イベント・お出かけメモ#25 天橋立(カッコーパルック)
「日本三〇〇」という使われ過ぎているキャッチフレーズがありますが、日本三景の松島、天橋立、宮島の中で、私が一番よく言っているのが宮島です。特に、子どもが戦艦や海軍に興味を持ち始めた時に呉と宮島(江田島はまだ日程の都合上で未訪問)を案内して以来、春休みには宮島+αの日程で訪問することが多分もう5年くらい続いています。
松島は、大阪出身なもので、東京の大学に出てきた際に父と母を誘ってツアーに参加した時に訪問したのが最初です。その後、2011年の東日本大震災が起きる前に仕事の関係で隔月で仙台に行っていたことから、どういう場所かまだなんとなくわかるという場所です。この前にクラウドファンディングで少し応援した瑞巌寺からのリターンで拝見券(招待券)をペアで頂戴しているので、近いうちに家族を連れて案内したいと思っています。日本三景を言い出したのは全国を行脚した林春斎という儒学者さんらしいですが、海の眺めが好きなあたり、私と多分気が合うでしょう。
宮島や松島と比べ、三景の中では一番近い場所にある天橋立は、いつか行くこともあるだろうと思っていたまま、既に半世紀以上生きているにもかかわらず、まだ行ったことが無かったのでした。
徒歩10分程度の場所にバス乗り場があるため愛用している三重交通のカッコー・パルックさんのHPで、どこか行ったことがない場所に行きたいなと日帰りツアーを眺めていたところ、日程的に都合が良い(家族に受験生がいると都合の良い日程というものがとても貴重になります)日に、「天橋立ウォーキングツアー」があることを発見、しかも開催が決定しているということだったので、申し込みました。基本インドアなのですが、ハイキングや登山に特化したツアーでない限り、「ウォーキングツアー」と銘打っていてもそれほどハードなものではないことは経験的に知っています。
朝7時台の集合時間にさえ間に合えば、あとは目的地までバスで連れて行ってくれる上、適当なPAもしくはSAにも寄ってくれるので、バスツアーはありがたいです。私の場合、車の運転自体は嫌いではないのですが、当然のことながら運転中は事故防止のためにある程度の緊張感を強いられるため、バスの運転手さんにお任せして、車の中でボーっと景色を見たり、うとうとしたりできることが大変ありがたいです。特に帰り道に渋滞に巻き込まれた時には、自分で車を運転しなくて良いことを感謝しています。いつもありがとうございます。
三重から、滋賀、京都に入ってからは京都縦貫道で北上します。行きに立ち寄った南丹PA は売店がないこじんまりしたところでした。父の棺桶に生前行っていた四国霊場巡り(仕事の合間に車で回っていたらしい)の御朱印を収めるべきかどうか悩んだ時に、御朱印を残すことに懐疑的になってしまって
御朱印は集めていませんが、出先でスタンプがあると旅用ノートにしっかり押してくる方なので、スタンプが無いPAはちょっと残念でした。
今回は昼食場所はなく、お弁当が配られて、バスあるいは天橋立の散策中に好きに食べて下さいというものでした。時間短縮のためでしょうが、ツアーの際に会場が満席ではない場合であってもやたら狭いスペースに詰め込まれる食事会場というのが好きではないので、良かったです。
なお、既に何度か書いていますが、こちらのツアーに限らず、隣と肘が当たるような場所に食事をとると本当に気分が盛り下がって惨めになるので、ツアープランの際には体格の良い中高年男性を集めて座ってもらって快適かどうかをチェックして食事場所のスペースを決めて欲しいです。最低でも現行の1・5倍は必要でしょう。
お昼前に天橋立到着。10月の3連休とあって、国内外の訪問者で賑わっていました。団体旅行できているアジア系の人も多く、どういう感じで観光地としてアピールしているのか気になりました。関空から京都(天橋立)、その次はどこに行くのでしょう。
ウォーキングメインの日帰りツアーなので、ここで2時間半~3時間弱のフリータイムとなりました。メインは全長約3.6kmの天橋立を散策すること。バスの中で添乗員さんお手製のイラスト地図を受取ったり、お勧めの場所やキツネの昔話などを聞いたりして、そういった事前情報を持ってフリータイムに入ります。
バスから降りたのが「日本三大文殊」の智恩寺さん、集合場所は丹後一の宮「元伊勢籠神社」。伊勢方面からきたのにここで「伊勢」の名前が含まれる神社があるのはなんでなんだと子どもと???という状態でしたが、由来書を読むと豊受大神が関係しているからだそうです。権力と神さまの移動についてはいろいろあるのでしょう。
さてこちらの智恩寺さん、「日本三大文殊」を問われると、奈良県の安倍の文殊と、あとはどこだろう?と思ってしまう程度の知識しかありませんが、こちらもその三大文殊さんに数えられるそうです。家族に受験生がいるので、おみくじ(ここのおみくじはユニークな扇子おみくじです)をひかせたところ「小吉」でした。ええ、ちゃんと日々勉強しなさいということでしょう。
寺社仏閣が好きなのでわりと見ている方だと思いますが、こちらのお寺は「すごく良い」雰囲気でした。重厚感とか年代感、そしてロケーションとかが素晴らしいです。廊下で猫さんがうとうとしていました。そういう雰囲気も併せて素敵でした。
その後、写真スポットらしい「智恵の輪灯籠」を見て橋立方面に進むと、タイムリーなことに「廻旋橋」が動いているところに遭遇しました。橋が真ん中でふたつに分かれて船を通し、再びもとに戻るまでの3分程度の動画をスマートフォンで撮りました。こういう動きをするものが大好きです。noteに動画を張り付けて紹介できないことが残念です。
一時は人力で回していたそうです。こういう細工みたいなものを見るのが好きなので良かったです。再び通れるようになった廻旋橋を渡ったところでお弁当を食べました。
天気に恵まれた日だったので、空の青、宮津湾の水の透明さ、白砂青松と、完璧でした。ふらっと出かけるのが好きな親を持ってしまったので、年齢の割には日本各地に足を運んでいる子どもも、「観光地って言うほど大したことがないところが多いけれどさー、ここは、あたり、だよね」と言うほどでした。そう、まさに「当たり」。
天橋立は徒歩で50分位ですが、船やレンタサイクルを使って楽しむこともできます。先ほどの廻旋橋が動くのも観光船の発着に合わせてのものです。今回はじっくり歩きましたが、いずれ船を楽しむために再訪しようと決めました。船がとても好きなのです。レンタサイクル、船、そして「股のぞき」の傘松公園へのリフトないしはケーブルカー往復などがひとまとめになったチケットがあるらしく、レンタサイクルを楽しんでいるひとが結構いました。あれも楽しそうでした。
砂浜がいい感じだったので、宮津湾側の砂浜沿いを進みながら、岩見重太郎(こちらも三大仇討のひとつとされています。三重だと関の小万の仇討を三つの中に数え入れます。多分三つめは地元ゆかりのものを入れるのでしょう。)ゆかりスポットなどの観光スポットを見に道にもどったりを繰り返しました。枯れている松もありましたが、ほとんどの松は健やかで、手入れをしている地元の人を思ったりしました。
集合時刻が近づいてきたものの、天橋立とくれば、事件・犯罪ニュースをよく見る我が家としては行ってみたいのが「股のぞき」スポット。
股のぞきをしている人をふざけて押したら転落してしまったという事件報道がありましたよね。こちらは傘松公園と言う場所で、リフトで6分、ケーブルカーで4分(往復で大人800円)の高台にあります。足が長いと思っている人は特に注意してくださいという微妙に皮肉っぽくていい注意書きがあるリフトを選び、ふらふらと登っていきました。
高所恐怖症気味でジェットコースターが苦手な子どもにとっては初リフトでしたが、思ったよりは怖くなかったそうです。そうか、だったらこんどスキーのリフトも挑戦してみようかね、と思いました。
高台の傘松公園から見る天橋立も、確かに「のぼり龍」っぽさがありました。あのいい感じの松並木は、名勝としての知識が全くなくても、「良いものは良い」というレベルの観光地でした。車で1時間程度の場所にあれば年に数回は来ちゃうだろうなと思ったりしました。ただ、私の場合、住んでいるところから車で1時間ちょっとのところにある鳥羽、もう少し行ったところにある志摩があって、ドライブ的にも海を眺めて楽しむ場合であっても素敵な場所なのですが、近くにあるために逆に何かがないと行かない場所だったりします。京都に住む人にとって天橋立というのはどういう観光地なのかなと思ったりもしました。
あと、ここまで来たら伊根、舞鶴や、丹波(黒豆)にも行ってしまいたいな、このままここに1泊したいし、そういうツアーがあればいいのになどと思いました。とにかく晴天だったこともあって、久しぶりに完璧な観光地に行ったというのが今回の感想でした。
年に数回程度の利用客ですが、カッコーパルックさんにおかれましては、車や公共交通機関を使っていくにはちょっとめんどくさい場所にある観光地を訪問するツアープランを今後も開発してくださいますよう、お願いします。その場合、三重から遠ければいいというわけではなくて、たとえばMIHOミュージアムの滞在時間が長いとか、琵琶湖周辺のお寺巡りとか、そういう近場で、観光地である程度時間を自由に使えるようなプランがあると嬉しいです。
(おまけ)
バスの日帰りツアーは、一人参加者を毎回見かけます。私もいつか一人参加をするのだと思って、その日を心待ちにしているのですが、今回はちょっと危うい人が複数いらっしゃいました。
両方とも集合時間までに集合場所に来ない・戻ってこないことがありました。集合場所=出発時刻みたいな感じで少し早めに座席に戻ってくることがツアー参加では厳守事項みたいな暗黙のルールがあると思うのですが、そこを平気で無視するみたいな、あまりにもマイペースなところが流石に気になりました。そして全体的にのんびりしているのが特徴のカッコー・パルックさんなので添乗員さんがそのあたりは放任で、そういう客側の良識に任せますと言う感じは嫌いじゃないけれど、でもあんまりな時は注意して欲しいなと思いました。
おひとりはちょっとうっかりさんタイプで、指定座席を間違ったり、SAでのレジ時間を推測して行動することが少し苦手(集合時間はわかっていたが会計待ちで思ったより時間が掛かった感じ。とはいえ、そこで買えなければ死ぬ、というものではない以上、集合時間までに会計が終わらないと判断した段階でバスに戻るべきだとは思いました)、最後の休憩場所ではバスの運転手さんが迎えに行きました。こちらはまあ、おっとりした人が多い地元なのでそういう人もいらっしゃるかなとは思いました。
もうひとりは、体を動かしていないと落ち着かないタイプみたいで、ちょうど自分たちの後ろの座席の方だったのですが、気が付くとなにかごそごそしていたり、集合時間ぎりぎりまでバスの周りとぐるぐる歩いていたり(ジョギングウェアみたいな半パンで参加されていたので、もともとスポーツ好きなのでしょう)、落ちつかない人もいるんだなーと思っていたのですが、天橋立の集合時間を10分過ぎたころ、他の人は全員バスの座席について出発を待つばかり、というあたりでふらっと戻ってきて、さらにそこからトイレに行くという、なかなかマイペースな人でした。この方はそれ以外の集合時間でもとにかくなかなか座席に戻ってこない人で、互いに不干渉というのもツアーでは暗黙のルールでしたが、私たちを含めたその人の周囲の人が、「あれはちょっとだめでしょ」という意見で一致してしまったほどでした。
周囲に割と無関心な家族からも、「あのな、将来、ひとりで参加したいとか言っていたけど、あんな感じになるなら心配だから自分もついていくわ」などと言われたのでした。お目付け役としてついてきてくれるのだそうです。