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嫌いになるまで頑張らない
何かに取り組むときに大事にしていることに「嫌いになるまで頑張らない」ということがある。今日はこのことについて書いてみようと思う。
◾️ 嫌いになるまで頑張らない
多少のブランクはありつつも、一年ほど続いている趣味に自転車に乗ることがある。なぜ続いているのかというと、得ているものが費やしているものより大きいと感じているからだと思う。簡単に言えば、楽しさが苦しさを上回っているからだ。具体的に、自転車に乗っていて楽しいことと苦しいことには次のようなものがある。
楽しいこと(得ているもの)
散歩では行けない遠くの場所に行ける
風を切って走るのが気持ちいい
運動としての負荷がちょうどいい(歩くよりしんどく、走るより楽)
苦しいこと(費やしているもの)
向かい風や上り坂がしんどい
ペースを上げると呼吸が苦しくなる
何度も信号に止まると嫌になる
自転車に乗る時に意識しているのは、嫌になるまで頑張らないことだ。サイクリングの終わり際に、向かい風が吹いてきて呼吸が苦しくなり、「これ以上頑張ると嫌いになってしまいそうだな」と思う時がある。限界を越えることこそが練習かもしれないけれど、そういう時は頑張るのをやめてペースを落とすようにしている。
苦しいときに頑張ってしまうと、次にまたやろうと思ったときに「しんどいからやりたくないな」という気持ちが湧いてきて、続けられなくなってしまうのではないかと思う。
◾️ 楽しさが苦しさを上回っていると続けられる
今までに挫折したことを振り返ってみると、その理由は大体「自分の限界を超えるまで頑張ってしまったから」なのではないかと思った。頑張りすぎると、ほとんどの時間が苦しさが楽しさを上回るしんどい時間になってしまう。
時間を横軸に取って、楽しさと苦しさの差をグラフにしてみると、次のような感じだ。
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何か目標を設定して、そこに向かって可能な限りのエネルギーを注ぎ込む。そうすると、頑張りすぎて苦しさが楽しさを上回る。目標を達成するとその瞬間は大きな喜びを感じるけれど、その喜びは長続きしない。また次の目標を設定して、それを達成するまで苦しみが続く。そして、いつかは目標が手に届かないと感じて辞めてしまう。
反対に、続けられるのは次のような場合だ。
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日々感じている楽しさは、苦しさをほとんどの場合で上回っている。たまに苦しさが大きくなることもあるけれど、そういう時は頑張りすぎないように工夫する。目標を達成したとしても、行為そのものが楽しみになっているから、喜びすぎることも落ち込むこともない。
最初のパターンのような苦しみの中でも続けられる人もいると思うし、それは一つの強さだと思う。しかし、結果を出し続けているほとんどの人は、周りから見れば大変で苦しそうに見えたとしても、実際は自分なりの楽しさを見つけているから続けられているのではないだろうか。
◾️ 楽しさの量に応じて頑張りを調節する
何かを成し遂げるために最も効果的な練習量があったとしても、無理なくできる量はそれより小さいことの方が多い。例えば、一日に一時間練習するべきとか、一ヶ月に何キロ走るべきといった目安があったとしても、僕はおそらくその通りには出来ない。無理すれば一週間ぐらいはできるかもしれないが、長くは続かない。
だから、最初は小さなことから始めて、楽しさに応じて頑張りを調整していく。楽しかったらその分だけ頑張ればいいし、楽しさが優っていればそもそも頑張っているという感覚はほとんどないのでないかと思う。楽しくなかったら手を抜いてもいいし、手を抜いても苦しいのであれば、機会ではないということだろうから辞めてもいい。
◾️ 積み重ねれば形になる
頑張らなかったらしょぼい結果にしかならないのではないか、と思うかもしれない。しかし、1日10分だったとしても、1年間続ければ60時間になる。60時間あればそれなりのことができる。昨年は毎日10~15分ぐらいタイピングの練習をやっていて、今まで限界だと思っていたところより上手くなり、続けていたから振り返って記事を書くことができた。
そして、別に結果はどうでもいいと思っている。毎日工夫しながら面白く練習に取り組めていることや、一日の中に楽しみを感じたり熱中できる時間があることが、最も価値のあることだと思う。
◾️ 頑張らなくてもいい
今年のテーマの一つは「頑張らない」にしようかなと思っている。学校での教育が今でも尾を引いているのか、つい目標に向かって全力で突っ走ることをよしとしたり、一日のスケジュールにやりたいことを詰め込んでしまいそうになることがある。しかし、本当に必要なことは、疲れているときに頑張って何かをすることではなく、日向ぼっこをすることかもしれないし、ゴロゴロ寝転ぶことかもしれない。力に逆らわないことが自然だ。
頑張ることだけが唯一の方法ではなく、力を抜いて無理なく続けることもできる。そうすることで実現できることは、思っている以上に大きいのだろうと思う。
すごく毎日が楽しくて、日々を上機嫌で送っているのにもかかわらず、ものすごい偉業を成し遂げることができないだろうか。この仮説の延長線上に、僕は自分の人生の目的を構築したのです。
まとめ
楽しさが苦しさを上回っていれば続けられる。
嫌いになるまで頑張らない。楽しさの量を観察して頑張りを調節する。
毎日少しずつでも続けていれば形になる。
形にならなくても、楽しく取り組んでいることそれ自体に価値がある。
頑張らず、無理せずに成し遂げられることは、想像以上に大きいはずだ。