”アカデミー賞”をPEST分析|反トラスト法、経済効果、視聴率、投票ミス?
こんにちは、へりおです。noteでは読書記録や本の紹介、Twitterではマルチな情報発信をしています。
ワンテーマPEST分析をしていきます。
PESTで扱う観点は、政治、経済、社会、技術といった4つになります。マクロ環境(外部環境)を分析するマーケティングフレームワークで、このような観点を持つことで、正しく世界を見ることができると考えています。
今回のテーマは、、、
”アカデミー賞”
です。
アカデミー賞は、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催する賞で今年で第94回目でした!そんなアカデミー賞を4つの観点から、PEST分析。ひとつずつみていきましょう。
Political 反トラスト法と政治的発言
ウィルスミスのビンタは衝撃でしたね。ここの政治的問題を取り上げたいところですが今回はおいておきます。
☆特に政治・法律的な面からは、
シャーマン法の1条では、「取引を制限する全ての契約、結合、共謀」を禁じています。
このようなこともあり、現代では、ストリーミング配信作品が許容されるようになりました。今回のアカデミー作品賞『コーダ あいのうた』もAppleが2500万ドル(当時、約26億円)で権利を獲得し、Apple TV+で配信した作品でした。(作品賞にはNetflixの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ドント・ルック・アップ』もノミネートされていました。)
【参考】
アカデミー賞は全世界に放映されるということもあり、受賞した役者たちが政治的な発言を披露することも多々あります。
Economic 経済効果と原作波及
アカデミー賞の経済効果は、ロサンゼルス経済開発評議会によると、毎年なんと1億3000万ドル。150億円以上です。ディズニー(傘下のABCが放送)は、賞を放送する権利に年間7500万ドルを支払うことにも驚きです。動画配信会社の参入によって増加傾向にあるようです。新人の役者はこの受賞によってかなりの追加収入があることが研究によって明らかにされています。寿命も延びるようです。
国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』は株式にも影響を与えています。原作を持つ文教堂HDが人気を博すとの期待から大幅に続伸しました。(一時的なものでしたが、45円から60円まで高まりました)原作小説を狙って株式投資もリスクがありますが、悪くない選択ですね。
【参考】
日本映画の悪しき風習”製作委員会”についても言及されています。
Socio-cultural 視聴者数″減″
アカデミー賞はハリウッドの年中行事ともいえるセレモニーですが、その人気は下降気味といえるでしょう。
Twitterで映画の人気投票など施策を凝らした第94回アカデミー賞は、約1540万人がみたようです。(話題はビンタ事件で持ち切りですが)これは過去最低だった第93回の約1040万人を大幅に上回りましたが、アカデミー賞史上2番目に低い視聴者数となりました。2010年の後半には2000万人台にまで落ち込んだアカデミー賞ですが、かつては約5500万人もの人々がみていました。(「タイタニック」が11部門を受賞した第70回)
しかしながら、アメリカナンバーワンのテレビドラマを決めるエミー賞も視聴率は下降気味です。1986年には約3580万人だった視聴者数は減少の一途をたどり、2000年には約2180万人、2019年の690万人と最低を記録。2021年は740万人と微増しています。
このことからも、そもそものテレビメディアの弱体化、ソーシャルメディアでファンを獲得するようなインフルエンサーの台頭など(コンテンツの代替)、多くの原因が考えられるのではないでしょうか。
映画評論家と一般の観客との熱量の差も感じますね。ヒューマンドラマより、アクションがみたいのように。今回、ウィル・スミスがビンタをした件からも感じました。評論家は「神聖な場所を汚した」と非難しましたが、一般人は「侮辱も良くないけど、暴力はダメ」と思われたでしょう。多くの人は(アカデミー賞を崇拝するような人を除き)汚したという非難に「いやいやそこじゃないでしょ!」と認識のズレを感じたのかもしれません。
映画業界の閉鎖的な部分もファンが離れる理由のひとつでしょうね。
Technological 投票新ルール?
アカデミー賞は極めてアナログなのですが、やはり近年のサイバー攻撃の状況を加味するとこの施策が最も流出しない施策とも考えられますね。どれだけコストがかかっているのかはわかりませんが、時と場合による使い分けの印象を受けました。
まとめ ~ベンチマーク~
アカデミー賞は、芸術的というよりもアメリカ的な映画を選出する賞です。そんなアカデミー賞のベンチマーク。(ベンチマークとは、他社商品・サービスの優れた部分を自社に取り入れ改善していく手法です)
反トラスト法による参入障壁の撤廃(→政治による新たな基準づくりの必要性)
エンタメを利用した国民としての発言機会(→人民の、人民による、人民の為の問題提起)
市場開拓による経済波及効果の拡大(→将来的に多様なステークホルダを巻き込める土壌の形成)
視聴率の減少(→新たなメディアでの放映の可能性・コンテンツの代替)
プロセスの革新(第三者による監視体制)
ということでした。
来年のアカデミー賞も楽しみですね。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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