なぜ秋葉原で買い物をしなくなったのだろう
秋葉原は、東京都千代田区外神田界隈の俗称。もうちょっと詳しく知りたい人→Wikipedia
最初に秋葉原に足を踏み入れたのは、小学3年生ごろ。図書館で読んだ科学雑誌の電子工作記事を作りたくなったから。学校図書室は参考にならず、小学校教諭に尋ねるべくもなく、市立科学館には電子工学担当がおらず、市立図書館の大人書庫に入れてもらって、何をどうすれば回路を組めるか調べたはず。順序や場所はあんまり覚えてないけど、周りの大人に電気っぽい人はいなかった。そういえばパッパが一次電池に車の充電器つないで再生電池作ってた(危険行為です)。
1985年頃の東京で、電気部品を買うなら、通販か秋葉原。蒲田や巣鴨や渋谷や高円寺や横浜など全国主要都市にも部品屋があった。自宅の最寄りは秋葉原。国電で通ってました。中学生以降は自転車。家でと間違われ職質をうけること数回。
その後、仕事や趣味や家庭の事情で秋葉原に行けたり遠かったり。最近は電子部品店より通販が便利なので、秋葉原からすっかり足が遠のきました。風の噂によれば、秋葉原の電子部品店は軒並み閉店されているようす。かつて秋葉原に通い詰めたものとして、なぜ足が遠のいたのか、どうすれば戻る気になるのか書いてみたいと思います。
ぼくの属性
電子回路、論理回路、マイコン、無線、電設資材、切削工具、回転工具に萌え。アニメはテレビ見て原作を電子本で読むこともあるけど、御神体(フィギュアやプラモの類)は買わない。コミケは行きたいけど行かない。同人誌はたまに買う。メイド喫茶は、遠方の友人ご接待で引率する程度。B級グルメ無関心。ピュアオーディオ無関心。
電子回路の調達あれこれ
2000年以前(以下紀元前)は、ラジオデパートをメインにラジオ会館と千石秋月広瀬若松を巡回。ラジオガーデンや日米無線は苦手。
最近は、部品調達は専ら通販。通販なら、電子部品以外に樹脂素材や素材も買えるし。RS onlineやDigikeyやMOUSERも個人注文OK。完成品ユニットが欲しいときは、SwitchScienceやSeeedstudioあたりで。入手期限や品質などどうでもいい部品はAliexpress。近日中に欲しいなら秋月千石あいてんどう共立エレショップあたり。感光基板は久しく使っておらず、最近はジャカルタか香港のPWB試作サイトを多用しています。通販なら移動時間ゼロだもの。電車代に比べたら、送料払っても惜しくないレベル。もう店頭で部品買うこともないですね。
通販の欠点は当日手に入らないこと。珍しい部品との出会いが少ないこと。
秋葉原リアル店舗
リアル店舗の欠点は、欠品や非扱いが多いこと、不良率が高いこと。秋葉原の店舗さんは、店頭でどんな部品でも手に入ったかつての栄光を回復してほしいです。
長年出展している電子部品商店街の店舗はおおむね安心だけど、看板を変えずに居ぬきで店主が変わってることがある。この手の新参ショップは、部品の質が悪いことが多い。どうみてもAliexpressで仕入れたブツを、価格100倍で売ってるのがバレバレとか見てます。店頭スタッフの説明が間違っていることがあり、原則信用性がない。リマーク品が混じっていて、クレームつけるとウチで売ったものじゃないとか逆切れする店には二度と行かない。
時々東工大とか筑波大所属な本物の学生バイトがいるので、秋月では雑な質問をしない方がいい。
部品だけじゃダメなの
単体では役に立たなくて、なにか基板に載せて電池つながないと役に立たないのが電子部品。実装済みで売ってる千石電商、あいてんどう、キットを併売している秋月はラピッドプロトタイプに最適。
STmicroやTI(テキサスインスツルメンツ)は、通販で評価ボードで売ってる。長納期で法人客でないと買いづらいのが残念。売ってないけど、サンプル注文すると安価にもらえることもある。
1970年ごろはラグ版。1980年ごろは、感光基板やユニバーサル基板で組むのが主流。仕事ではラッピング基板を使うこともあったなぁ。
1980年位の秋葉原
インベーダーゲームや白黒モニタのパソコンが出始めたころ。この10年でパソコンのカラー化が進んだ。インターネットはまだ無い。1次ベビーブーム世代の真空管遊びが一段落して、トランジスタやCMOSやTTLの論理回路ICが売られ始めた。APPLE-IIの本物と模造品や、PETあたりの初代パソコンが並びまくってた。NECや日立東芝のマイコンショールームが混んでた。青果市場が解体されて、バスケットボール場になってた。
駅前には、このころまでバッタ屋の看板持ちが立ってた。
1990年位の秋葉原
電子工作ブームは下火で、電子部品小売店が不調になった。ゲームセンターやビデオ(映画の入ったVHSやβ)ショップが目立つ。電気小物ジャンク店が進出を始めた。裏通りに、コピーソフトを手売りする出稼ぎ外国人が現れた。
インベーダーゲームなどの、テーブルビデオゲームは一段落したころ。AT互換機がはやり始めて、自作PCがはやり始めた。Lotus-123がバカ売れしてた。パソコン組み立てがはやるも、相性問題や世代交代が激しくて、だんだんついていけなくなる。
みんなのあこがれシリコングラフィクスがお小遣いで買えそうになってきて揺れた。結局デジタルイクイップメント(DEC)純正の廃業前特売パソコンを買って一人で悦に入ってたのがこのころ。当時はIBMやdigitalのエンブレムはブランドだったのだ。ラッセンのイルカ絵を知ったのもこのころ。
2000年位の秋葉原
パソコン組み立て道楽終盤期。インターネットが普及機に入って電子部品通販が便利になってきた。メイドカフェが現れた。LEDテープ屋や監視カメラ屋が目立ちだした。ヨドバシ秋葉館がオープンして、人流が変わった。なるほど、みんなが欲しかったのは部品じゃなくて即使える家電だったのだ。闇市でテレビ用部品やラジオ用部品を買ったのも、工作したかったわけじゃなくて、テレビやラジオを安く手に入れたからだったのだろう。ウシ柄梱包でおなじみゲートウェイが終了したのはこのころ。ツクモ本館(だったよね)がドンキに代わってAKB劇場とかもこのころだった気がします。
2010年位の秋葉原
ラジオ会館やラジオデパートに空室が目立ち始めた。広瀬無線がなくなった。はんだごてカフェ系がばたばた閉店して、部品買ってお茶しながら火入れができなくなった。秋葉原UDXとかダイビルが生えた。メイドカフェの内実がメイドバーやメイド居酒屋に変わった。カードショップが大繁盛。通販が便利になりすぎて、ついに秋葉原には行かなくなった。
2020年位の秋葉原
ラジオ会館が新装オープン。ラジオデパートに同人系アンテナショップや千石が入った。若松通商が無くなった。マルツは出店と閉店を繰り返しているところ。BTOパソコンショップ閉店ラッシュ。コロナ禍で免税店も大変そう。通販はより便利になり、秋月千石は新規購買層が育成されているせいか順調に見える。東映無線などPCパーツ系は苦戦。
結論、どういうアキバなら行きたくなるのか
別に電子部品やアニメグッヅを買わなくなったわけじゃない。専ら通販と電子書籍に移行しただけ。アマゾンと楽天とその他もろもろの通販サイトを駆使すれば、部品はもちろん、カスタムケースや、板金金物も切削金物も1週間で手に入る。3Dプリンタ屋を使えば、なんかめんどくさい部品も10日で手に入る。プリント基板も、注文してから1週間で届く。手配は自宅のパソコンがあればいい。てか、パソコンとクレジットカードがあれば、引きこもっても生きていける感じ。
というわけで、アキバが無くても問題ない。こんな結論で申しわけない。