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#65 手まり「竹と菊」の作り方

#手まりの作り方 #お祝いの模様 #竹 #菊 #三つ羽根亀甲  



思い出の手まり


私が小学校へ入学するころ、
祖母と一緒に住んでいる叔母の名前で、私宛に荷物が届きました。


私宛に荷物が届いたのは初めてのことです。
当時、書店の2階に母と間借りをしていました。
書店の若奥さんが、私に荷物をくれたのです。


私は急いで部屋へ持っていき、荷物を開けました。
中から出てきたのは、大きなスポンジでできた、ふわふわのボールと
手まりが数個、ころころと出てきたのです。


その中に少し大きめの物で、それはまるで大きなおにぎりのようでした。
三角っぽい白い土台に、朱色のリリアンで作られた毬。
それがこの、朱竹に菊のデザインでした。

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祖母は竹かがりをしていなかったので
「三つ羽根亀甲と菊」のデザインで作っていました。
その他にも、いくつかの手まりがありましたが
残念ながら、その時の模様がどういう物だったのかは覚えていません。


私は部屋に手まりを転がしたまま、遊びに行ってしまいました。
母が帰ってきて、非常に怒られました。
そして私の手元に残ったのは、スポンジのボールだけ。
手まりは、母に没収されてしまったのです。


この時は、感情的に私の中でいろいろありました。
でも、母が手まりを保管してくれたので
この時に贈られた手まりが、私の手元にあります。


その後、母が祖母からもらった手まりもあるので
祖母の手まりは、そこそこの数、手元にあります。
ただ、幼い日に私の贈られた手まりの模様で
覚えているのは、このデザインだけです。


手まりのサイズと形


祖母から貰った、このデザインの手まりは少し扁平で三角形でした。
その時の事を祖母に話した時、
祖母は、三角形に作るほうが難しいのだと言いました。


当時の私は、まだ手まりを作らなかったので、理解できませんでした。
今なら少しは理由がわかる気がします。


作りやすい手まりのサイズは直径5-8cmです。
大きいと、手からこぼれて成形がしにくくなります。


祖母の手まりの作り方は、ビニール袋に材料を入れて
木綿糸で巻いて成形していました。
10cm以上の大きいサイズになってくると
ちょうど良いサイズのビニール袋を探すのが難しくなります。


大は小を兼ねると、大きめのビニール袋を使う事が多くなります。
手まりの中身に対して、大きすぎる袋は
口の止める場所によっては、扁平な毬になりやすいです。


私もいくつかの作品は、袋の止める位置の関係で
扁平になった事もあります。


扁平な毬を作るのは簡単ですが、三角形に成形するのは難しいです。
祖母はおそらく、口を閉める場所のミスに気付き
急きょ、模様を選び、三角形に作ろうとしたのだと推測します。


しかし、三角形に成形するには、通常の球体を作るより
何倍も難しかったと理解します。
これは実際に作ってみないと分かりません。


俵を作ってみるとわかるのですが
球体にするのは意外に簡単なのです。
それを球体では無い物を作るのは、それなりに大変です。


また、模様を作るために地割(じわり)という
手まりの表面を分割する作業があります。
これも、球体は簡単ですが、変形は難しいというか面倒というか。
だから、祖母の言う三角形に作るのは難しい
これも真実なのです。


制作のポイント


この作品は「三つ羽根亀甲」の変化形で「竹かがり」をします。
糸をくぐらせて、竹のイメージを作るのがポイントになります。
また見本作品は、複数の色を合わせて竹をかがっています。
その結果、竹の繊維の雰囲気を出しています。


菊をかがるとき、補助地割(じわり)を入れます。
地割線がない時、補助地割を入れることで
細かい花びらを表現することができます。


「竹と菊」の作り方


手まりのサイズは直径10cmです。
地割は6等分です。

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