徒歩日本縦断《京都➡島根編》5日目 『城崎温泉街』久美浜➡香美町
この日も、峠越えが続く行程だったが、
城崎温泉街をとおり久しぶりの入浴。
そして、漫画喫茶で久しぶりの宿泊となった。
朝、やはり寒い。
カイロを4つも使った。
身体が冷えて固まり、節々痛い。
野宿に疲れてきていた。
この日の夜は、歩き終わったら電車で鳥取まで行き宿泊しようと計画建てた。
夜露でびしょ濡れのテントと寝袋を乾かす。
昨日買ったガスを使って、
カレーヌードル、味噌ラーメン、コーヒーを飲む。
片づけていると、おじさんが近くをウロウロしている。
長い間、ウロウロしていて。
野宿や飲食しないように圧をかけたいのかと思い、
急いでそそくさと片づける。
しばらくすると、あちらから声をかけてきて、
旅をしているのか聞いてきた。
結構、細かく色々質問する方で、
ねほりはほり話してしまった。
一方的だったので、おじさんの事も色々聞いておけばよかった。
風呂も入っていないが、洗濯もしていないので、かなり気持ち悪い。
綺麗な朝の空に鳥が優雅に飛び立つ。
山道に入ると道路状況が悪くなってきた。
冬の日差しは影が伸びる。
なんの石碑かわからないが、嘉永4年と書かれている。
170年前くらい?黒船来航あたり?
兵庫県入りの看板。
さらば京都。
県境。
大阪より先は沖縄と奄美大島以外行った事がない。
未知の領域。
紅葉。
影が伸びて足が長く見える。
ひとつ山を越えたあたりで、山に囲まれた集落を訪れる。
俺の存在に気が付いたカラスが電柱から奥の方へ飛び立ち、
静かな集落にカラスの鳴き声が山に反射してこだまする。
柿!
実が多い!
スズメの声がチキチキ、チュンチュンとサラウンドで響き、
田んぼの水路から水の音がサラサラと流れる。
風は無風で静かな時を感じる。
再び山へ入っていく。
川沿いを歩くと川の音ともに冷気の風が上がってくる。
歩いていると歩行者も車もほとんどいなかったが、
向かいから僧侶が歩いてきた。
挨拶すると、黙って手を合わせてお辞儀した。
物珍しく振り返って再び僧侶をみると、
山にお辞儀して合唱していた。
猪用のトラップだろうか?
すごいコケ 黄緑色が眩しい。
山を下山すると、
寒風の中ひとりポツンと道路整理している若者が。
誰もいない、寒い中ご苦労様です。
平地に来た。
空気が澄んで、水が鏡のように山を映しだす。
湖では魚が跳ねたり、鴨が飛び立ったりしていた。
橋が撤去されるのだろうか?
歩道がほぼ無くて、かなり怖かった。
電車。
なんか秋に似合う朱色だな。
線路沿いの道は歩道がなくなったりして怖く、そそくさ急ぎながら渡った。
交通量も急に激増。
城崎温泉街。急に交通量も歩行者も増え、
風呂入ってない汚らしい恰好の俺は居心地が悪くなる。
目星を付けていた温泉が営業してなかった。
温泉街、川沿いにお店が並び観光客でにぎわっていた。
コンビニでゴミを捨てたかったが、
ゴミ箱撤去されていて捨てられなかった。
もう一軒行っても同じでここら辺はゴミ捨てられないようだった。
綺麗な温泉街。
老夫婦だけでなく、若いカップルもよく見かけた。
一の湯という温泉に入る。
受付にお願いして、大きな荷物を端に置かせてもらう。
更衣室では小学生の社会科見学が来ていて、
従業員に元気よく質問をしてメモなどをとっていた。
久しぶりの入浴なので、身体を二回洗って垢を落とした。
温泉は透明で、入ると胸のあたりがカーッと熱く沁みた。
連日の野宿で冷えて固まった筋肉がほぐれる感じがした。
お風呂は人口の洞窟ぽくなっていて、石に囲まれているのではなく、
モルタルとかで洞窟風に固めたものだった。
折角きれいになったのに汚い衣類を着るのが嫌だったが、
比較的綺麗な服を選んで更衣室をでた。
出口に行くと、荷物を見てくれていた従業員の方が話しかけてきて、
旅の事をあれこれ聞いてきた。
「お湯はあたたまりましたか?」
「どうぞお気をつけて。」
お風呂に入るとき、綺麗な観光客ばかりの中で、
汚い奴が入りに来たと毛嫌いされないか心配だったが、
気持ちよく接客してもらい気持ちも温まった。
カップケーキの自販機!
初めてみたので買ってみたいがやはり高い。
丁度補充する所をみれた。
小奇麗なショッピングモールみたいなところがあった。
中にピタゴラスイッチみたいなピンポールの仕掛けおいてあって動画をとったが、写真は撮り忘れた。
どこかで飯を食べたいが、どこも小ぎれいで客も多く、
自分の服が臭いので入るのがおっくうになり、どこにも入らなかった。
ここにもケーキの自販機
泊まってみたい。
くたびれたクマのぬいぐるみ。
いつの間にか温泉街は終わり、人気がすっかりなくなってきた。
黄色のモミジが映える。
静かな道を歩き、再び峠越え。
結局、食事がとれなかったので、
山の中の神社の脇でおにぎりを食べていると、
蜂が襲ってきて追い出された。
何本かあるスマホバッテリーの最後を使って充電する。
ここにも不法投棄
駅で休憩。
だいぶ日が暮れてしまった。
この日峠も超えて40km近く歩いているから、足の痛みもきつかったが、不意に通り過ぎた自転車の学生が
「がんばってくださーい」
と元気な声で応援してくれた。
そのあとにも、
自転車を軽快にこぐおばあちゃんに
「ごくろーさぁん、なぁん、どこまで行くのぉ?」
と声をかけて心配してもらった。
ようやく香住駅に着く。
ご飯も食べたかったがダイヤが気になって、なるべく急いできた。
この日は歩き旅はここで中断し、
鳥取でネカフェに泊まる。
翌日ここまで電車で戻り、
歩き旅を再開する予定だ。
駅構内はキレイ。
人との接触事故があったらしく20分遅れ、
だいぶ待たされる。
疲れているから眠らないように気を張る。
電車内。
椅子と椅子の幅が広い。
一度休むと体が思うように動かず、
下車するときに転んでしまい、学生に心配される。
珍しい自動改札ではない。
久しぶりのまともな飲食!
王将に入る。
餃子定食!
バッテリーがいよいよ切れて写真はないが、
この後に快活クラブに入って宿泊。
久しぶりのシャワーに、
なにより洗濯ができたのが嬉しかった。
疲れていて乾燥をかけている間に眠ってしまいそうだった。
個室は満席でフラットシートに入ったのだが、
やや狭めで足が延ばせないのが気になった。
久しぶりにカイロ無しで凍えない夜をすごせた。
この日歩いた距離 41km
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