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新型コロナの感染経路と最適な感染対策①なぜパンデミックは起こったのか?

「パンデミック条約~新型コロナの後遺症~」の続きです。
WHOに世界統治の権限を与えても良いのか判断するための情報として、新規陽性者などが集計されていた期間のデータを元に、新型コロナについて書いみたいと思います。長いので①②③に記事を分けます。

■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

■市中感染源は?

A/日本の新規陽性者と入国者数 2020~2022@てこ

入国日本人(帰国者)・入国外国人を合計した「入国者」「新規陽性者」の推移はそのままでは一致しません。
なぜかというと「待機日数」が重要だからです。

水際対策の内容は、都合にあわせて都度変えられていました(レジデンストラック、ビジネストラック、アスリートトラック等)。他国も同じです。

入国者の待機日数は、世界中で「原則14日間」でしたが、徐々に緩和され「7日間、5日間、2日間、実質なし」など時期によって違います。

上のAのグラフに各期の待機日数を反映すると以下のようになります。

B/日本の新規陽性者と入国者相当数@てこ

CAや協定該当者など一部検査を受けない人達もいるので誤差は生じますが、推移は概ね一致します。
水際対策による出入国規制の強化と緩和の影響も明確です。

ここでは待機日数別の入国者数を便宜的に「入国者相当数」と表現します。平均1日1人に市中感染させるとして、何人に感染させるかを入国者数に換算します。入国感染者1人が市中で10人に感染させるなら入国者相当数は10人になります。計算式は後で説明します。

なぜ国内の新規陽性者と入国者相当数(待機日数別の入国者)の推移が一致するかというと、新型コロナには決まった性質があるからです。

①感染から発症までの潜伏期間は、9割が10日以内。
②発症期間は、9割が8日間以内。
「潜伏期間10日間」+「発症期間8日間」=必要な待機日数18日間

多くの医学・医療関係の専門家は、潜伏期間を「5日間」と説明しますが、平均・中央値なので、当然それ以上の人も沢山います(30日間等)。

世界中で待機期間は「原則14日間」となっていました。
WHOが潜伏期間を14日間程度としたからで、この間に発症したら待機措置を延長するという段階的措置をとりました。潜伏期間を5日間と考える場合も、発症期間の8日間とあわせて14日間以内に感染力を失うので、まあこの日数で良いだろうという決め方をしました。

でも、この待機日数の設定には重大な欠陥があります。
無症状者が考慮されていないのです。

待機終了時の検査は任意です。待機中に発症した有症状者は自主的に親告・検査をしてくれるとしても、無症状者は変化がないので検査をしません。

そのため、待機終了後の4日間~8日間は発症した状態で外出することになるので、無症状の入国者が無自覚に市中感染源になります。
無症状者を考慮するなら、入国者の待機日数は18日間必要です。

ただ、コロナの感染力は弱いので、市中では三次感染くらいまでしか起こりません。各追跡データをみても、スーパースプレッダー以外の感染力は、1日あたり平均1~2人です。

新規陽性者の内訳に渡航歴のある人が少ないのは、渡航歴は14日間分しか確認しないからです。入国者は14日間の待機措置を受けるので、待機終了後に市中感染源になっても「渡航歴なし」として記録されていました。
待機日数の短縮後は集計自体していません。

■グラフから分かる「感染源」

Bと同じ/日本の新規陽性者と入国者相当数@てこ

シンプルなグラフですが、重要なことが分かります。
ひとつはパンデミックの直接的な原因は渡航者だということです。
先の説明通りですが、国内の新規陽性者数と入国者相当数の推移が一致しているということは、入国者(日本人含)が市中感染源です。

■ウイルスの侵入経路

日本は当初、殆ど感染者がいませんでした。
2020年1月にダイヤモンド・プリンセス号という大型客船が入港して、事後対応の悪さから周辺で何人か陽性者が見つかりましたが、全国には広がりませんでした。

でも2月の札幌雪祭りでクラスターが発生すると、北海道では感染者が増えました。雪祭りは訪日外客が多かったからです。

日本は欧米に比べて感染流行が遅かったので、文化の違いが理由ではないかと言われていましたが、早い段階から出入国制限を行っていただけです。

成田空港2020~2021国際便と@てこ

成田空港の「空港運用状況」資料をみると、2020年4月から便数や客数を減らしているのが分かります。座席数制限もありました。
6月から制限緩和したので、7月から感染増加しています。

台湾 新規陽性者 2020~2021

台湾は新規陽性者0~100人を維持する優等生でしたが、2021年3月に出入国制限を緩和したことで、5月には一気に7300人以上に急増しました。

新型コロナ、市中感染さらに10人増 7人はレストランの集団感染/RTI

台湾の例でいうと、2022年1月19日に54人の感染者が見つかりました。内44人は海外からの感染者で、残り10人も空港のレストランで集団感染したことが分かりました。無症状者の割合は約35%だったようです。

インドの新規陽性者数と入国者相当数

インドは2020年3月からロックダウンを行っていましたが、2021年1月から先行接種を開始し、4~5月に一般接種を行うと感染爆発を起こしました。2022年1月に18歳以下の接種を開始すると、再び感染爆発が起こりました。

ロックダウンをした地域で一時的に感染流行が収まるのは、同時に渡航制限をするからです。ロックダウンを解除する際に渡航制限も解除するので、再び感染者が増えます。

ワクチン接種のタイミングで感染増加するのも、接種を条件に渡航制限を緩和するからですが、感染者が増える時期にあわせて接種させているケースもあります。

感染対策として最も有効なのは、「渡航禁止」や「適切な待機措置」だということですが、それを徹底すれば国内での活動を制限する必要はないと思います。国内活動だけでねずみ算式に感染が増えた国はないからです。

入国者がウイルスを持ち込むと、人々の活動によって国内でも拡散されますが、ウイルスが持ち込まれなければ広がりません。だから渡航制限をすることで直ぐに効果が出るのです。2~3週間程度で感染減少に転じ、2~3か月で国内での感染流行は収束に向います。

コロナは常在ウイルスで、通常の風邪として罹患するため、検査陽性者が0人にはなりませんが、感染流行を終わらせること自体は難しくありません。
そのために渡航制限や待機措置の延長を行なうことに抵抗があるだけです。

最低限の感染対策(マスク・手洗い等)は必要ですが、アウトブレイクやエピデミックではなくパンデミックなので、原因は国内活動ではないのです。

水際対策を強化すれば国内活動はほぼ通常通りに行えると思います。それはコロナ禍での経済の仕組みを考えていくうえでも重要な点だと思います。

■グラフから分かる「感染経路」

先に説明した通り、感染流行は常に水際対策に連動しています。
どこの国でも同じなので、待機場所、医療水準、家族の有無、宗教や文化、気候や人口密度、そういった差が生じるものを全て除外しても残る共通点が感染経路であり、常識的に考えればそれは「移動手段」です。

■渡航者が感染源になる理由

渡航者は移動する際の飛行機や客船の中で感染します。
そのため、出発前にPCR検査を受けても意味がありません。

大型の乗り物では、HVAC(ヒーバック)という一体型空調システムを採用しています。空気清浄、温度や湿度の管理、空気循環などをまとめて行なうのがHVACシステムです。

大型の飛行機では、内気の循環割合は50%、客船では70%が一般的で、ダイヤモンド・プリンセス号も70%でした(後に50%に変更して運行再開)。

HVACでは、HEPAフィルターによって空気をろ過します。
空気清浄機やエアコンなどの売り場で「花粉・ウイルス・PM2.5を99%ブロック!」という宣伝文句を見かけると思いますが、その高性能フィルターです。ただし「0.3㎛以上」という条件付きで、0.3㎛以下のウイルス等はろ過できません。

コロナやインフルエンザのウイルスは平均0.1㎛、エアロゾルは平均0.2㎛なので、ろ過できません。だから毎年インフルエンザが流行します。
高性能な空調システムほどウイルスを早く広範囲に拡散させます。

航空会社がいう「感染対策」は、正確には「飛沫感染対策」です。
飛沫状なら0.3㎛以上(平均2㎛)あるのでろ過できますが、結局はエアロゾルになって機内に充満します。

IADF( 航空機国際共同開発促進基金)は以下のように主張しています。

HEPAフィルターの性能は、JIS規格で「0.3μm の粒子を 99.97%以上捕集できる」と定められており、花粉や空気中の微粒子物質(PM2.5)などが除去される。日本ウイルス学会ではCOVID-19 の粒子は 0.1~0.2μm としており、フィルターの目よりも小さいが、フィルター中の粒子は滞空時間が長くなるほど、慣性効果や拡散効果と呼ばれるメカ ニズムで、繊維に捕集される確率が高まるとされていることから、99.97%の捕集が期待できる。

R2-7 航空機の与圧・空調システム ~ 機内環境と新型コロナウイルス感染症 ~

要は「性能実験では0.3㎛以上とされているが実際は0.1㎛をろ過できる」と主張しています。IATA(国際航空運送協会)や航空関連の御用記事でも同様の主張がありました。言わずもがなですが、誤情報です。

フィルター性能は0.1㎛でも検証されていて、殆どろ過できないことが分かっています。風速が遅ければ僅かに捕集率は上がるようですが、それでも0.2㎛以下を捕集するのは難しいです。

特に湿度の低い場所ではエアロゾル化するまでの時間が早く、飛行機内は20%前後の低湿度に設定されているので、エアロゾル化しやすいです。

マスクは必要か不要かという論争がありますが、理屈は同じです。
0.1㎛のウイルスをブロックできる不織布マスクであれば効果はありますが、それ以外の布やウレタンなどは着用しても効果は低いです。

旅行者は荷物を減らすためにウレタンマスクを着用していることが多いので、ウイルスやエアロゾルが循環している機内・船内に長時間いることで、移動中に感染します。感染状態になるまでの時間はウイルス量によります。

<ANA>
<JAL>White Bear Family

大型旅客機の場合、空気口は壁側(窓側)や中央エリアにあるタイプが多いため、日本の航空会社は中央エリアを封鎖しましたが、IATAに中央席も売れと指示されて封鎖を解除しました。

IATAは「過去のSARSや風疹の例では殆ど機内感染が起こっていない」「機内感染が起こったとしても前後席まで」「機内感染があったのは空調設備が不調だった時だけ」、だから機内感染の可能性は低いと発表していましたが、全て事実とは違います。

飛行関連の感染者は9列にわたり、反対側の席にまで及んでいた。空気処理システムの点検に関する記載はみられず、乗務員に病気のものはいなかった。SARS-CoV-1 の検討では、最初の感染者の2ないしは3列以内の座席で2次感染のリスクが高いことが報告されている一方で、それより遠く離れた席でも発生しており、US連邦航空局の報告では、2003年のSARS感染爆発の際には、感染者から7列離れている乗客への機内感染は、人の動きと関連があるかもしれないと結論している。

※CAはPCR検査などを行ないません

多くの 2 次感染者は窓側に座っていた。うち 2 名は席の移動がなかったという。これは、米国での、通路1つの航空機での飛沫による病原体の感染性は、窓側の席の方が感染リスクが低いという事実と相反する。別の報告では、航空機内での複雑な空気の流れを測定し理解することは難しいと述べている。

飛行機の旅は安全か?

IATAは「業務に支障が出る」という理由でCA等の検査も行っていません。

外部の追跡調査では機内感染例は非常に多く、全ての調査ケースで機内クラスターが発生しています。インフルエンザも含めた各調査データからすると機内感染率は40%前後です。潜伏期間があるので、空港検疫で陽性判定が出るのは機内感染源である2~4%(スーパースプレッダー)だけです。

空港検疫率は国や時期によって異なります。レベル2の国は検疫免除されるなど細かく規定があり、日本でも50%程度の検疫率の時期もありました。
そのため幅がありますが、たとえばカタール空港を利用した26万人に対する空港検疫では0.6~4.2%(中央値2.4%)でした。

■東京五輪の罪

適切な待機日数を設定できなかった理由は各国や時期で違います。
日本の場合は東京五輪が大きかったと思います。

テスト大会から「待機措置なし」。報道陣や専門人材、大会コントラクターなどを含めた関係者らも「行動計画書」を提出すれば無制限。好きな宿泊先に泊まり、用務先※を自由に移動して、その間にどこへでも行けました。

※用務先
<NOC/NPC>競技会場、練習会場、事前キャンプ、ホストタウン、ハイパフォーマンスセンター、所属先の他メンバーの宿泊施設など<IF>競技会場、練習会場、所属先の他メンバーの宿泊施設など<MP>競技会場、練習会場、ショーケーシング、所属組織の社屋など<IOC/IPC>競技会場、練習会場、スポーツ仲裁裁判所(CAS)オフィスなど<OBS/RHB>競技会場、練習会場、選手村、ハイパフォーマンスセンター、国際放送センター(IBC)/OBSスタジオ、資機材倉庫、所属組織社屋など<PRS>競技会場、練習会場、選手村、ハイパフォーマンスセンター、メインプレスセンター(MPC)、所属組織社屋、東京都メディアセンターなど<大会スタッフ>競技会場、練習会場、選手村、IBC/MPC、大会運営用倉庫、ユニフォームアクレディテーションセンター(UAC)、オペレーションセンター(晴海)など

COCOAやMySOSなどのアプリと同じ「事後用対策」の届け出なので、感染防止策にはなっていませんでした。

東京五輪の開催前に、グラフの計算式に当てはめて陽性者数の予測をしていました。これが当たれば、仮説の裏付けのひとつになるからです。

7~9月の入国者が合計20~30万人なら、新規陽性者は合計80~120万人になるという計算結果でした。
4~6月の新規陽性者は合計32万人だったので、3倍に増える予想です。

実際の入国者は、外国人が12万人だったので49万、日本人が13.5万人だったので38万人、あわせて約87万人が計算上の予想陽性者数です。
実際の新規陽性者数は合計90万1057人でした。
誤差の範囲で一致したと思います。

この間にも多くの人が亡くなったので、水際対策を失敗したというだけでは済まないと思います。

■空気感染というより空調感染

空調システムの影響は、けっこうはっきりとしています。
例えばレストランで発生したクラスター例では、エアコン風の通り道にある席の人だけが感染しました。

中国広州市のレストランでの空調に関連した新型コロナウイルス感染症

図のA1が大元の感染者で、他の赤丸が店内で感染した客達です。
右壁にエアコンがあり、左壁に換気扇がありました。A1のウイルスを含んだエアコン風が循環するラインに座っていた客達が感染したのが分かります。

図の上部が奥エリア、下部が手前エリア

クラスターが発生したのはフロアの奥エリアで、手前エリアにも客はいましたが、一人も感染者が出ていません。手前エリアにもエアコンはありましたが、エレベーターや階段などがあり、外気の流入があったからです。

HVACは、内気の再利用で「20%のコストダウン」「考え方によってはエコ」として様々なビル・施設で採用されています。豊洲市場もHVACですし、ダイヤモンド・プリンセス号の造船会社は医療施設も建設しています。大抵の新しい施設はHVACなので、人の多い場所で感染しやすいのです

映画館で換気実験を行なったようですが、映画館も大抵はHVACで、この施設も同じです。入れ替えた空気にもウイルスが含まれていますし、上映中は感染客がウイルスを排出するので、この検証には意味がありません。

映画館自体は、観光客が少なく、湿度も40%以上ですが、最近はビル型施設や複合施設が多いので、感染リスクが低いとは言えないと思います。

屋外は、ひらけた場所なら感染し難いと思いますが、移動がある場合は、移動手段によって感染リスクが変わると思います。

たとえば一時期「BBQで感染」説を唱える専門家が何人もいました。
このNHKの記事でも「横浜のダンスサークルがBBQに参加して大型クラスター発生」と伝えています。

国や自治体、専門家らは、こういったクラスター例を元に「屋外や3密以外でも感染する」「ウイルスが強毒化している」と危機感を煽りました。

戸塚公会堂のイベントスケジュール@てこ

でも、このダンスサークルは、BBQの前にダンスの公演を行っていました。
公演は施設カレンダーの赤枠で囲った部分だと思います。

NHKも個別の記事では「公演を行なったあと」と書いていましたが、なぜか「3密~」記事にはそのことを書いていません。
劇場の感染例はあるので、BBQよりも公演施設で感染した可能性が高く、学校でも公演に向けて練習をしていました。関係者を含め60人が感染したようですが、この大学ではBBQの前から感染者が出ていました。

もし当日に感染したケースがあったとしても、BBQをやるのは夏が多いので、往復の移動中にカーエアコンを使用していると思います。
少なくとも、専門家が言う「トングについた飛沫で感染」よりはずっと可能性が高いと思います。ウイルスは熱には弱めです。

中高生の集団感染例も、「屋外+マスクでも感染した例」とされていますが、この学生達は部活に参加していました。
感染者数が多かった2つの府立高も、商業施設に寄ったり、部活で体育館を利用していたようです。

他にも国や専門家らが危惧する「屋外活動」は沢山ありますが、どれも確実性に欠けます。

もう少し込み入ったものだと、京都大学の西浦教授が「Go To Travel」のせいで感染増加したと発表していました。「Go To Travel」に反対する国民もいたので政府批判の材料になりましたが、解析評価は分けて考える必要があります。

この解析では、以下のように期間を分けています。

期間1a:6月22日~7月21日 / キャンペーン直前の30日間
期間1b:7月15~19日 / キャンペーン直前の5日間
期間2:2020年7月22日~26日(4日間)/ キャンペーン初期
期間3:2020年8月8日~31日(24日間)/ キャンペーン後期

「県境をまたぐ移動」の感染は平時20%だが、期間2は「Sightseeing/観光」の感染者が増えているので、キャンペーン初期が感染拡大の原因であった可能性が高い、という結論になっています。

でも、キャンペーン対象商品の予約開始は7月27日からでした。
事業者の本申請開始が27日・31日になったので、第一弾のキャンペーン期間は7月27日~9月30日でした。期間2は予約分を適応させただけで、旅行前ですから「キャンペーン初期」ではありません。

そもそも潜伏期間があるので、期間2に発症したなら大半は22日以前に感染しています。

本来の対象期間である期間3では、宿泊旅行者は7月より8月の方が増えましたが(1076万人→1797万人)、旅行関連症例は減りました(482→289)。

例年の旅行ピークは8月で、9月には4割ほど減りますが、この時は9月に116万人増えました(3232万人→3348万人)。内「県外旅行」は26万8960人増。でも9月の陽性者数は8月の半分以下です(3万2129人→1万5194人)。

この解析には大きな間違いが2つあります。
ひとつは、キャンペーン期間として期間2を含めていることです。
もうひとつは「県境をまたぐ移動」をキャンペーン分としていることです。

期間2では「観光」での感染が増えましたが、本来のキャンペーン期間である期間3は逆で、「Hometown/居住地域」の感染が約10%→約40%に増加し、「観光」は約20%→約10%減少しました。

V-RESAS

各記事やV-RESASをみても、居住地域周辺での旅行が多かったようです。
たとえば北海道居住者は、6割が道内旅行で「Go To Travel」を利用しました。過半数の旅行は「県境をまたぐ移動」をしていなかったのです。

期間3の「居住地域」で感染増加していたなら、それを「Go To Travel」のせいだと言えば良さそうなのに、なぜ西浦教授は期間2とキャンペーンをこじつけたのか?という疑問が生まれますが、居住地域での感染増加は旅行が原因だと断定できないからだと思います。

実際、居住地域での感染増加はキャンペーンのせいではなく、各地の入国者等から個別に感染増加した可能性が高いと思います。

新規陽性者と入国者相当数(外国人のみ)2020年@てこ

この時期の新規陽性者数は、外国人入国者※の入国者相当数と一致します。
※外国人技能実習生、留学生、特段の事情、協定該当者等

東京が「Go To Travel」に加わり「共通クーポン」「Go To Eat」も始まった10月の第二弾でも感染増加は緩やかでしたが、外国人の入国者相当数に比例して感染増加しました。

累計感染者(~2021/1/16)と外国人の技能実習生・特定活動・資格外活動(2019)累計感染者(~2021/1/16)と専門的・技術的分野の在留資格(2019)

政府には「水際対策の段階的緩和」の予定がありました。外国人労働者の再入国を行うためです。「ビジネストラック※1」「レスデンストラック※2」は観光目的以外の商用出入国を認めるというのが主旨でした。

※1…短期出張者や「特段の事情(永住者の配偶者や子など)」
※2…外国人技能実習生、留学生、文化交流等

2021年1月16日迄の累計陽性者と2019年都道府県別の在留資格者@てこ

各都道府県の外国人労働者の分布と累計感染数の推移はかなり近いです。

日本人帰国者等も感染源になるので、外国人だから問題があるということではなく、入国者が感染源だということです。

感染対策として問題にすべきは「Go To Travel」そのものより、国内経済へのテコ入れを行なう際に出入国の緩和を同時に行なったことだと思います。

■計算式

入国者数(×渡航感染0.4)×無症状0.35~0.5×市中感染4~8=入国者相当数

水際対策が緩い期間は機内感染率が上がりますし、待機措置も検査もない期間は軽症者も外出するので無症状率としている割合があがります。
水際対策等に応じて計算式は調整する必要があるので、東京五輪の計算を例に説明します。

●事前予想では、大規模な緩和措置を前提に「待機措置なし」「感染率100%」としました。スーパースプレッダーの割合が多いうえ、用務先を自由に行き来できることから待機場所での感染も考えられるからです。
入国者予想数20~30万人×0.5×8=予想陽性者数80~120万人

●実際の入国者での計算では、日本人入国者も待機日数は7日間に短縮されていたので「待機措置なし」、無症者は35%としました。
外国人入国者12万人×0.5×8=48万人、帰国者14万人×0.35×8=39万人
48万人+39万人=約87万人(実際の新規陽性者数は約90万人)

■グラフから分かる「ワクチン効果」

ワクチン接種が始まってからも、感染流行は水際対策に連動しています。
ワクチンの効果は表れていないということです。

どの時点で効果を失っているのか分かりませんが、新型コロナに関しては、ワクチン接種をしても期待する効果は得られないと思います。

重症化や死亡率の説明を含めた「mRNAワクチン」と「新型コロナの起源・発生」の説明は記事を分けます(②へ)。


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てこ
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