唐揚げ死なず/毎週ショートショート note

#裏お題

今、唐揚げは、日本中何処でも売れている揚げ物だ。チェーン店もあちこちに出来て群雄割拠。それぞれに味付けも違っていて、唐揚げ好きが訪れるのには、楽しい店がたくさんあった。

しかし、そんな状況が一変してしまう事件が起きてしまった。

「鳥インフルエンザ大量発生」

あちこちの養鶏場で鳥インフルエンザが発生して、鶏は殺処分。痛手は、唐揚げ大好きな人達にとって、「唐揚げが食えない」ことで楽しみが減り、それは唐揚げ好きの人の心を怒りのエネルギーで満たすことになってしまった。

「唐揚げ、食いたいよ！」
「唐揚げ屋、なんとかしろよ！」

そこに、ある店が輸入品を国産品と偽り唐揚げを作る店が出来た。その店は繁盛していたが内部の告発で産地偽装がすっぱ抜かれた。もう人は来ない。信用を無くしたら終わりの世界だ。

唐揚げ店は、国産の鶏が出回るまで、輸入鶏を使って販売することを宣言して唐揚げを作った。唐揚げ好きの人たちは、店から離れることは無かった。
「唐揚げは死なず！」
そんな言葉が密かに流行していた。