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なぜ投票へ行こうという言葉は空疎なのか
日本の20代30代の投票率は、それぞれ36.5%、47.1%らしい。半分以下しか投票に行かないという事である。
しきりに色々なメディア、官庁、有識者も選挙に行こうと言う。しかし、これって若者にとっては空疎な言葉だ。投票に行こう行こうというお題目は唱えるものの、どう考えて、どう投票すべきかという事は誰も教えてくれない。心が選挙に何の引っ掛かりも持てないのは仕方ないと思う。
この投票に行かない理由を考えたのだけれど、様々なパターンがあるなと思った。しかし、投票に行こう!というのはその理由に寄り添わないから、極めて表面的で空疎なのだ。「朝は挨拶をしましょう」と同程度の標語としか受け止められず、心に届かない。
なので、僕なりに若者が選挙に行かない理由を考察し、それぞれどう考えるべきかを処方してみようと思う。
刹那主義
第一のパターンは、刹那主義で興味がないパターンだ。
政治や投票が自分の未来に影響を及ぼすという事をリアルにイメージできない。政治や経済といったマクロで抽象的な事柄をイメージできる人は、そもそも少ないのだろう。これは、MBTIでS型が7割という事からも推察できる。結局は刹那主義がマジョリティ層である。
確かに、人間身の回りの生活が第一だ。不確定な未来に思いを馳せるより、目に見える範囲での日常生活をいかに良くするかというミクロな視点に縮こまるのも仕方ないのかもしれない。
しかし、そのような人の生活にも、社会制度は絶対的な影響を及ぼしてくる。社会保険料は上がり、消費税は上がり、国民負担率は上昇して賃上げしても生活は楽にならない。そして、それを決定しているのは政治だ。
実際に、誰しもの身の回りの生活に、リアルな形で政治は影響を及ぼしている。そこに対して受動的でいることは奴隷の道だ。もし選挙への意識を持てるなら、自分の生活という身近なスタート地点からでも良いから、課題意識を持って自分の権利、自由を主張すべきだ。
実は、政治の側もそのような大多数の国民の声が聞こえないから、どっちを向いてよいかわからず視野狭窄でしている部分もある。だから既得権益や宗教のような声の大きい集団の主張が通ってしまうのだ。
多数派の意向を無視すれば容易く議員バッヂを失ってしまうような環境であれば、もっと政治は国民に寄り添ってくれる。
国民の無言は、政治家にとっても不幸であり、ひいては未来の国民の不幸につながるのだ。
実は、マジョリティ層であるにかかわらず、投票について刹那主義者にはかける言葉はなかなかない。刹那的に生きる責任は自分たちで取っているし、未来の子供たちのために、っていうフレーズも届きにくいのかなと思うから。
このマジョリティ層怒りや憎しみ、悲しみ、高揚といった一時の感情で投票をすると大抵ひどいことになるから、それはやめてくれ、とは思っている。
余裕がない
これは、刹那主義の延長だ。なかなか現代の若者には余裕がない。仕事は細かく必要以上の水準を要求され、安い賃金でブラック企業も跋扈している。
そんな日々の仕事に追われる状況では、政治や未来について考えたくても考えられないというのは当然である。人間、生存が第一だから。
政治の事を考えられるような、本当に余裕があるのは一部の層だけだ。つまり投票というのは贅沢品になってしまっている。
しかし、実は最も声を上げるべきはこの「余裕がない」層である。考えて見てほしい。こんなに勤勉に真面目に働いている貴方方が、搾取されて疲れた毎日を送り、暗い将来しか描けないなんて、常識的に考えておかしくないだろうか。日々真面目に生きていれば当然に人並みの幸福を得られるという社会が普通じゃないだろうか。
そうでない以上、社会がおかしいのだ。政治が、経済が、世論がおかしいのだ。この余裕がない層は、もっと自信を持っていい。もっとストレートに、自分が正しいと主張して良い。
そして、自分たちの立場に寄り添って、同じ主張をしてくれる政治家に投票すべきだ。その「普通の感覚」が、未来の国民を助けることになる。
課題が理解できていない
政治には興味があり、どうにかしたいと思っているが、言われている政治問題にしっくりこず、どうすれば世の中が良くなるかの具体的なイメージを持てていない層がこれだ。(NT型に多い気がする。)
わかる!
日本にはたくさん課題があるけど、どれが最優先か、どうすれば解決に近づくのか。具体的なイメージがわかない。
政治というのは極めて複雑で抽象的だ。何かおかしい、何か変えなければいけないと思っても、その課題がどこにあるかを把握するのは、かなり至難の業だ。
課題意識を学ぼうと思ってテレビをつけると、やれ裏金だとか宗教だという話ばかりしている。新聞も言っていることはそれだけだ。問題意識を持ち、課題解決を志向している人からすると、
「いや、そりゃ問題なんだろうけど、それで日本のどの問題が解決するの?何も建設的じゃないじゃん。」
という感想しか持てないだろう。
日本の政治の最大の問題は、課題が隠されている事だとつくづく思う。与党は既得権益や官僚組織と結託して、自分たちが長く権力の座に座れるためのポジションづくりをし、変革をしなければいけなくなる、真の課題から国民の目をそらそうと必死だ。
一方で、野党も本気で課題を解決しようとするつもりがなく、野党としてヤジを飛ばせる楽なポジションに胡坐をかき、スキャンダルで与党を追及するだけだ。具体的な課題意識は持っておらず、表面的な課題設定でお茶を濁す。
あわせて、メディアにも課題意識はない。求めているのは数字だけだ。スキャンダルで誰かが没落すれば数字が取れて、政治をエンターテインメントとして消化できる。そのために適当な論点をでっちあげる。
これは本当に不幸、というか悪だと思う。
心ある有権者は、日本の未来を明るくするために課題を見つけ、それを政治とともに解決していきたいと考えているはずなのに、政治とメディアが結託してそれをひた隠しにする。
結局国民は、何を基準に投票すれば良いのかわからない。課題がわからないのだから。
この層に対する意見は、①自分の肌感覚を信じてほしい、②ちょっと頑張って勉強してほしい、ということだ。多分、あなたの問題意識と肌感覚は間違っていない。街頭演説とかで生の声を聴き、違和感を感じるかどうかで選挙に挑むのが良いと思う。
政治に対する失望
政治に失望し、何も変えられないと諦念している層だ。
政治が未来を司る者ではなく、現在の利権を司る者だと諦めてしまい、失望と怒り、復讐という感情的な判断しかできなくなっている層だろう。
(NF型に多い気がする。)
この拗れは政治の責任だと思う。
ただ、もし民主主義が良いなと思うのであれば、やはり未来を良くするは政治であり、選挙なのだ。国民である我々が政治をあきらめるという事は、民主主義を諦めるという事だ。
「民主主義は最悪の政治形態といわれてきた。他に試みられたあらゆる形態を除けば」
チャーチルの言葉は本当に的を得ていると思う。
やはりあらゆる国、あらゆる時代を見渡しても、やはり民主主義が最も納得できる意思決定プロセスだと思う。だからこそ、民主主義を信じられるような国を、未来に残していくことが現代に生きる我々の使命ではないだろうか。
昭和の時代との投票の性質の変化
これはちょっと違う観点だ。
そもそも選挙というのはかなり縁故の性質が強い。おらが町の●●先生は町内の会合にも来てくれるし町の学校の再建もしてくれた!
こんな極めて身近な理由で選挙がされてきたのが、明治から昭和までの選挙だったと思う。
国民と政治家は距離が近く、国民の声を聞き、時に深慮遠謀のきいた、時に利益誘導などの安直な形で国民に還元する。その中でどれだけ支持者という権力をまとめられたかで、パワーバランスが決定する。
単純で分かりやすく、どぶ臭い世界だ。
これは古い政治だけれども、間接民主制の本質でもある。それぞれの背景を持った国民が、それぞれの代弁者として代表を選定し、国会という場で意見を戦わせるシステムだ。これは日本国憲法において本来想定されていた政治の在り方だろう。
しかし、現代はその様相が大きく変わってしまった。社会は村ではなくなり、都市となり、地域コミュニティはほぼ壊滅した。そんな社会では、地域の有力者に脳死で投票するような、単純な選挙ではなくなる。
政治家は心と政策でいかに人の心を動かという戦い、そして有権者はそれを判断するという非常に重い責任を、個別の判断の元で負う事になった。
やっぱり、それって難しい。現役世代は暇じゃないのだよ。
一方で、高齢者の投票率が高いのはこの問題が背景にある。
彼らは昭和の社会の意識のまま投票をしている。それは単純で分かりやすい。顔を見たことのある、挨拶をしてくれた、●●先生なら信用できる。地域の誇りとして応援しよう。こんな風な気楽な投票をしているから、投票率は高くなるのだ。
とはいえ、この状況を放置していたら、組織票を持つ高齢者ばかり優遇される国になり、現役世代はやせ細っていく一方だ。(自分たちが体の良い財布として使われている自覚はあるだろうか。)
なので、ちょっと難しくても、若者は若者なりに考えて投票に行くことが、自分の未来にとってもとても大切なのだ。
さて、ここまでが投票に関する僕の一般的意見だが、そのうえで今回の選挙について僕が思っていることもある。
個人的な意見で政治的な主張なので、広く共感されることはないと思うので有料として隠します。ただ、もし僕の考え方に興味があり、投票に悩んでいる人がいたら読んでほしいです。
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