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イベント・お出かけメモ#32伊勢河崎

12月の週末、少し前の時代の街並みが残っている場所を歩きたくなって、伊勢の河崎へ行ってきました。ちょうどその日は第四日曜日で「だいどこ市」はしめ縄をはじめとするお正月向けの物も売られていました。

近鉄宇治山田駅または伊勢市駅から少し歩いたところにある河崎は、おかげ参りにやってきた人たちの宿もしくはその宿などに運び込む物資を川から陸へと移す中継地点として江戸時代に栄えたそうで、名古屋から船で参拝客がやって来て、ここを通ってお参りにいった時期もあるそうです。

今回は宇治山田駅を子どもに見せたかったので、宇治山田駅で下車、そこから勢田川に出て、まずは川沿いに「河崎・川の駅」まで散策しました。

宇治山田駅

12月なので川面を吹く風はそこそこ寒かったです。

川側がら「川の駅」を通り抜けたところが「河崎本通り」。市の日なのでほどよく人が集まってきています。


勢田川沿いの景色。もともとは蔵?


伊勢河崎商人館は、江戸時代から酒問屋を営んでいた小川商店を資料館などに用途を変更したところです。パンフレットによると、「江戸・明治時代に建築された蔵7棟、町屋2棟など」を持つ商家で、当時の商家の趣がかなり残されています。入館料は大人350円、小学生が100円と、かなり良心的です。しかも見ごたえがあって良いです。入口で入館料を払うと、建物の由来などについて説明をしてくれます。写真撮影は自由にどうぞ、ということでした。

商人倶楽部(大正13年)


商家の旦那衆が談話するための場所。小ぶりですがモダンで素敵です。
上の写真にあるドアの上部。木目などが楽しい。
内側から外を見るとこういう感じ。
入口から倶楽部へ向かうところのガラス戸。開け方にコツ?がいるのだそうです。

母屋
入口の奥が母屋。そして、箪笥階段を上った2階が住居スペース。
2階部分が思った以上にこじんまりしていて、ここで何人が生活したのだろうかと不思議に思いました。

外から見るとこういう感じ。木材部分がきれいです。

茶室(明治期)

屏風がありました。
欄間も綺麗です。

内蔵資料館(天保6年)
河崎の商家の暮らしの資料を展示

蔵を包み込む感じになっています。頑丈そうな蔵でした。



土間部分にあった、かつて使用していた道具。珍しいタイプのタイプライターです。
日本タイプライターの「邦文タイプライター」だそうです。文字を探すのが大変そう。


中庭
茶室から蔵(内蔵資料館)を見た感じ

母屋の向こう側に河崎まちなみ館(明治5年)があり、そこでは、日本最古の紙幣とされる山田羽書をはじめとする伊勢と河崎、河崎の人と本居宣長との交流などに関する資料が展示されていました。

これらすべての資料館を堪能して、大人350円、写真撮影も原則としてOKというのは太っ腹です。

明治以降は「エスサイダー」として知られるサイダーを製造・販売していたそうで、現在もサイダー製造場跡に濾過施設が一部残っています。

どことなく胡同を連想させるいい感じの壁と門


おみやげに復刻したサイダーを買って帰りました。

帰りは伊勢市駅、そして下宮を参拝しました。地元民あるあるですが、伊勢神宮は当たり前の存在になっていて、実際に参拝するのは年に1度あるかないかといった具合で、数年ぶりに下宮に行きました。次の遷宮の準備が始まっていました。仕事で三重に来て間もない頃に遷宮でにぎわっていたので、時の流れを感じました。

河崎はこじんまりしたところなので、散策に必要な時間は多く見積もっても2時間ぐらいです。下宮も含めた伊勢の観光地として足を運んでもらえたらと思います。