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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『MSM-07S 指揮官用ズゴック』
●開発経緯
ジオン公国軍は地球侵攻に際して、地球の表面積の約7割が海洋で占められていることから海洋戦力が必要だと考え、水陸両用MSの開発を進めました。
本機の開発を担当することになったMIP社は主にMAの開発を行っており、MSの開発実績はありませんでした。そのため、水陸両用MSとして初めて制式採用されたツィマット社の“MSM-03 ゴッグ”と同時期に開発はスタートしましたが、完成は大幅に遅延してしまいました。当初、与えられる予定だったMSM-04という型式番号は先にロールアウトしたアッガイに譲り、新たにMSM-07という型式番号が与えられます。
しかし、開発に時間がかかった分、その性能は折り紙付きで、水陸両用MSの決定版とも言える極めて完成度の高いものに仕上がりました。水陸両用MSでありながら、陸上での機動性や運動性は陸戦用のMS-06Jと同等以上だと言われるほどです。
本機は制式採用が決定し、量産される過程で生まれた高品質なパーツを選りすぐり、指揮官用に組み上げられた高級機です。
●スペックには表れない高性能機
量産機というものは僅かながらではありますが、パーツの品質の違いによって、性能にばらつきが生じてしまいます。所謂、個体差というものです。本機は通常型と構造は変わらないため、スペック上での相違はありませんが、各ロットにおける最高の性能を有する機体であると言うことができます。
ただ、本機はエースやベテランパイロットに受領され、それぞれが独自のカスタマイズを施しているケースが多いため、実際にはスペックにも幅があるという方が正しいのかもしれません。
●シャア・アズナブル専用機
本機の中で最も有名なのが“赤い彗星”ことシャア・アズナブルが搭乗した機体です。機体が彼のパーソナルカラーである赤を基調としたものに変更されているだけでなく、運動性を高めるチューンナップが施されており、陸上での近接格闘戦において、RX-78-2と互角に渡り合うことができました。
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●スペック
頭頂高:18.4m
本体重量:65.1t
全備重量:96.4t
ジェネレーター出力:2,480kW
スラスター総推力:83,000kg
最高速度:103kt
装甲材質:チタン・セラミック複合材
主な搭乗者:シャア・アズナブルほか公国軍MSパイロット
上記は一般的な機体のスペックで、エースパイロット専用機などは独自のカスタマイズが施されているため、スペックには幅があるようです。
●基本武装
○アイアン・ネイル
両腕部に装備された近接格闘用兵装です。RGM-79の装甲を一撃で貫くほどの威力を有しており、簡易マニピュレーターや水中航行時のフィンとしても機能します。
○メガ粒子砲
アイアン・ネイルの中央部に内蔵されています。腕部に装備されたことで、柔軟な運用が可能となりました。
○240mmロケット弾
頭頂部に6基装備されています。装弾数は計30発で、水中での発射も可能です。ただ、耐圧深度は低く、基本的に浮上、上陸後の対空攻撃に使用されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727439778-btDPo3VOvuIrzj1cynqUCp0W.jpg?width=1200)
MS-06J以上の陸戦能力を誇ります。
●MSM-07を作り続けたMIP社
MSM-07は稼働データを元に各ロットごとにジェネレーターやフレーム、装甲材質やソフトウェアに至るまで、細かいアップデートが行われ続けました。本機はそのロット中で最高の性能を有しているわけですから、生産初期のものと末期のものとでは、その性能に大きな開きがあったと言えます。
また、通常型の後期生産分は初期のS型に相当する性能を有していたと言われ、末期に生産されたものに関しては、それを超えるものもあったと言われています。
MSM-07がこのような進化の道を辿ったのは、開発を行ったMIP社がMS開発メーカーではないからです。実際、同社が開発したMSはMSM-07のみです。単一機種を作り続けたことで、実戦データの収集とそのフィードバックが活発に行われたのです。