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初心者のための機動戦士ガンダム兵器解説『MSM-08 ゾゴック』
●開発経緯
ジオン公国軍は連邦軍総司令部ジャブローを叩くことで抗戦能力を奪い、降伏へ導くという戦略を立てました。しかし、厚い岩盤で覆われた地底に建設されたジャブローは戦略核の直撃にも耐えられると言われています。そのため、当初はコロニー落としによって、ジャブロー陥落を目論みましたが、これに失敗したことで、直接ジャブローへ侵攻する必要が生じてしまいました。
ジャブローは南米アマゾン川流域にあり、通常のMSでの侵攻は困難で、正確な所在地すら特定できていません。そのため、ジャブロー攻略のためだけの“特務用MS”の開発を進めました。
本機は所謂“アッグシリーズ”には含まれませんが、それらの機体との連携を前提とした設計となっています。
本機の開発には諸説あり、MSM-07 ズゴックをベースに再設計したとする説やMSM-07の開発過程で生まれた試作機を再設計したとする説、MSM-07と並行開発されていた姉妹機を再設計したとする説などがありますが、いずれにしてもMSM-07と関係の深い機体だと言えます。
●近接格闘戦に特化した機体
本機はEMS-05 アッグが掘削した侵入路からジャブローに突入し、格闘戦を行うというのが主任務です。
兵装は頭頂部と胴体部に装備されたブーメラン状のブレードを射出するワイドカッターと伸縮式のロッド・アームから繰り出されるアーム・パンチのみで、ミサイルやメガ粒子砲は装備されていません。これは作戦の性質上、高次元の隠密行動が求められるため、発光や発火、騒音を伴う兵装を極力排除していった結果です。
特務用MSには本機と同じく格闘戦に特化したMSM-04N アッグガイがありますが、リーチの長さを活かした格闘戦を行うMSM-04Nに対し、本機はより高い機動性と運動性を活かして、相手の懐深くに飛び込んで近接格闘戦を行います。
●陸戦能力を追求
バックパックが陸戦に主眼が置かれた設計に改められたほか、メガ粒子砲をオミットしたことで、ジェネレーター出力自体はMSM-07を下回るものの、その電力の大部分を推力や駆動系に回すことができるため、陸上での機動性や運動性はMSM-07を上回ります。
その反面、水中航行能力は低く、水中で使用できる兵装もありませんが、湿地帯や沼沢地での運用には十分な性能であり、ジャブロー攻略に適したものとなっています。
●ジャブロー攻略戦仕様
水色と緑を基調としたカラーリングのジャブロー攻略戦仕様と呼ばれる機体も存在します。兵装等に変更はなく、カラーリングのみの変更なのか、細部に調整が施されているのかは不明です。
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●スペック
全高:18.8m
頭頂高:18.2m
本体重量:77.4t
全備重量:107.3t
ジェネレーター出力:1,688kW
スラスター総推力:97,400kg
最高速度:47kt
装甲材質:チタン・セラミック複合材
●基本武装
○アーム・パンチ
両腕部が伸縮式のロッド・アームとなっており、そこから繰り出されるパンチが本機の主な攻撃手段となります。その威力は非常に高く、MSの装甲を貫くことができるほどだと言います。一般的なMSと規格は異なりますが、マニピュレーターを備えたことで一部の汎用タイプの携行兵装であれば使用できるようです。
○ワイド・カッター
頭頂部に設置された10基のほか腹部にも内蔵されたブーメラン状のブレードで、ブーメラン・カッターとも呼ばれます。敵に向けて射出するだけでなく、マニピュレーターで把持して、斬撃や投擲に使用することもできます。一撃でMSに致命傷を与えるほどの威力はありませんが、牽制として使用するには効果的でした。
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汎用兵装を持つこともできます。
●戦後、その姿が確認される
シャア・アズナブル率いるマッド・アングラー隊がジャブローの出入口を発見したことから、ジャブロー攻略作戦が前倒しされることになり、本機の投入は間に合いませんでした。さらに本機の一年戦争における実戦参加記録がなかったことから、ペーパープランに終わったのではないかと言われたこともありました。
しかし、第一次ネオ・ジオン抗争の際に民間人が保有するレプリカの存在が確認されたり、U.C.0096年の残党軍によるトリントン基地襲撃の際に改修を施された本機の姿が確認されていることから、一年戦争時に一定数が生産され、実戦投入された可能性も否定できません。
ちなみに残党軍によって運用された機体はヒート・ソードとシュツルム・ファウスト2基を装備し、腹部のワイド・カッターが排熱用のダクトに換装されていました。