片翼をもがれた不死鳥

2024/6/10(月)10:00:00
その一報が飛び込んできた。
2年連続最下位に沈んだセガサミーフェニックスが、ドラ1の魚谷p、そして、東城pとの契約満了を発表した。
正直なところ、契約満了自体はやっぱりあったかとは思ったが、ドラ1の魚谷pがとは思っていなかった。

Mリーグ発足時のドラフトで1位指名された女性は亜樹pと魚谷p。そして、他のチームが男性3、または男性2女性1のチーム構成に対し、フェニックスは男性1女性2。ここまでで十分異色のチーム出あったが、一番予想外だったのがMJを運営すセガサミーが連盟の魚谷pを、しかも、1位で指名したことだった。

大人の事情を考えれば、連盟のプロはコナミと専属契約しているため、他社の麻雀ゲームには登場できない。そんなお約束お構い無しに、魚谷pを指名したところで、何か面白いことが起きそうなチームだなと思い、初年度からオフィシャルサポーターに登録した。

そして、翌シーズンのレギュレーション改定で男女混合4人チームとなった時に、フェニックスはさらに連盟の和久津pを指名。連盟のリーグ戦A1に在籍する唯一の女性pだ。

和久津pはエンターテナーでもある。チームのポーズを作ったり、髪色髪型を変えて見た目にも楽しませてくれたりした。

もう、ワクワクしかなかった。男性1女性3。まだまだ男社会の残っている麻雀界で、この構成で真っ向から張っていくチームは存在しない。近藤pの性格、年齢もあってか、お父ちゃんと3姉妹。そんな感じだった。

そんな中、和久津pはトップが取れずに苦しんでいたが、年末の最後の試合でトップ。年始の試合でもトップ。これに続けとばかりにチーム5連勝。セミファイナル・ファイナルへと駒を進めたが、パイレーツの追い上げにあう。

逆転された最終日2戦目、魚谷pが登板。オーラス条件を満たす手を作り、リーチ。しかし、パイレーツ小林pに当たり牌の發が吸収され、手詰まりで出てくる可能性も瞬間あったが、そのまま手の中に収まり、優勝は指先を掠めて零れていった。

3シーズン目はレギュラー敗退。そして、突然、和久津pの契約満了が発表される。レギュレーションにかからないのに何故なのか。セガサミーのサイトには満了した事実だけが書かれており。本人・選手・監督からのコメントもなかった。そして、和久津pの抜けた後に、東城pを指名する。

4シーズン目、再びチャンスが訪れる。ギリギリでファイナルへ進むと、一気に追い上げ、一時トップに立ったが、サクラナイツが追い上げて抜き去り、最終日2戦目に今回は近藤p。瞬間総合トップに立った。しかし、沢崎pが療養離脱し、本人も足の骨折を押して出場していたサクラナイツ堀pが再び抜き去り、またも優勝の2文字は零れて行った。

翌シーズンは最下位に沈む。そのシーズンオフ、今度は近藤pの契約満了が流れる。理由はシーズン中に悩まされていた体調不良。選手は無理でも監督としてはどうかと慰留された。初年度ドラフトの3人がチームに残る形になったことは喜ばしいことだと思った。

一方で、フェニックスはレギュレーションの壁に立ち向かったことがない。不振だったシーズン後にチーム編成が変わっているため、同じチーム編成で2シーズン目を迎えることがなかったからだ。

そして、今シーズン。醍醐pを迎えて戦い、瞬間6位というボーダー上に出るも、結果は2シーズン続けての最下位。しかし、前シーズンでチーム構成が変わっているため、今年はレギュレーションにはかからず。さて、このメンバーで来シーズンこそはと思っていた矢先に最初の一報が飛び込んだわけだ。

正直、なぜ現メンバーでレギュレーションの壁に立ち向かわなかったのかと思う。2年連続の最下位だから入れ替えは当たり前という人もいるが、2回の準優勝の忘れ物を取りに行くのは、私はこのメンバーじゃなければダメだと思う。それでレギュレーションにかかって強制入れ替えなら、サポーターも納得は行くだろう。しかし、レギュレーションにかかってもいないのに、チームの要である魚谷pの契約を満了とするのはどうなのだろうか?ドラ1で取った選手である。しかも、MJを運営しているセガサミーが選んだドラ1である。女性雀士の中で間違いなくトップクラスである。

一部には、MJが最高位戦のスポンサーになったため、連盟の選手を切ったという噂もあるが、そうであったとしても、Mリーグはそういうものでは無いと思う。ファンは麻雀を見ている中で、大なり小なり、そこに描かれるドラマに心揺さぶられ感動する。だからこそ、近藤pの伝説の7萬一発ツモの4→1の倍満が今も名場面として語られるわけである。

今、フェニックスは優勝をこのメンバーど勝ち取るという物語を打ち切り、幕を降ろした。もちろん、ファンの中でも両論あると思うが、私は非常に残念に思う。納得感のある終わり方が欲しかった。それは現メンバーで、来シーズンも戦い、レギュレーションにかかって、チーム編成の変更を余儀なくされての物語の終了である。

物語が無くなる=チームの魅力が無くなることである。新しいチームに新しい物語を紡いでくれるいい選手を選出しないで、大人の事情だけで選ばれた選手を引き続き応援してくれるファンはどれくらいだろうか?片翼をもがれた不死鳥は高く、その頂まで飛べるのだろうか?

私は今回の発表については、和久津pのとき以上に不満を持っている。監督としての近藤pと茅森p、醍醐pだけではチームとしての魅力は8割減だろう。新しいチームが魅力あるチームになるかどうかはドラフトにかかっている。新チームが出来なければ、選り取りみどりで2名選べる。周りの予想を越える選出に期待しつつも、フェニックスというチームに特別な思い入れが無くなったのは確かだ。

素人の殴り書きなので、たいした内容では無いですが、サポートいただくと中の人は小躍りしてます。