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時期に

 昨日は真夏日だったのに、今日は雨が降ってすこし涼しい。出勤前後の時間は結構降っていて、スカートの色がおしゃれなグレーから鼠色へと変化するくらい濡れてしまった。
 午前の会議で自身の退社を伝えた。誰の顔も見なかったがはっきりと挨拶をした。次の人間が来るまで皆わたしのことなどすっかり忘れていくに違いない。
 会議終わり、Kさんにネイルを見せたら「ほんとかわいい!」って共感の感情を全振りしてくれてうれしくなった。口を尖らせながら寂しいと言われるとこちらもちょっと寂しくなる。わたしも、もう少し一緒に仕事がしたかったなと思う。でもこれでいいとも思っている。
 仕事で関わりのある人と写真を撮る。ツーショット、ツーショット、3人で。これからもう数えるくらいしか会わないだろうな。どうか元気でいてほしいです。どれだけ大変なことか…これ以上忙殺されないことを祈っている。
 職場に戻りがてらコーヒー屋へ。あと何回行けるかとか正直考えてなくて、これからも来たくなったら来るだろうからあんまり寂しくはない。いつもみたいにエスプレッソを飲んで店を後にした。
 帰り道、今日はカモシカを見かけなかった。下り坂を歩きながら、風が涼しくて気持ちいいのと陽差しが出てきて頭のてっぺんあたりが熱いなというのを同時に感じながら、本当に山の緑が綺麗で、水を張った田んぼに映る光景が綺麗だなと思いながら歩いていた。
 田んぼで田植えをしていたおじいちゃんに「こんにちは」と挨拶され「こんにちは」と返した。「雨止んできましたね」までは言わなかった。
 LINEでさっき撮った写真が送られてきた。「_ちゃんが羽ばたいていっちゃうのが近づいてきちゃった」とあって、惜しまれているんだなあと思うとこれまでのことは無駄じゃなかったのかなと思った。
 でもやっぱりこの人は上司との関わりを助けてくれなかったので、そう言われてもなあ…と諦めている気持ちでもある。むつかしいね。

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