10月9日🌕短いお化け ハロウィンノベルパーティ2024

#ハロウィンノベルパーティー2024

街を歩いていたボクは、何かを踏んだ。
何だろうと下を向くと、ドミノの駒だった。駒だけが置いてあり、誰かが並べるのだろうかと思ったボクは、そのまま通り過ぎた。

しばらく歩くと声を掛けられた。

「おい、待てよ」

誰かと思って周りを見るが誰もいない。

「此処だよ、下を見ろよ」

下を見ると、なんとまあ短い変な奴がいた。

「なにしてるんだよ、お前」

「おれはお化けだ。ハハ、怖いだろ」

「何？お化けだって？アハハハ。
そんな小さいお化けなんて怖くないんですけど」

「うるさい、俺は短いお化けと呼ばれているんだ。俺を怒らせると怖いから笑うのはやめろ」

「そんで何の用？」

「ドミノ倒しをやりたいんだ。お前付き合え」

「嫌だと言ったら？」

「呪いながら殺す」

「おお！それは怖いなー。しゃあない。付き合おう」

と言うと短いお化けは喜び
ドミノのところまで案内した。

「なんだよ、もうだいたい出来てるんじゃないの？」

「へへ、俺様が一人でやったのだ」

「じゃあ倒すか？」

と言って倒そうとしたボクの腕を引っ張り、『ダメ』と言う。

「それは俺様のすること。お前は観客だ」

「はいはい、お好きにどうぞ」

と言った途端、カラスが降りてきて
短いお化けを掴んで飛んで行った。

「あ、おい、こら、降ろせ！カラス、降ろせー」

短いお化けは、どこかに飛んで行った。
残ったボクは、『ちょん』とドミノに触り、ドミノ倒しが始まったので
見ていた。

「けっこうやるじゃないか。何処に行ったのやら、お化けちゃん」

鼻歌を歌いながらドミノ倒しを見届けてボクは家に帰った。