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エヴァBGMランキングを大発表する
エヴァは幼少期から好きな僕。エヴァオタは(周りがガチすぎるから)名乗れないけど、エヴァBGMオタは名乗れると自負している。
そんな僕が「エヴァ音楽ランキング」って検索したら、ヴォーカル曲だけのランキングが出てきたので即座に激怒。インストの神曲達を差し置いて何を言うか!エヴァ劇中曲は情景や感情を際立たせ、メタ的にも作品を補完する、鷺巣様の天才的珠玉の数々なのだぞ。
ということでいきなりですが、独断と偏見でエヴァ音楽ランキング【トップ10】を大発表してみます。
A Step Forward Into Terror
アニメ版より、初号機出撃!のシーン。
エヴァが始まったぞ!って感じでテンションが上がる。晴れ上がった空と巨大ロボとちょっとの勇気を音楽にするとこうなる。
ちょっと時代遅れなトランペット感とか、平成感あって大好き。
カッコよさ★★★☆☆
レトロさ ★★★☆☆
L'Apôtre de la Lune
ヱヴァQより、ヴンダーから逃走したシンジ君がネルフ本部で彷徨う時のテーマ。
ピアノの音色が美しくて、この曲は純粋に音楽として大好き。心が透明になっていく名曲。
過去と静寂だけに満たされた大地を一人寂しく歩む。時折覗く月だけが何かを語りかけてくれる気がした。耳を傾けようと顔を上げるけれど、青い光はただ優しく沈黙している。夜空を流れる冷たい風を頬で受けてふと我に帰り、また顔を落として行き先もなく歩き続ける。
詩の世界の主人公になれます。夜の散歩のお供に。
美しさ★★★★★
鬱度 ★★★☆☆
tema principale
シンエヴァ:より、OPで流れるテーマ。
アスカに手を引かれて世界をさまようときに流れる。重厚で丁寧なオーケストラが壮大な映像と合わさることで、心が美しさと絶望感によりごっちゃになる。そんな、心地よい不安定さという唯一無二の体験ができる。
だから、この曲は音楽だけというより、ちゃんと劇中で聞くべきだね。
ヱヴァQや冒頭のパリシーンのような無機質で侵略的な感じから一転して、壮大で感傷的な曲。急激に人間味を取り戻しているのは、シンジ君が彼を見てくれる人(アスカ)と再会できたからだろうか。
THANATOSのような主観的な悲しさを純粋に歌ってるわけじゃなくて、もっと多重で歴史のある、紡がれた悲劇みたいなのを感じる。
この曲を一曲聴くだけで長編小説を一冊読んだような満足感と感傷に満たされる。クラシック音楽の魅力ってこういうのなんだろうな。いつか感じ取れるようになりたい。
壮大さ★★★★★
鬱度 ★★★★☆
The Heady Feeling Of Freedom ~Good, Or Don't Be
アニメ版より、最終話のおめでとうのシーン。
心の霧が晴れていくようなストリングスから、ピアノとギターの曲調になり、世界に色が取り戻されていく。心が生き返っていく過程がすごくきれいに表現されている。
幼少期はシンジが内部世界で何にうだついているのが理解できなかったため、長調が流れ始めて開放感を感じて気持ちよかった。思い出補正も相当はいっているけど、聴くだけで涙が出てくる曲。
僕は幼少期からOPよりこっちのアレンジ版の方が好きだったから、根っからのインスト好きなんだろうな。
開放感 ★★★★★
優しさ ★★★☆☆
EM20(+MAGMADIVER)
全編あらゆるシーン(&シンゴジラや関係ないテレビ番組にも)出てくる、ティンパニーのあの曲。
代表的なのが、ヱヴァ序の第六の使徒戦、所謂Decisive Battle。緊張感のあるティンパニーから徐々にいろいろな楽器が合わさって、壮大なスペクタクルになっていく。男の子なら100人中100人が好きな曲だろう。
個人的にこのシリーズで僕が特出しして好きなのはマグマダイバー。ゲーム音楽みたいにピコピコになっちゃったのが可愛い。サンダルフォンの赤ちゃん感と、極限環境での緊張が伝わってきて面白い。
妄想が始まる度 ★★★★★
テンション上がる度★★★★★
This is The Dream
シンエヴァ:より、アスカの捨て身のテーマ。覚悟に溢れたカッコ良すぎる曲。
何が好きかって、この曲はまさに14年後のアスカそのものなんだよね。勇壮なパーカッションは独立した心の強さを、イントロの高音は歪まない意志の強さを、メインのメロディはは背負ってきた責任の重さを、そして最後のトランペットは孤独を感じさせる。成長したアスカの心を、この曲を通して感じ取れるのだ。
そして何よりも、アニメ版の潰れてしまった惣流アスカを思い返して、式波アスカが辛いこと、悲しいこと、不条理なことを乗り越えて成長し、真の大人になれたことが、ただただ嬉しい。
感無量度 ★★★★☆
かっこよさ★★★★☆
Gods Message
ヱヴァQ冒頭US作戦のクライマックス。封印された初号機の覚醒のテーマ。不思議の海のナディアの「バベルの光」のアレンジ。
ヱヴァQの世界は全体的に無機質で感情を感じさせないのだが、劇中音楽も同様に感情がなく、全てが人間離れしている。
不安定なメロディで神聖?な呪文を一心不乱に唱えるコーラス、荘厳なトランペットは異界の神を讃えるファンファーレだろうか。全体として曲はきれいにまとまっており、不思議な中毒性があるのが面白い。
既存のエヴァ曲の「いちいち人間味を感じさせる温度感」からはかけ離れた曲調に、初見で聞いた時には「え?この人誰なんですか?」ってなる。子供の授業参観に行ったら宇宙人の建国宣言が始まった感じ。エヴァQという作品自体を見た観客が(シンジくんよりひと足先に)感じる、異物感、拒否反応、置いてきぼり感を、これでもかと表現するのが冒頭のこの曲なのである。
※既存のエヴァ曲っぽさをなくしつつも、しっかりと初号機覚醒のテーマが忍び込まされているのもセクシーで素敵なところ。
中毒性 ★★★★★
侵略性 ★★★★☆
ReiⅡ
アニメ版より、綾波レイのテーマ。
レイといえば、ミステリアスで冷たいテーマ1のイメージだけど、僕はテーマ2が好み。感情を込めたストリングスに対して、ギターやピアノが完璧な用法容量で合いの手を入れてくれる。短調から長調、短調とふわっと転調していくのが個性的で気持ちよい。成熟しつつあるレイの人柄だろうか。
そして、全体を通してなんとなくゲンドウを感じる曲調。
つんとした冷たさが鳴りを潜めて、悲しさや優しさ、穏やかさを感じる美しい曲。
穏やかさ★★★★☆
美しさ ★★★☆☆
Komm Susser Tod
旧劇Airより、サードインパクトのシーン。和名”甘き死よ来たれ”。
やるせないピアノから始まって、甘く寄り添ってくれる歌声と優しく見守ってくれる優しいベース。中盤から徐々にコーラス達が介入しはじめ。最後は手拍子と共にどこだかわからない地点に連れ去られる。
絶望、自責、後悔、懺悔、そう言う気持ちを全て包み込んで、一緒にどこまでも落ちていってくれる。落ちていった先は天国か地獄か?という心配は不要だ。自我は溶け去り、無になるのだから。
堕落の優しさに、音楽の世界くらいでは甘えたい。現代人に欠かせないミネラルを供給してくれる唯一の曲。
鬱度 ★★★★★
カルト度★★★★★
THANATOS (+身代わりの侵入)
アニメ版より、レイが自爆するシーン。又は、ヱヴァ破ではレイが捕食されるシーン。レイ死亡のテーマかな?
こんなにも悲しみを直接的に想起できる曲は滅多にないと思う。悲哀を主観そのままに音楽にしたような純度がすごくて、ヴァイオリンの最初の1フレーズだけで誰しもが感情移入してしまう。
感傷的なヴァイオリンに対比するように、寄り添わずに淡々と弾かれるピアノの流れは、孤独感も際立たせる。
そして後半では、感情が爆発して号泣しだしちゃう。
こちらにはヴォーカル版があるのだが、僕は圧倒的にヴァイオリンで聴くべき曲だと思っている。
合わせて、身代わりの侵入も忘れずに聞いて欲しい。これは旧劇Airでミサトさんとお別れするシーンの曲だ。
THANATOSのベースラインのみのアレンジと言う感じなのだが、あの極めて感情的だったヴァイオリンが消えてしまい、寂しかったピアノだけが取り残されて淡々と流れていく。そこにはもはや悲しみすらなく、心の抜け殻があるだけだ。
言わずもがな、サードインパクトの惨劇の中でシンジの心が限界を超えて、もはや悲しみすら実感できないことが、音楽によってこれでもかというほどに表現されている。(天才だ。)
これ単体だと味気ないと感じるが、あの感情的なヴァイオリンは視聴者の心の中にはある。それ故に、僕らは自然に脳内のメロディを追う中で、いつのまにか劇中のこの曲と一体化し、結果深くシンジに感情移入することになる。もう構築がすごすぎる。
※そして、この状態のシンジ君対して、熱い感情丸出しのミサトさんっていう対比が悲劇的で、もう悲しすぎるんだよなあ。
悲しさ★★★★★
悲しさ★★★★★
番外編
最初はランキングとして作っていたけれど、正直甲乙つけられなくて、全てがオンリーワンなんだよね。なので上に上げた10曲は特に好きな曲。
10個から選考落ちしてしまったけど、語りたい曲もいくつかあったので、番外編としてまとめてみる。
Hedgehog's Dilemma
アニメ版より、ハリネズミのジレンマの曲。リツコの曲として作られた気がするけど、個人的には加持の曲のイメージ。
超高音のピアノと低音のギターの相棒感が気持ち良いジャズ。
水たまりに映る揺蕩うネオンに溶けていくような、落ち着いた時間。安心感と物寂しさと、セクシーさ。この曲みたいな雰囲気の男になりたいなって思ってた。
The Final Decision We All Must Take(+in my spirit)
ヱヴァ破より、vs第10の使徒、マリのザ・ビーストのテーマ。
ヱヴァQは無機質な音楽が多いって言ったけど、破は明らかに熱血な音楽が多い。その最たるがこの曲。
物語が沸点に達したことを高らかに告げる。決して乱れない重厚なパーカッションに、勇猛に立ち向かうヴォーカル。音楽はヒートアップの一途を辿るが、頂点に至るとメインメロディが右往左往し始めて、最後には砕けてしまう。
まさしく第10の使徒の総力戦を表現している。音楽での情景表現について鷺巣さんは本当に天才だ唸らされる一曲。
In my spiritもすごい。この曲はThe Final Decision~の前に流れる曲で、第十の使徒登場のテーマだ。絶対的な強さというか、動かしようのない運命というか、非情さを結晶にしたような刺々しい曲で、まさしく第十の使徒のテーマソングだ。
God's gift
ヱヴァQラストシーンより、フォースインパクト後の曲。この曲が聴きたくてQのサントラを買った思い出。
Q劇中曲特有の不気味な展開は相変わらずなのだが、不思議に感情を感じるのは考えすぎだろうか。
しっちゃかめっちゃかな割に温もりがあって、Qという氷河期を抜けることを暗示しているような、終焉と新生を感じさせる良曲。
次回予告
色々考えたけど、エヴァの最も代表的な曲はこれだから触れないのは嘘だよね。パチとかも含めて、社会的影響が大きすぎる。小さい頃は一日中リピートして、次回予告酔いしながら強制的にテンションを上げて数学の問題を解いたりしていた。
ほかにも、第三新東京市のテーマとか、Airから空しき流れ(量産型のテーマ)とか閉塞の拡大(グランドエンディング)とか、ヱヴァ破の彼氏彼女の事情BGM(日常シーン)とか、シンエヴァ:のユーロネルフのテーマとか、語りたい曲は色々あるんだけど、多分徹夜になってしまうのでここら辺で切り上げます。
オタク趣味に最後まで付き合ってくれてありがとうございました!