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武器屋の餌付け/毎週ショートショートnote
街の外れに武器屋がある。いつも鳩がいっぱい集まっている。どうやら武器屋が鳩の餌づけをしているらしい。
「餌づけをして何をするって?それはもうアレしかないだろう。伝書鳩」
きっと隣町の武器屋と情報交換をしているんだろうと、街の者は話していた。そして、たくさんの鳩が行き交うのは戦が早く起こるのではないかと街の者は噂していた。
戦が起これば街の男たちは駆り出され、街の中には老人と女と子供しか残らない。王様は、武器屋に盾と有刺鉄線を作るように命じた。
老人と女と子供で街を守らねばならないからだ。
しかし、戦は一向に起こらない。城の王様は、『戦はデマではないのか』と思うようになった。
王様は武器屋を王宮に呼び、伝書鳩で何をやり取りしているのかを聞いた。
すると、隣町の武器屋の娘と手紙を交換していたと白状した。
「なんと!ワハハハハ」
武器屋は、顔を真っ赤にして、頭に手をやり髪を掻いていた。
武器屋の話は街中に広がり笑いに包まれるのだった。
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