【Teleddy StartUP】株式会社ジーク

こんにちは!

【Teleddy StartUP】ではこれまで同様、みなさまに日々奮闘するスタートアップ企業を各回につき1社ずつご紹介します。

今回は、株式会社ジークとその創業者の中村唐十郎さんです。


事業内容

上記リンクにもございます通り、スポーツ向けの用品具(主に野球の機械や練習道具)をアマチュア向けにレンタル販売しております。

ラインナップとしては上記サイトにも掲載されていますが、速度・回転軸・回転数・変化量がわかる測定器(スピードガンの完全上位互換のようなもので、球のキレが可視化できる)などを定期的に貸し出しております。
自分の投げたボールがどういった変化・回転をしていて、継続的に利用して頂くことでどこが良くなったのか、逆にどこを改善するべきかをデータを用いて客観視できます。

プロ野球選手が練習の際に使用されている道具は、高性能ではあるもののかなり高いです。
限られた予算の中でやりくりをしている公立高校などでは、都道府県大会優勝や甲子園で好成績を獲得するなどといった目標を達成する上でも喉から手が出るほど欲しいのですが、高すぎて入手を断念してしまう、というジレンマが生じているのが現状です。

その中で、まずはそういった公立高校に対して、設備が整っている私立高校などと同等の土俵に立たせてあげられるようにするために、こういったレンタル事業をされています。

このほかにも中村さんは、現在のレンタル販売がある程度軌道に乗った時を見据えて、様々な方向への事業拡大も検討しております。

①完全アマチュア向けのスカウティングアプリの作成

日本を代表する球界のエースの千賀滉大投手ですが、高校時代は無名で甲子園なんて夢のまた夢という愛知県立蒲郡高校出身で県大会も三回戦敗退という成績でした。しかし名古屋市のスポーツショップの経営者からの勧めで、育成4巡目指名を受けて福岡ソフトバンクホークスに入団した、という話はあまりにも有名ですよね。

この千賀投手のような、注目こそされていないもののセンスが光るスポーツ選手の原石のような存在は日本全国に数多く存在するでしょう。

しかしスカウトの目にとまらなければ、今後一生そのスポーツをしなくなるかもしれません。逆に無名校でも素質がある原石のような選手であれば、結果が伴わなくてもスカウトの目に留まって活躍できるかもしれません。そういった活躍の場を与える機会は、有名校だろうが無名校だろうが、実力に応じて平等に存在する必要があります。

見方を変えて、今度はスカウトの目線で考えてみましょう。

プロ野球の場合は、スカウトと指導者が別ですので、練習の傍で日本全国を飛び回って視察をしつつ、誰を自分のチームに呼び込むか、誰が自分のチームに必要なのかを真剣に考えることもできます。

一方で高校野球・大学野球・アマチュアの社会人野球などでは、スカウトが指導者と別になっていることはまれで、なかなかスカウトに時間をかけることができないというのが現状です。さらに今年はコロナで大会や各チームの練習が制限されている上に、行動範囲も必然的に狭くなってしまいます。

そういった、選手側の課題点とアマチュアチームのスカウト側の課題点を同時に解決するために、選手とスカウトとのマッチングアプリの作成を検討しています。

② 広告代理店業

既存の広告代理店業のビジネスモデルとしては、「宣伝をしたい企業」と「メディア(テレビ局など)」の間に入ります。一般的には広告枠をメディアから買い取り、「宣伝をしたい企業」の要望をもとにして広告を作成して広告枠(CM)で流して企業から手数料を得る、という仕組みとして考えてください。


ただ、この手数料というのは広告による売り上げ効果や認知度上昇の効果にかかわらず一定で、逆にいうと広告代理店が作成した広告が残念ながらあまり消費者受けするものでなく、企業としてもいい効果を得られなかったという場合でも一定額の手数料を支払わなければなりません。

特にテレビ広告をはじめとするオールドメディア媒体に関しては、明確な「広告による効果」を推し量る基準となる指標が存在しないことが問題であると中村さんは言います。
YouTubeやYahoo!Japanなどに掲載されるウェブ上の広告などは、そこから「当社サイトへのアクセス数」がどれだけ増加したかという明確な指標・データを用いて「広告による効果」をある程度推量できますが、オールドメディア媒体に関しては、その広告の掲載前後で売り上げがどうなったかを比較するほかありません。
広告による効果が出ているのかどうか、自分たちの出した広告が正しい形で消費者に届けられているかわからず、場合によっては特に売り上げが向上しているわけもなく不発に終わっても定額の手数料を取られてしまうというのが、オールドメディア媒体における広告の問題点というふうに指摘します。

そしてそこに中村さんは着目し、広告掲載前後で利益が増加した場合、その増加分のうちの一定割合を手数料として頂くという、完全成果報酬型の広告代理店を検討しています。
企業としての売り上げが上がり、利益が上がることで初めて自分の会社にも手数料が入っていくという形式になりますので、企業からの案件に対して他社以上に真摯に取り組めると考えています。

沿革

2020年5月20日 設立

大変新しい企業となっております。中村さんを除くと社員の方もまだ一人もおらず、駆け出し中の駆け出しとなっております。

会社の特徴・魅力

中村さんは、会社の特徴として、(後述の設立の経緯も踏まえた上で)他の会社以上に社会貢献的な部分は大きいと言うポイントを挙げてくださいました。

「プロ野球選手になりたい」「プロスポーツ選手になりたい」と言う思いを抱えてプロを目指して頑張っていく子供達はいつの時代も少なくないです。ただ、出自(お金の有無や出身地にアマチュアの強豪クラブチームがあるかどうか、強豪高校に進学できるかどうか)などのプレーの質以外の部分の要因によって、夢を泣く泣く断念してしまうというケースがあります。

具体的には、野球部の専用グラウンドやナイター設備を持ち、前述のように一流の監督・コーチ陣を揃えて、一流の練習施設や一流の練習道具を使用できる私立高校と、他の部活と共用で夜遅くまで練習ができず、前述のように一流の練習道具を買い揃えることも難しい公立高校との間に生じてしまう格差を是正して頑張るチャンスを平等に与えることが、株式会社ジークが持つ理念のようなものです。

また、前述の通りまだ社員の方はいないのですが、社員の方に営業などをお願いする形を想定しています。その中で、案件を決めたり、新たに契約をした場合、そこで発生する利益は担当された社員の方に全てお渡しするという出来高制となっております。

頑張ったら平等かつそれぞれ正当に評価されるべきという考えが根底にあり、それが色濃く反映されております。

身につくスキル

株式会社ジークは現在社員がいませんが、募集はされています。
今欲しい人材としてあげてくださったのが、
・優秀で頭が良く、尚且つ熱意を持ってコミットしてくれる人
・数字に強い理系
・エンジニア
の3つです。

その中で、株式会社ジークが駆け出しの企業であるために、自分でお金を稼ぐことがどういうことかを学ぶことができ、お金に対して貪欲になれるという点をあげていました。

また、自分でやりたいと思ったことや要望・提案は通る環境にあり、融通もきくため、その中で最後まで自分の考えや発言に責任と自信を持ち、自分の要望や提案をやり抜く力がつきます。そのほかにも、会社の創成期がどういったものなのかを実際に体感し、会社を伸ばすことに貢献できるということが、こちら会社に属することで得られるスキルや経験になります。

創業者 中村唐十郎さんの経歴

中村さんは1993年生まれで現在27歳です。
ご出身は佐賀県で、高校は県立佐賀西高校です。高校時代は野球部に所属していました。

その後大学受験は一浪の末立教大学に進学。立教大学時代は、体育会硬式野球部の学生コーチを務めていました。

大学卒業後はフジテレビ系列のテレビ西日本に入社し、営業部に配属となります。

地方のテレビ局の営業は、地方企業の社長の方が予算の権限を持っており、その社長さんに対して直接営業・交渉を行います。一方で首都圏のキー局の営業となると、取引先となるような企業の多くは宣伝担当や広報担当などがいて、そういった方に交渉をすることとなります。

元々起業をしてみたいという気持ちを漠然と抱えてはいたようでしたが、叩き上げの地方のオーナー社長に直接会ってお話を聞く機会が多く、そういった社長の方から、今私がこちらの記事に書いているような、苦労話や経歴などをお伺いできるということで、地方局の営業部を志望したと言います。

入社後1年半は福岡の本社の営業部に所属し、その後去年1月から約1年半東京支社営業部に所属しました。その後会社を設立します。

会社を設立するにあたり、結婚して家庭を持ったことで、自分のスキルや力だけで生活費を稼ぐ必要が生じることになります。その中で、自分には「野球」と「広告代理店」が今までの経歴でお金を稼ぐことができるのではないかと考え、このような事業を始めました。

現在ある程度野球用品具のレンタル販売の事業のベースが完成しているので、今後は先ほどの「事業内容」でご紹介したように、この事業が軌道に乗り、安定して収益が得られるようになったときに、「広告代理事業」をはじめ様々な方向性に事業を拡大していく方針です。

それに向けて、まず目先の目標として、継続して利用・契約をしてもらうことを挙げていました。

最後に

皆様いかがでしたでしょうか。
今回株式会社ジークさんを取材させていただきました。お忙しいなかありがとうございました。

実際にお話をされていた中で、「自分の会社や事業を通じて、がんばった人は正当に評価されるような世の中を作りたい」という考え方が垣間見えました。

私も実は個人名義でもnoteを投稿しています。内容は同じ大学の人を紹介するというものです(ここでは宣伝はしませんが)。その根底は中村さんと同様「がんばった人が正当に評価されるべき」というものでした。

実際にお話を聞いていて非常に共感できる部分も多かったです。


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