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劇団四季「コーラスライン」感想。

先日劇団四季によるブロードウェイミュージカル「コーラスライン」を観てきました。
コーラスラインはミュージカル出演を夢見る男女のオーディション風景を題材とした舞台です。
シビアなダンス審査でだんだんと振り落とされていく参加者たち。
最後に残ったメンバーに、演出家のザックは質問します。

「君たちのことを知りたい。
何でも良いから自分のことを話してくれ」

舞台のオーディションとは思えない奇妙な質問に戸惑う参加者たち。
ひとり、またひとりと自分の半生について語りだします。
子供時代の話、家族のこと、ダンスを始めたきっかけ、思春期の思い込み、コンプレックス…。
個性的な面々が語る「自己」は、とても個性的で、様々な思いに溢れています。

彼らがこのオーディションで欲している仕事は
「コーラスライン」。

コーラスラインとは、舞台で一線上に並んでラインダンスを踊ること。
統率の取れた動きが要求されるダンスです。
誰かひとりが突出したり、観客の目を引いてしまっては、舞台が台無しになってしまいます。

そして最後に選ばれたメンバーとは…。

以下、私の個人的な感想です。

舞台の大半を使って、オーディション参加メンバー一人一人の半生を歌とダンスを交えて紹介するこの劇ですが、最後の最後に見せるものが「コーラスライン」なところに非常にグッと来ました。
さんざん語られた彼らの個性。
その強い個性を持ってして踊るコーラスラインは圧巻というしかありません。
事実、あんなに個性的だった面々が最後のコーラスラインで、全員同じ衣装、一糸乱れぬダンスを披露することで、全員がひとつのラインに溶け込んで、良い意味で誰が誰なのか分からなくなったのです。

スターや天才がちやほやされる社会ですが、コーラスラインに並ぶ彼らのように、個性をも上回るなにかを見せてくれる存在も必要なのだなぁと思いました。

今回の舞台は実に一年半ぶりの観劇となりました。
もともと芸術のなかでは舞台が一番好きなのですが、ここ最近のコロナ騒動で観劇も自粛しなければならず、砂を噛みまくりでしたが、今回運良く見に行くことができました。
やはりたまにはこうして好きなことを楽しまないと!

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