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声をたどりながら


私は進む
いつか感じたやさしさを探し
ゆらゆらとゆれる風に乗る
たどり着くことのない思い出の中で
淡い記憶の風景を抱き
振り返りながら小道を歩く



私は進む
かさぶただらけの気持ちを抱いて
ぽつぽつと降り続く雨の道を
戻ることはないあの日の
暖かさを感じながら
雨宿りもせずに進み続ける



忘れることのないやさしさに包まれたあの頃
私の名を呼ぶ声を
もう聴こえることのない愛しい人たちの声を
忘れないように 忘れないようにと
思い出しながら


私の声がきっと届いているだろう
瞬きする瞬間
穏やかな声が包み込み
両手を広げて受け止めてくれる
悲しみの涙もすべてを抱きしめる



いつかきっと
また、愛おしい声たちに出会うために
同じ時を過ごせた大事な気持ちを伝えるために
私は声をたどりながら今を駆け抜ける



たわいもない私の独り言


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