観る将歴30年のつぶやき「リアルでの不正の無い対局を考察する」
早稲田大学将棋部
@wasedashogi
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22時間
部員のソフト指しに関するご質問がありましたので、経緯と早稲田大学将棋部としての方針を簡単に説明いたします。
早稲田大学将棋部
@wasedashogi
(1) 昨年行われた部員同士のオンラインでの部内非公式戦対局に関して、ソフト指し疑惑が指摘されたため事情を確認したところ、当人はこれを認めております。一方で、対外的な公式戦においてそのような行為をしていないことについても確認済です。
早稲田大学将棋部
@wasedashogi
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23時間
返信先: @wasedashogiさん
(承前) また、本件に関して当人は反省の意を示しており、二度と同じ過ちを起こさないように誓っております。
(2)ソフト指しは厳に慎むべき行為であり、当将棋部においては今後とも部内、部外の対局に関わらずそのような行為が行われることがないように努めて参ります。
なお、本件について個別のお問い合わせにはご対応いたしかねますので、ご了承のほどよろしくお願いいたします。 令和4年11月9日 早稲田大学将棋部
上記の記事は、Twitterからコピペしたものだ。
文中にある通り、早稲田大学将棋部に於いて、部員が部内対局でソフト指しをし、それが発覚。
情報が外部に漏れて、部が正式に出したコメントのようだ。
早稲田大学将棋部と言えば、大学将棋では強豪中の強豪校だ。
関東の大学リーグ戦では常に一部の上位だし、全国でも大抵ベストスリーには入るほどである。
それも、ここ四、五年とかってことではない。
何十年もずーーーっと強豪として君臨し続ける、伝統のある名門大学だ。
その早稲田大学将棋部で、ソフト指しをしていた者が発覚した。
ツイートでは公式戦では不正を行っていないと書いてあるが、それを額面通り受け取る人は少ないだろうと思われる。
早稲田大学将棋部としては、部内で処分したのでそれ以上本人を追及することはしない方針のようだが、これ、そんなに簡単にことが収まるのだろうか?
なんせ、今はネット対局全盛の時代である。
部内対局で不正をした者が、他のネット対局で不正をしないという保証は全くないし、実際、将棋ウォーズでも将棋クエストでも、81Dojoでも、ネット対局を行うところではしょっちゅう不正者が垢バンや垢停止となってるのを見聞きすると、この部員は他でもソフト指しをしていたのだろうという疑惑をかけられても仕方がないと思うのだ。
こう書くと、
「ネット対局だからソフト指しが出来るんだよ。リアル対局なら大丈夫でしょ」
なんて反論が出そうだが、ことはそう簡単ではない。
実際、プロ棋士を養成する奨励会でソフト指しが発覚した……、なんてこともあるし(非公表だが、知ってる人の間ではかなり有名な話だ)、やろうと思えばアマチュアの公式戦でだって可能であろう。
と言うか、アマチュアのリアル大会でもそういうことがあったというのも、幾つか見聞きしている。
このブログでも何度か書いてきたが、ソフト指しをする人は確実に存在する。
それも、かなり高い確率で……。
棋力が低かろうが高かろうが関係なく、やる奴はやるのだ。
残念なことがだが、これが現実だ。
ただ、だからと言って、不正がない対局が出来ないかと言えば、そうでもないと思う。
しっかり運営側が対応すれば、ソフトが出てくる前までのように、自力だけでの対局が可能なのではないかと……。
なので、その方法を述べてみたい。
あくまでも私見ではあるが、こんな方法もあると提言してみることにする。
不正の無い対局をするために……
① 証拠を残す
証拠と書くと何のことかと思われるだろうが、これは棋譜のことだ。
ソフト指しは現行犯を捕まえるのが難しい。
だから、ある程度の証拠を残すことをしないと、立証が難しいのだ。
棋譜は指した結果がそのまま残るので、間違いなく一番分かりやすい証拠と言える。
しかし、プロ棋士の対局ならいざ知らず、アマチュアの大会で棋譜を一々残せるかという問題もある。
大会によっては何百人、何千人の参加者がいるのだから……。
これの解決策は、現時点で一つしかない。
ネット対局場で対局をしてもらうこと……、である。
「バカなことを……」
と思った方もおられるだろう。
ネット上でソフト指しが氾濫しているのに、証拠を残すためとはいえネット対局を推奨しているのだから。
しかし、ネット対局だからと言って、対局者が何処で対局しても良いって話ではない。
大会が開催される場所に対局者が来てもらって、そこでネット対局をしてもらうのだ。
これなら、必ず棋譜が残る。
どんな大会でも、何人が参加する大会でも、証拠を残すにはこれしかないと思う。
② 荷物管理をする
ソフト指しには、当然のことながらソフトを使うための機器がいる。
具体的に言うと、スマホやパソコンのことだ。
しかし、ネット対局をするのなら、これらの端末を一つは使わないことには成立しないので、最低、一つは機器の所持を認めることになる。
……で、対局のための機器以外を排除するために、荷物管理をする必要があるのだ。
荷物管理と言っても、難しいことはない。
対局時に手荷物やコートなどの上着類を運営に預けてもらえば良いだけのことだ。
つまり、対局に使用する端末以外の機器を対局会場へ持ち込ませないようにするのだ。
③ ネット対局場の整備
ネット対局場を使うからには、対局に使用する端末が対局サイト以外の画面を開いていることを検知できるようにする必要がある。
これは、81Dojoではすでに採用されているので、技術的には問題なく出来ると思われる。
対局に使用する端末が他の画面を開いたら、それがすぐに運営者に分かるように出来ればベストで、これがクリアできれば相当な人数の大会でも不正の無い環境で対局することが可能になる。
④ 対局時の離席を管理する
リアル大会でソフト指しを阻止する場合に、一番懸念されるのが対局者が離席したときにどう管理するかだ。
トイレなどの生理現象を制限することは事実上不可能なので、離席対策は必須だろう。
これは、ネット対局ではない対面対局でも同様のことが言える。
離席管理は、そんなに難しくない。
対局時に会場から出る場合には、出入り口でその旨を記録してもらえば良いだけだからだ。
そうそう……。
離席の際には、対局時に使用している端末は、置いて行ってもらうことも大事だ。
離席の記録を残しておくと何が良いかと言うと、ソフト指しが疑われた時にどの手からが離席時以降の指し手か分かる点だ。
ネット対局の棋譜には対局時の使用時間が記録されているので、どの手が離席時の指し手かは一目瞭然だし、その手以降の指し手がソフトの示す指し手に酷似していれば、動かぬ証拠として採用することができる。
ソフト指しは、どの局面でソフトを使ったか分からないから認定しにくいのであって、疑惑の手がどれか分かれば特定はそんなに難しくなかったりする。
⑤ 観戦者の制限
ソフト指しは、本人がソフトを使う端末を使用するとは限らない点がやっかいだ。
つまり、協力者が何らかの手段で指し手を教える場合も考えられるのだ。
だとすると、対局場には入場制限をつける必要があるだろう。
観戦者には別部屋で待機してもらうなどの処置をし、対局の公平性を保つのだ。
以上、五点をやれば、基本的にソフト指しは防げる。
まあ、それでも完璧に防げるとは言えないが、今みたいに対局者の性善説に頼っているよりは遥かにマシであろう。
早稲田大学将棋部は、他の大学から、
「ソフト指しをした部員が出場している可能性があるから、対局を拒否する」
と言われたら、どう対応するのだろう?
もしあなたが他の大学の将棋部員で、早稲田大学の将棋部員と対局することになったら、こういうことを言い出さない自信があるだろうか?
正直、私なら、
「ソフト指しをしていないという証を立てて欲しい」
と言うと思うし、それが理不尽な要求だとも思わないが……。
「アマチュアの将棋は、所詮遊びでしょ……」
そういう認識だと、この先、指す人はドンドン減ってしまうのではないかと心配している。
それに、遊びだからと言って、不正をしていい根拠には全くならないし。
そもそも、気持ちよく対局したいと思って何が悪いのだろう?
個人的には、ソフト指しをさせない環境を早く確立してもらいたいと思うのだ。
それが、将棋を普及する側、大会を運営する側にとっても、とても大事なことではないのだろうか?
……と、Twitterを見て思っていた。
皆さんはどうお考えだろうか?
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