィン隊”では、防水のためにカバーで塞がれていました。

○M6-G 4連装240mmサブロックガン
 水中戦用ロケット弾で、本機の主兵装として開発されました。
 
○ブラウニーM8 4連装180mmロケットポッド
 ブラウニー社製で、戦争末期の実戦投入の際に増加武装として開発されました。胸部に2基まで取り付けることができます。

“M6-G 4連装240mmサブロックガン”

●MSM-01のその後

 残存するMSM-01は終戦後、連邦軍によって接収され、運用されることになります。M-1型がダカール基地、M-2型がニューギニア基地に配備されました。コスト面で優秀だったことや港湾警備や作業用としては、十分な性能だと考えられたと思われます。後に近代化改修が施された機体やMSM-01をベースに新たな水陸両用機が開発されるなど、意外にも連邦軍には高く評価されたのです。

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