儀式に囚われた男たちの話 1
これは私が先日見た夢のお話です。 #夢日記
M夫の電話
M夫が早朝にA美の所へ電話をかけてくる。
「兄貴が今日から49日間の儀式をするって電話が来たんだよ。
あんなのやられたら今度こそS美は兄貴に使われちゃうよ。
寺でやってくれる儀式だから400万で出来るって兄貴は喜んでいたんだよ」
H氏からの電話
「K夫さんは情報漏洩を恐れて始める日に連絡をしてきたようですね。
お寺でやるという事は7日目が一番重要になります。
7日目は極力外出を避けてください。
あと普段やらないことを突然するようなことも避けてください。
私がこの仕事にかかわってから知っている事例でいいますと、カボチャは切らないでください。
23人ほどカボチャで大惨事になっています。
焚火がボヤになった事例も8件ほどあります。
重いものを持つのも避けてください」
「今日から49日間という事は、7週間ですね。
8日までですか。
注意して過ごすしかないですね」
S美はもう呆れるしかないという状況なのだ。
M夫と離婚して2年が経過したときにようやく一人暮らしをする事ができたのだが、その直後からM夫は何件もの拝み屋さんなどを使い、S美が自分のもとへ戻るように依頼をし続けていた。
最初はおまじない程度の物だったが、だんだんエスカレートしていきS美としても防御のために費用がかかるようになっていた。
そして一人暮らしが4年目になった頃から、今度はM夫の兄であるK夫が術者に依頼をするようになった。
K夫は資金力があるのでとにかく依頼する内容が派手で、なかなか対処するにもややこしいのである。
K夫の願いはN家の繁栄であり、頼む相手が相手だけに生贄が必要と聞く。
その生贄にS美を使おうというのがK夫の望みなのだ。
そして噂では術がうまくいき生贄の相手が望むようになった時、物凄い喜びがK夫にもあるという話である。
拝み屋さんの話ではN家というのは、多くの女性をそのように使ってきた家だという。
状況を考えるとK夫の奥さんも使われた可能性が高いのだ。
S美は「K夫さん、奥さんも同じように使ったのではないですか?だからあの派手すぎる葬儀を行ったのではないですか?奥さんが他界して30年ほどが経過してあの時の快感が忘れられなくてまた、と思っているんじゃないですか?」と言いたくなるのである。
49日間の儀式が無事終わる
H氏から電話が来た。
「明日で49日間が終わりますが、きっちり終わるまで気を抜かないようにしてください」
S美は9日の明け方、不思議な夢を3つほど見ていた。
一応内容をH氏に送ったが、直接関係があるのかないのかよくわからない内容だった。
ただ49日間の儀式が終わってこういう夢を見たという事は、何かが関係あるのかもしれないと感じていた。
1つの夢は明確に誰かが何かを依頼したときに見る夢のパターンだったからだ。
S美が思うに、M夫やK夫が執拗にあちこちの術者にいろいろ依頼し続けるのは、M夫とS美が一緒になる直前にM夫とK夫がある儀式を行っていたからだと確信を持っている。
S美はその儀式に参加しなかったが、2人がそのようなことを行ったから、だから儀式に囚われてしまったのだと理解しているのだった。
*************
注意:この話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
最後まで読んで頂きありがとうございます。