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イベント・お出かけメモ#24 関宿

関宿は季節ごとにドライブがてらふらっと行くお気に入りの場所のひとつです。

関宿は「観光三重」によると、東海道47番目の宿場町で、200軒近い町屋が約1.8kmに並んでおり、国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定された場所です。

東海道五十三次それぞれに宿場町があったとして、明治以降に新たな道路や鉄道が整備されていく中で、それなりに江戸時代の雰囲気を残している関宿は、ここに至るまでに様々な工夫や苦労があったのだろうと思います。電柱を埋めることで往時の建物や空の雰囲気を維持している点に始まり、そこに住んでいる人にとってはもしかしたら不便もあるかもしれないけれども、それでも街並みが残ることで、他には見ることができない魅力を持っているところが素敵だと思います。

週末、さらにイベントが行われている時は混雑するものの、それ以外はそれほど混み合うこともないので、県内外だけではなく来日した知人を案内したり、あるいは近代レトロブームが来ている子どもに要望されたりして、また、仕事の関係で、少なくともおそらく季節ごとに関宿には来ている気がします。

足湯「小萬の湯」の隣にある観光駐車場に車を止め、関地蔵院から東の追分方面に歩いていきます。やわらかなカーブに沿って家が並んでいるので、往時を想像しやすい良い感じが残っています。週末だったのでベビーカーの親子連れから年配グループまで、どこかの大学の合宿できたみたいな若者集団、そして国内外の人が散策していますが、混雑して大変だということはありません。

お土産は復路で購入するとして、志ら玉を販売しているお店などを見ながら、まずは眺関亭という無料休憩所の2階から街並みの写真をとってみます。やはりある程度の規模の街並みが残されているというのはそれだけで素敵です。

関宿には資料館(博物館)が3館あります。それが、関宿旅籠玉屋歴史資料館、関まちなみ資料館、そして、関の山車会館です。この3つを訪問するのであれば共通券(大人500円、小人300円)を購入すると便利です。
以下はその3つの資料館(博物館)です。

①関宿旅籠玉屋歴史資料館

東海道が描かれた屏風
玉屋さんとくればこのマーク。
中程度のお部屋?
1階の離れとの間にある中庭(坪庭?)がとても素敵です


②関まちなみ資料館


箱階段には昔から憧れがあります。
箱階段を上がったところ。通りに面して2部屋あります。
当時の人はここをどのように使っていたのでしょうか。
街道にそった宿場町なので、間口は狭めで奥行があります。
こちらは奥の蔵側から家の表側に向かっての廊下。


③関の山車会館

山車のミニチュア
近代になって鉄道網が整備される一方で街道沿いの町は往時のにぎやかさを失っていきます。
そでじゃあだめだと、明治になって萬古焼をこの地で始め、関萬古としてメタルのような肌合いの陶器やお土産用の陶器を販売していた町屋さんがもともとあった場所だそうです。
母屋、蔵、離れ、そして2019年にオープンした関の山車会館の山車に関する資料館があります。
離れ。ガラスが良い感じ。
休憩場所のような扱いで、縁側に座ったりしてゆっくりできます。
明りがともった山車が中にある資料館。お祭りの様子の映像資料を見ることもできます。


値段がお手軽なので関に人を案内するときはほとんど毎回こちらの3館共通チケットを購入しています。ありがたいお値段なのですが、個人的には1000円でも十分お得だと思っています。こういう資料館の手入れは大変だと思うので、無理をせず、できる限り長く公開してくれることを願っています。

関宿は、並み以上の体力がある場合は、
観光駐車場→地蔵院→東の追分(ここで折り返す)→関神社→関の山車会館→このあたりで食事かお茶をして休憩→関まちなみ資料館→関宿旅籠玉屋歴史資料館→地蔵院、あるいはまだ大丈夫そうな場合は 西の追分まで行ってから地蔵院に戻る と言う感じで案内をします。絶対に体力があるなという人を案内する場合は、最初から西の追分の駐車場に車を止めて、西の追分→東の追分→西の追分 コースを案内します。

宿場町全体が保存されている感じがすごいです。
向こうの山まで街道がすっと伸びていく感じで気分が良いです。

途中に無料休憩所やお菓子屋さん、骨とう品店などもあるので、そういったお店を眺めながら、それなりに保存された街並みを楽しみます。

子どもはここに来ると駄菓子屋さんに立ち寄ることを楽しみにしています。前に平日に訪れた時は、店番をしている店主の高齢女性とその知人の高齢男性が会話を楽しんでいるその内容が、「〇〇も死んだな。」「〇〇さんも亡くなってしまった。」「〇〇は体調を崩して~。」となかなかでした。お菓子を選びながらそれを聞いていた子どもは、それ以降こちらのお店に寄っては、「今日もお店の人大丈夫だった。」と言います。あなたは何を心配しているんだ。ちなみに今回関宿に来たのは子どものリクエストに応えてですが、理由は、「マインクラウトで街を作っているのでその参考にしたい」とのことでした。

無責任なよそ者の希望としては、こちらの桶屋さんみたいな職人さんがいまでも工芸品を作っている姿も含めて観光できるような場所がもう少し増えるとさらに楽しいなとは思います。着物に着替えて街を散策できるお店ができましたが、中高年にはそれはちょっとハードルが高いので、着物関係なら伊勢木綿の着物に着替え、かつ、店の中で写真撮影(家族写真やポートレート写真)を楽しめるような感じのプランがあれば家族や知人を誘ってみたいとは思います。京都のその手のプランからの連想です。

あるいは三重なので伊勢型紙、根付、あるいは関萬古にちなんだ陶芸体験、もしくはイベントで見かける勾玉つくりみたいなもの。そういうのがあると、街歩き以外の楽しみが増えるのでリピーターとしては前回訪問とは異なった楽しみ方ができていいなと思ったりします。ただし、そういった新たな工芸品や体験ができる場所を増やして、コンスタントな訪問者および収入が見込めるかというと、そのあたりはわからないので、リスクを背負うよりはこのままの、のんびり散策できる雰囲気を維持した方が良いのかもしれません。

訪問者が多すぎない適度な感じで、たいていの日は駐車場探しにも苦労せず、体力や時間などと相談して街並みを楽しむことができるという点で、関宿は好きな観光地です。住んでいる人にとっては観光客が日常生活の邪魔になっていることも多々あると思うので、そのあたりには注意をしなければならないなと思っています。