北風と/シロクマ文芸部

北風と太陽が競ったことがあるのは周知の事実。

旅人のコートを脱がせるのはどちらかと勝負をして、優しく照らす太陽が旅人のコートを脱がせたというイソップ童話。

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だが、どうやら、今は少し様子が違うらしい。
太陽が暑くてコートを着る時が減ってしまったのだ。
変わって、北風は、というと西からの風や、南からの風が強くて北風の出番が減ったという。
北風と太陽は、話し合っていた。

「どうしてこんなに変わってしまったんだろう」

北風が言うと、太陽は

「地球が暑くなっているんだよ。昔とは気候が変わってしまったんだ」

太陽は、ため息をついた。
北風も、ため息をついた。

「僕らではどうしようもないことなんだなぁ」

「でも、僕はその時が来たら北風を吹かせるよ。北風があるってことを覚えていて欲しいんだ」

北風は、自分の思いを主張した。

「ああ、そうするといい。その時、僕は優しく照らすから」

太陽は、優しく答えた。

「僕らで、今の地球を見守ろう」

北風と太陽は、そう叫んだ。