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兼業作家の時間術②すべての本はリズムで読む

音は速い?遅い?


さて、前回の宿題が残っていました。

私が読書のためにしている三つの工夫。最後の一つを説明していませんでした。

それがタイトルの通り、「全ての本はリズムで読む」です。

昨日、元チャットモンチーのドラマーとしても知られる高橋久美子さんの新刊『いい音がする文章』を読みました。

僕が言葉に対して抱いていた思いや認識と近いことが書かれており、ずっと思っていたことが先に書かれてしまったという悔しさも感じます。さすがは「シャングリラ」の作詞家、といったところでしょうか(それにしても「シャングリラ」のタイトルの意味にびっくりしちゃった!)

高橋さんが書かれているのは、「文章には音がなっており、それぞれの個性を持った文章にはいい音が鳴っている」という視点からの文章術です。それが、吹奏楽部として努力した学生時代、チャットモンチーのバンド時代、半分徳島で百姓生活をしている現在、といった高橋さんの体験と結びつけれらながら語っていきます。出身地である東予弁の方言で書いてみたり、フォントをいきなり大きくしたりと、「音」として文章を書く工夫も多く為されています。

さて、本書の冒頭で、「読書は好きだけど、私は読むのが遅い。」と高橋さんは語ります。そしてそれは、「頭の中で文字を音に変換してから理解している」からなのだと。「音派」と高橋さんによって名付けられたその読み方には、読むのは遅いけどリズムを楽しむ味わいがあるのだと、語られています。

私は驚きました。自分は「音派」だから読書が速いと思っているからです。

最初に意味はいらない

まず、私は全ての読書は「音楽」だと思っています。これが何を意味するのか?

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