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【日常】冬支度 と タイムトリップ
12月も2週目に入るというと、師走もたけなわと云ったところ。
僕の都合や心の有り様にかかわらず、世間では時節に見合った慌ただしさを演じているように思われます(微笑)。
冬支度
私が暮らす宮城県(仙台市)とて、東北地方の一部なれば、降雪が見込まれる地域(流石に雪国とまでは言えない)と言って差し支えないでしょう。
そんな地域にあって、冬支度の代表と言えば『タイヤ交換』が真っ先に挙げられるはずです。
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この面倒にして、意外と重労働なタイヤ交換をする度に考えることは、「この先、いつまで車を運転するのだろうか?」と言うことです。
お金を掛ければ、何でもやってもらえる時代であるが故に、過度に深く考える必要もないのでしょうが、昨今の高齢者ドライバーの事故例を鑑みれば、免許の返納を含めた ”安全側の対策” については、家族(親しい知己)を含めて検討しておくべきだと感じています。
僕自身は、車を道具・手段だと捉えている類の人間なので、道具(車)の面倒を見れなくなった時(気遣いができなくなった時)が、いわゆる ”潮時” だとイメージしています。
いずれにしても、車の運転が原因となって、己の晩節を汚すような事態には陥りたくないものです(自戒)。
なればこそ、自身の老朽劣化の程度や車を走らす理由・動機、そして自分の意思で車の面倒が見れるのか否か、それらを俎板に載せて、バイアスがかからないよう冷静に判断しようと考えているところです。
それから、我が家の冬支度の定番と言えば『物入の中の整理整頓』ですね。これは大掃除前の下準備とも言えるでしょう。
今年は、スノーボード2枚・スキー1セット・スノシュー2セット、子どもにスキーの教える時に使うサポート用具1セットとスライド映写機を、最寄りのリサイクルショップで買い取ってもらうことにしました。
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いずれも年代物(27、8年前に買ったタブスのスノシューが一番古い)ですし、相応に使い込んでいたので、高値がつくわけもなく …(想定内)。
… にしても、思い出が詰まった愛用品を処分するのは悲しいものです。
さわさりながら、ここ数年に渡って僕の周りで起こった出来事や、この後我が身に起こりうる事柄を予測すれば、情緒に偏重した判断は控えるべきだという結論に達したのも事実。
故に、これからも節目の時節に合わせて、家の中の物入・押入や屋外の物置の整理を進めていきたいと考えています。
なんて格好の良いことを綴っておりますが … 。
自身の蔵書と山道具の整理をペンディングしている時点で、完全に情緒が勝っているんですけどね(苦笑)。
タイムトリップ
本日(12/9)、検査業務で仙台市の東(沿岸側)に隣接する多賀城市の建築現場へ向かうことになりました。
※多賀城と聞いてピンときた方は『歴史人』と呼ばせて頂きましょう。それも古代から中世に造形が深い方とお見受けします(微笑)。
現場の周辺に到着してから、対象建築物の正確な場所を確認しようと現場案内図に目を通していたら、少し離れた場所に『柏木遺跡』という奈良時代の製鉄所跡があることを知りました。
こうなると気になりますよね(興奮)。
そこでグーグルアースを眺めてみると、それは正に ”住宅地に穿たれたタイムトリップの入口” といった雰囲気が … 。
こうなると、仕事を終えたら『遺跡訪問』となるわけです。
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『柏木遺跡』は、緩やかな傾斜地に開発された住宅地の中にありました。
遺跡の水下側には、小さな公園が設けられていて、カラフルな遊具にも増して美しく咲き誇る寒椿が目に眩しく映ってきました。
公園の入口には『波来の地』という石碑が立てられていました。
そうです、3.11東北大震災によって発生した津波が、同地まで達したことを示す石碑ですね … 。
悲しいかな、人間の記憶は朧気で、時間の経過と共に薄れたり変質するものです。やはり、平素から危機意識を呼び起こすための記録を、何某かの形にして遺すべきなのでしょう。
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この朴訥とした公園の北側に『柏木遺跡』はありました。
今では閑静な住宅地ですが、周辺環境を鑑みれば、かつては海辺に程近い雑木の里山であったことが容易に想像できました。(周辺には貝塚も点在)
即ち、窯を作るために必要な粘土や、燃料となる薪の供給が容易だったということなのでしょう。
因みに、当該遺跡の北西方向約5km内には『国府多賀城跡地』があることからも、この地に製鉄所が設けられた所以も理解できようものです。
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遺跡内の掲示に因れば、製鉄所の工房(詰所みたいな建物かな?)や、製鉄炉・木炭窯の跡・粘土を採掘した穴(鉄くずを廃棄するのにも使用)などが確認されたとのこと。
長い時をかけて堆積したレイヤーを捲って出てきた製鉄所の痕跡 … 。
それは、古の戦を連想させる装置であり、かつ名も無き職人の汗をも想起させる場所でした。
冬空の元、東から吹く冷たい潮風に吹かれながら、ほんの10分間だけタイムトリップしたという話 …… 。
お後がよろしいようです。