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モンブラン失言/毎週ショートショートnote


とある秋の日、カフェで働くエミは、毎日、やってくるおじさんのことが気になっていた。彼は必ずモンブランを注文し、それを小さなフォークで丁寧に食べる。

カフェが忙しくなりつつある日、エミはバタバタして、それがイライラに変わり、そのイライラを、あのおじさんに、ぶつけてしまった。

「いつもモンブランですね。飽きませんか?」

彼女の顔は真っ赤になった。
口にした瞬間、自分でも後悔した。イライラの矛先を客に向けて
失礼な事を言ってしまった事に、
すごく後悔した。
おじさんの表情は一瞬曇り、
店内に異様な空気が流れた。

「そうですね、いつも同じモノですね」

おじさんは微笑みを浮かべて答えた。

「ごめんなさい。大変、失礼な事を言ってしまいました。本当にごめんなさい」

それからしばらく、
おじさんはモンブランを注文する事をやめたが、エミは必ずモンブランも皿に載せて出していた。

「ありがとう。明日からはモンブランだけにしてくれないかい。モンブランは、妻の大好物だったんだ」

おじさんは、笑いながら応えた。


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てみ
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