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長いお化けハロウィンノベルパーティ2024

薄暗い道を抜けると
ぼんやりとした
灯りの元に
細長い家が建っていた

近くまで行き
灯りの下で
ボクは何が起こるのか
わからずにいた

灯りに触れた
すると、カランと音がして
家の中から
細長いモノが出てきた

人ではない
動物でも無い
儚げな、そのモノは
夜風に揺られていた

遊びに来たのかい?
じゃあ、中に入って
一緒に遊ぼう

ボクはそのモノに手を引かれ
家の中に入っていった

中にはあと2つ
モノが揺れていた
ボクを手招きしたモノより
もっと細長い

いらっしゃい
遊びに来てくれてありがとう

細長いモノに言われて
それから卓球がはじまった

ボクが球を打つと
向かい合ったモノが
球を打ち返してきた

ボクは感覚が分からず 
得点が入らない

モノたちは喜んでいて
楽しそうだ

ボクは一点もとれることなく
ラブゲームで負けた

大丈夫だよ
よかったね
点が取れなくて

そんなことを言われた

点を取ったら
その分、指を置いていくんだよ
それがルールなのさ

最初に言わなくて
良かったね

ボク帰る!

うん、帰っていいよ
出来たら、また
きて欲しいな
卓球で遊ぼう

ボクは一目散に家を出て
走った
街の明かりがみえてきて
ホッとした

お化けだったのか
卓球に縁を持つお化けだったんだ
きっと

ボクは二度とその道に行くことは
無かった



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