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忙しいのにアンニュイ

#青ブラ文学部


あるところに、とても忙しい人がいました。彼女の名前はミサ。仕事のメールに追われ、会議の準備をし、
家では家事をこなし、常に時間に追われていました。

でも、最近、ミサはふと

『何か足りない』

と感じるようになりました。

忙しさの中で、心のどこかにぽっかりと穴が開いているような感覚。
彼女は「アンニュイ」な気持ちに襲われていたのです。

ある日のこと、仕事が山積みのまま、ミサは突然思い立ち、
会社を抜け出して近くの公園へ行きました。
ベンチに腰を下ろし、しばらくぼんやりと過ごすことにしました。
気持ちのいい風が吹き抜け、忙しさから解放され........のはずが、どうしても何かが気になります。

「この風、ちょっと寒くないかしら?」

と、彼女はつぶやきました。そして、スマホを取り出し、気温をチェック。

「あ、明日、雨だわ。傘買っておかないと」

それからメールを開き、まだ返信をしていないメールの返事を書き始めてしまいました。

その後も、公園で少し歩き回りながら、ミサは

『何かしっくりこない』

と思い続けます。

アンニュイな気持ちはさっきより深まり、結局その日はカフェに行き、パソコンを広げてまた仕事を始めてしまいました。

忙しいのにアンニュイな気持ちのミサ、それでも仕事を優先してしまうミサ。彼女が自分を取り戻すことは出来るのでしょうか。


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てみ
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