キノコの思い出
てるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンへようこそ!Vol,21
2022年10月25日号
こんにちは。
てるる詩の木(うたのき)工房、高良のり子です。
今日は旧暦10月1日、新月です。
暖かい沖縄も少し秋の気配。
工房から見える鉄塔にも
今年も渡り鳥のサシバがやってきました。
悠々と飛ぶ姿に「お帰り!」と声をかけます。
さて、インスタグラムでもお伝えしたように
今回は「キノコの思い出」についてです。
まだ工房を開く前、20年も前の話です。
その頃は何とか工房を作るために必死な時期でした。
ただ自然のものを探して食べるのは
その頃から大好きでした。
実家の近くに瓦屋根の家を借りていましたが
その近くに「殿」(トウノ)と呼ばれる小高い山があり
よく散歩に行きました。
そこに生えていた「カラカサタケ」というキノコ。
てんぷらにするとトーストのような良い香りがして
とても美味しく、時々食べていました。
ところがある日
カラカサタケだと思ってパスタに入れたキノコ、
実はカラカサタケそっくりの毒キノコで
小さかった子どもたちも含め
家族4人2泊3日の入院となりました。
那覇市のデパートリウボウで
友人の個展・グループ展が2件あり、
家族で見に行こうとしていた
土曜日のお昼のことでした。
今考えると
死ななかっただけでも感謝です。
・・・
ここからが今回の話です☆彡
この話には
もう一つの裏のストーリーがありました。
高良は10年程東京の家具工房に勤めていたことがありましたが、
その工房の当時70代近い社長さんの奥様からお手紙が届きました。
高良の先輩でとても腕の良い職人さんがいたのですが、
彼が暴れて大変だという内容でした。
朝工房に行くと木刀を持って布団(家具を運ぶ時のクッション)を
叩いていたり、大きな声を出したりするそうです。
高良君は彼とも仲が良かったから、
東京に来て話を聞いてくれないかという内容でした。
そして旅費として10万円が入っていました。
お世話になった社長が大変だったら行きたい、という高良と
どういう状態かわからないし、子どももまだ小さいのに
そんな危険なことさせられないという私で
意見が食い違い衝突しておりました。
話がまとまらないまま数日。
今日は土曜日だから散歩でも行ってみようかと
朝出かけた「殿」で、何とキノコを発見しました。
その年は天候がいつもの年と違うせいか
秋になると生えていたカラカサタケが全く姿を見せず、
12月に入ったその日、生えているのを見つけました。
会いたかった人にやっと会えたような気持ちで
二人とも大喜び!
キノコを採ってパスタにしました。
気持ちもすっかり明るくなって、
「そういえば個展もあったし、今日は気分を変えて
出かけてみようか(^▽^)/」。
出かけたデパートで気分が悪くなり
高良は何度もトイレへ。
子どもたちも嘔吐して泣き出し、
私も気分が悪くなりしゃがみ込んでいるところ
デパートの職員さんが「どうしたのですか!?」
「昼に食べたスパゲッティーが当たったかも・・・」と伝えると
救急に連れて行ってもらいました。
幸い子どもたちは症状は軽く済みましたが
家族で入院となりました。
入院中、高良が談話室でテレビを見ていると
「列島リレーニュース」で”徳島から光が丘へ”が流れていました。
前述の先輩は徳島出身、現在は光が丘在住。
これは!とひらめいて彼に電話してみました。
「元気?俺今どこにいるかわかる?
じつは病院。キノコ食べて当たっちゃった。
テレビ見てたら丁度Mさんの住んでるところだったから
これは電話をかけるしかないと思って。」
「ハハハ・・・高良君しょっちゅう食べてるから
いつかは当たると思ってたよ笑。
俺なんかさあ、バブルがはじけて
給料が年間100万円ぐらい下がっちゃったよ。
もう毎日パチンコしてる。」
他愛のない会話をしばらく続けて、
その先輩は以前と変わらない様子だったそうです。
退院後、奥様から電話がかかってきて、
「高良君、話してくれたって?
Mさん今までのことを謝ってくれて、
また頑張りたいって言ってくれたわよ、
ありがとう!!」
「実は、あの後家族でキノコに当たって入院費で
預かったお金を使ってしまったのですけど・・・」
「しょうがないわね~もういいわよ、お陰で助かったから」
入院でかかったお金が10万円。
奥様が送ってきたお金も10万円。
10万円分!!の苦しみでしたが、
何故か問題が思いもよらず解決してよかった!
痛い目に遭いましたが
良いこともありました。
人生の綾の不思議さを
思い出させてくれるキノコです。
*今回もてるる詩の木(うたのき)工房メールマガジンを
ご購読いただきありがとうございます。
今日も良い日となりますように。
私たちは沖縄県うるま市で、 楽器を制作する工房です。
2002年より、 厳選した沖縄の木を用い、
手加工で竪琴・ライアーをはじめ
心を込めた手作りの楽器をお届けしています。
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編集後記 自然が優しいだけでなく厳しい面もある、
と感じさせてくれたキノコ。
20年ぶりに自宅庭に生えてきて当時を思い出しました。
2泊3日で10万円出したらもっといいとこ行って
美味しいもの食べれたのに、と
その後友人に言われて思わず笑ってしまいました。
大変だった思い出もいつか笑顔で思い出すことができますね。
のり子
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