新型コロナの感染経路と最適な感染対策②mRNAワクチンの欺瞞
前記事の続きです。
■mRNAワクチン
前記事で説明した通り、日本の新規陽性者数と入国者相当数が一致するということは、水際対策に連動して感染流行が起こっています。
ワクチン接種後もその傾向は変わっていないので、ワクチンの効果は表れていないということです。
■臨床試験の問題点
mRNAワクチンの有効性(発症予防効果)は95%とされています。
米モデルナ、米ファイザー・独ビオンテックの各臨床試験、イスラエルの大規模実験などが根拠とされています。
でも、この臨床試験の解釈には大きな問題があります。
内容は基本的に同じなので、米ファイザーの臨床試験を例に説明します。
コミナティ筋注/オミクロン株対応ワクチンの一部変更承認について
米ファイザー(mRNA)の臨床試験では、未感染の「ワクチン接種群(期間中2回接種)」と「プラセボ接種群」を1対1に分け、追跡期間中に何人が発症するかを集計しました。※57日間の追跡記録分
結果は「接種群は8/1万8198人、プラセボ群は162/1万8325人」がそれぞれ発症し、有効性95%とされました。
発症者8人と162人ですから、一見ワクチンに効果があるように感じますが、前記事で説明したように発症期間は8日間です。
mRNAワクチンは、自分の細胞を使って体内で疑似ウイルスを作り、感染状態にします。接種群は集団感染をした状態ですから、ワクチンでは潜伏期間がないと考えると、除外された最初の7日間に発症者が集中します。
接種後の副反応も9割は最初の1週間に出ます。
この時期の米国は発症率が平均1%だったので予想発症者は各180人でした。
接種群は、7日目までに9割(162人)、以後1割(8人)が発症します。
「接種後の7日以降」からの集計なので、7日目までの162人が除外され、8人の発症者が記録として残ります。
プラセボ群は、1日の平均発症者が約3人だとすると(180人÷57日)、6日目までの18人が除外され、7日目以降の162人の発症者が記録として残ります。
接種群もプラセボ群も、最初の7日間の発症者を含めれば、市中発症率通りの180人が発症していた可能性が高いということです。
ワクチンの効果は表れていないと思います。
■米CDCの誤魔化し
米CDCは、2021年1月~4月にワクチンを接種した1億人のうち、1万262人(0.01%)しか陽性者になっていないからワクチンに高い効果があると発表しました。
一般接種は1月から始まったので、1億人というのは4月末の合計人数です(
4月末の接種完了率が34%)。
米CDCが言うように「ワクチンに高い効果」があるのかどうかは、4月末の新規陽性者に接種者がどれくらい含まれているかを計算すれば分かります。
米国の4月末の新規陽性者数は4万601人/日でした。接種対象外だった人(子供など約2割)を除外すると3万2480人。対象の米人口の0.01%なので、ワクチンを接種してもしなくても陽性率は同じです。
接種率34%だと、3万2480人に含まれる接種者は最大で1万1043人です。
末日は前日の陽性者なので、1日分の接種者2.8%を差し引くと接種率31.2%なので1万133人。米CDCは1万262人だと発表しています。
誤差の範囲であり、ワクチンの効果は現れていませんでした。
■日本でも同じ
たとえば東京都の2022年1月の接種完了率(2回接種済み)は78%でした。
この時「新規陽性者の内訳は、接種者48%なのでワクチンには効果がある」と発表されました。でも、不明者26%を除外したり、接種対象者ではなかった子供の陽性者を未接種者の方にだけ含めて計算していました。
この時期は若年層の感染者がとても多かったので、未接種者の方にだけ若年層を含めると、未接種者の陽性者が物凄く多くなります。
未接種者からも若年層を除外して、不明者を割合にいれて再計算すると、新規陽性者の内訳は、接種者79%、未接種者21%。
東京都の接種完了率78%とほぼ同じでした。
同時期の静岡県でも、接種完了率は78%、同じ条件で割り出した内訳は、接種者78%、未接種者21%。東京都と同じです。浜松市も接種完了率78%で、内訳は接種者78%、未接種者21%。市区町村単位でも同じです。
接種完了率通りの内訳であり、ワクチンの効果は表れていませんでした。
■重症化抑制の効果もない
ワクチン接種後も感染流行が続いているので、感染予防効果を信じる人は減りましたが、まだ「重症化抑制には効果はある」と信じる人がいます。でも重症化を抑制する効果も表れていません。
「重症率が下がった」とアナウンスされるのは、グラフでいうと2021年8月のような時期です。夏休みなので若年層の感染者が増えます。
高齢者や持病を持っている人など、いわゆる「重症化しやすい層(ハイリスク群)」は、年末年始は重症者数が増えますが、夏はそれほど増えません。
ハイリスク群の重症率は年間を通して変動が小さいので、夏休みに重症化しにくい若年層の感染者が増えることで、全体の「重症率」は下がります。
年末年始の影響が出るのは2~3月なので、公表されていた中で対象期間が近い「2021年2月9日~15日」と「2022年2月10日~16日」を比較すると、2022年の方が新規陽性者は増えていますが(2021年1万人→2022年58万人)、年齢層別の重症率は大差ないことが分かります。
2021年>50代 1%、60代 6%、70代 21%、80代 47%、90代以上 24%
2022年>50代 3%、60代 5%、70代 18%、80代 43%、90代以上 29%
でもこれだけだと、秋に若年層の感染者が減ることで重症率が上がり、ワクチンの効果が表れていないことが分かってしまいます。
そこでワクチン推進派に必要になるのが「変異株(または強毒化)」です。
このパンデミックが始まってから何度も変異株が登場していますが、変異自体は日常的にあるので、「ワクチンに効果がないのではなく、変異株でブレークスルー感染しているので、追加接種してください」といえば、どうにか誤魔化せます。
重症率は「重症化しにくい層」の感染者が増える時期に下がるだけです。
重症者数でみても以後増えているので、ワクチンで重症化は抑制できていません。医療機関の負担も軽減していないということです。
■感染死亡も防げていない
西浦教授は、何度も大規模流行の予想を発表しています。でもあまり当たりません。なぜかというと「待機措置を守らない人達」を感染源として計算しているからです。この「待機措置を守らない人達」は、西浦教授が「大体このくらいはいるだろう」と考える架空の人達です。
ワクチン接種で死亡者数を大幅に減少できたとも言っていますが、未然に防いだ死亡者数は分かりませんから、これも自身が予想する割合よりも少なかったという意味です。その予想死亡者数には根拠がありません。
実際はどうなのかというと、新型コロナの関連死・原因死の死亡者数は、ワクチン接種が始まってから増えています。
他国も近い状況にあります。2020年12月~2021年2月の間に先行接種を開始した国が多く、2~3か月間隔で追加接種を行っていますが、同じく3回目のワクチン接種後も陽性者や死亡者は減っていませんでした。
日本は米国よりも遅れて感染流行が起こっているので、米国のようにこれから死亡者数が減る可能性もありますが、米国は集計方法を変えただけとも言われていますし、日本はまだ増加傾向です。
厚労省の死亡者分析が2023年9月分まで出ていて、6月分までの関連死+原因死が集計されています。2023年6月は合計3520人で、前年同月(2022年6月)は1778人ですから、倍くらい死亡者数が増えています。前々年の同月(2021年6月)は4968人ですが、傾向としては7月が似ています。2021年7月だと1771人なので、現在の死亡者数が最多かもしれません。
日本では2023年5月8日から5類になり、定点報告になりました。もう全体の新規陽性者数は分かりませんが、定点からみても、2023年の夏に第九波が起こっていたと考えられます。今も感染流行は続いているということで、感染死亡者数も今年が最多になる可能性があります。
昨年までの感染死亡者数の最多は、2022年12月の2万9187人でしたが、2023年1月は3万7848人です。最新合計が出ている1月~6月までの比較では、今年の方が2万人以上多くなっています。
いずれにしてもワクチンの効果で死亡者数が減少したとは考え難いです。
■ワクチンは毒か薬か
専門家でも意見が割れているので、ワクチンの安全性については分かりませんが、何の効果も表れていないので、接種するメリットはないと思います。
別の側面からmRNAワクチンを説明するなら、メリットは、開発速度のはやさ、それだけ低コストで作れる、他の病気にも適応させやすいといった開発側の事情です。発明だと言う人もいますが、投資対象としての評価です。
実際は、癌や他の感染症への適応を目指して30年間ほど開発研究されてきましたが、実用化されませんでした。コロナ用として1年でスピード承認されたから開発速度が速く低コストと言われているだけで、実際は時間もコストもかかっているうえ、これまで成果を出せなかったものです。
それが緊急措置として使用が認められました。その時点で諸外国にも売り始めたので、追加接種の必要性も出てきて、数か月後になし崩し的に正式承認されました。接種開始してから正式承認されたのです。
先ほどの臨床試験は承認のために行なわれたものです。
ちなみに、米ファイザーは、軍事産業、エネルギー産業、航空会社などを傘下にもつ財閥系グループの製薬会社で、その財閥が第2次世界大戦後に国連を創設しました。その下部組織としてWHOがあります。
この財閥と親密な関係にあったのは米共和党ですが、2017年に財閥の家長が他界し、米民主党の親族が後を継ぎました。それに伴って、米共和党へ献金を行なってきた製薬会社等も米民主党への献金額を増やしました。製薬会社からの献金額はバイデン大統領だけでも数十億円、党だともっと巨額です。最も献金額の変動幅(共和党→民主党)が大きかったのが米ファイザーでした。 米ファイザーはmRNAワクチンだけで何兆円もの売上を得ています。
米モデルナも、製薬実績ゼロという若い企業でしたが、2018年に新規株式公開を行ったら翌年にコロナのパンデミックが起こり、2021年時点で時価総額15兆円を超えました。
mRNAワクチンは、2018年のインフルエンザシーズン後に、インフルエンザ用に調整がされていたものを新型コロナへと転用しました。現在は、コロナとインフルエンザの両方を一度に感染防止できるように開発が進められています。新型コロナが収束しても季節性インフルエンザを予防するためのワクチンとして接種が続くということです。
「パンデミック条約」などが通れば、WHOが接種を義務化する可能性は高いと思います。
■インフルエンザとの関係
新型コロナはインフルエンザと比較されることが多いです。
なかでも致死率が高かった「スペイン風邪」と似ていると言われています。
スペイン風邪は第一次世界大時時に流行したインフルエンザです。
米軍人から広がったようです。
日本の軍艦は、1918年(大正7)11月9日にシンガポールへ入港し、集団感染しました。日本では10月から流行が始まったとも言われています。
便乗者469人の発症率は約65%、致死率約16%。
日本での感染率は43%、致死率は1.6%でした。
入国者相当数の計算では、入国者の機内感染率は平均40%、有症状率は65%としていて、ダイヤモンド・プリンセス号の致死率は1.8%です。
スペイン風邪と新型コロナは影響の出方が似ていると思います。
季節性インフルエンザは、国によって流行しやすい種類が異なります。
日本はAH3とBが交互または同時に流行することが多いですが、2019-2020年シーズンは「A/H1N1pdm09」が流行していました。
グラフの黄色い線ですが、日本で大流行するのは珍しい種類です。
2009年にパンデミックを起こした新型インフルエンザウイルスで、日本では空港検疫でカナダからの帰国者ら数人の感染が判明したのが始まりでした。でも大きな感染流行にならなかったようで、以後も多少は混じっているくらいの種類でした。
2018・2019の両シーズンは、日本よりも前に欧米で大流行していました。
インドネシアなどでの感染流行の方が、割合でみると欧米より顕著なので、欧米から広まったかどうかまでは分かりません。いずれにしても日本は後発組だと思います。
日本では2018年47週目(11月18日~)あたりから流行が始まり、収束しきらずに2019年シーズンに持ち越され、2020年にかけて新型コロナへと入れ替わりました。
このH1N1pdm09の「A/H1N1亜型」というのは、スペイン風邪(1918-19 flu pandemic H1N1)のインフルエンザウイルスです。
専門家ではないので分かりやすさを優先していうなら、スペイン風邪ウイルスの後継がH1N1pdm09です。
2019年から2020年にかけて、スペイン風邪H1N1の後継であるH1N1pdm09から、スペイン風邪と似ている新型コロナ(SARS-CoV-2)へと流行が移っていったということです。
時系列でいうとpdm09はAソ連型の流行を挟んでいて、SARS2も直接の子孫ではないようですが、奇妙な因果です。
ちょっと話はずれますが、2009年はイラク戦争で米軍が撤退を始める直前でした。新型コロナのパンデミックも同時期にウクライナ戦が始まりました。スペイン風邪は第一次世界大戦中に流行しています。
そうなると第二次世界大戦は?と気になりますが、パンデミックは起こっていません。ただ、核兵器が使われた戦争なので、日本人だけでも300万人以上が死亡しています。
詳しくは次の記事で説明したいと思いますが、メリーランド州の米陸軍感染症医学研究所(米USAMRIID)は、2018年・2019年の2回、危険な生物サンプルの漏洩が疑われていました。直後にH1N1pdm09が流行、2度目も原因不明の重肺疾患が増加すると共に、再びH1N1pdm09が流行し、そのまま感染流行が新型コロナへと移行していきました。米国もサンプルは持っています。
武漢研究所(中WIV)にコロナ研究が外部委託されたのも、元はというと米CDCが危険なサンプルを誤送するなどのミスを連発して、米国内での研究ができなくなったからです。連発は希だとしても、事実として危険なサンプルの漏洩は世界中の研究施設で度々起こっています。
米軍基地・施設は40か国760か所以上あるとされています。
日本にも米軍基地がありますが、民間航空を利用する「協定該当者」は外国人入国者とは別集計になっています。
協定該当者は、外国人入国者に対して平均1%くらいの人数が毎月入国していましたが、パンデミックが始まってからは、他の入国者が減ったので平均10%くらいになっていました。あまり移動人数を減らせないということであれば、チャーター便も出ていたのではないかと思います。
米軍基地に直行するチャーター便は空港検疫などの対象外なので、水際対策から漏れてしまいます。民間航空の利用にも民間機とチャーター便がありますが、チャーター便の場合でも水際対策の対象になるのかは分かりません。
実際に日本に入国している人数は分かっていないようですが、公表されている人数でいうと多くても月2万人です。民間機利用が禁止されているかどうか分かりませんが、おそらく利用はあると思います。
日米地位協定の第9条で「米軍人、軍属及びその家族の出入国」を規定していて、昭和27年・平成8年「人、動物及び植物の検疫」の日米合同委員会合意書では、以下のようにあります。
これによれば、民間機での出入国もあるのではないかと思います。
公表人数に関しては空港検疫を受けていると仮定するなら、搭乗客に占める割合は平均4%、その40%が感染者だとすると1.6%なので、中央値2.4%(最大4.2%)を例にするなら、合計4%です。機内感染源となるスーパースプレッダー(2~4%)であっても不自然ではないと思います。
米軍人が市中感染源ではないかという話は以前からありますが、米軍基地がない国でも感染流行しています。
米軍基地に直入りする米軍関係者も市中感染源に含まれている可能性はありますが、人数としては「外国人労働者」「帰国者」「特段の事情※」などの方が圧倒的に多いです。
米軍関係者が感染流行に影響を与えているとしたら、基地内で漏洩したウイルス等に感染して、公私での民間機利用の際に機内感染源になっていると考える方が無理がない気がします。
客船でもクラスターは発生していますが、たとえばダイヤモンド・プリンセス号が停泊した横浜港(大黒ふ頭)には横浜ノース・ドックという米軍の湾岸施設があります。佐世保や横須賀には海軍施設があり各港を米海軍艦船も利用します。
漏洩疑惑があるメリーランド州には米陸軍だけでなく、有名な米海軍学校もあります。長崎に原子爆弾を投下した海軍中将も卒業生です。
ちなみに、ダイヤモンド・プリンセス号の件は、約400人の米国人が乗っていたようですが、「機内感染」の可能性もあるのかなと思います。
香港で下船した80歳男性の感染が判明して、横浜港での待機になりましたが、元々横浜港から出発したクルーズ船でした。「1月20日横浜出港→1月22日鹿児島→1月25日香港→ベトナム・台湾→2月1日那覇→2月3日横浜帰港→2月19日から下船開始」というのが大まかな流れです。
香港で下船した感染男性は、1月10日に香港から中国・深セン市に移動して数時間滞在し、香港に戻って1月17日に飛行機で東京へ移動、1月20日に横浜港から乗船して、1月25日に香港で下船しました。
乗船中の1月23日に咳などの症状が出ていて、下船後1月30日に発熱したようです。(当初報道では乗船前1月19日から症状有り)
有症状の潜伏期間は殆どが10日間以内なので、1月17日に東京へ向かう飛行機内で感染していた可能性が高いのではないかと思います。
日数的には中国と香港間の移動での感染もありえますが、香港と深センは新幹線(高鉄)で14分です。チケットの受取りなどに1時間かかるとか、フェリーでも40~50分かかるといった事情を考慮しても、香港と東京間の飛行時間4~6時間の方が感染リスクは高いと思います。
「新型コロナの起源・発生」については③へ