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一月一酒 第14回

初出:月刊ハンガリージャーナル 2005年7−8月合併号

Kékfrankos Selection 2003
醸造所:Sebestyén Pince
産地名:Szekszárdi borvidék

 キークフランコシュは伝統的にハンガリー原産のぶどう品種とされていますが、実のところ原産地は明らかになっていません。ハンガリー以外ではオーストリアと、少量ですがドイツで栽培されているという事実があるだけです。
 キークフランコシュはショプロンを代表するワインですが、エゲルにおいても生産されています。またヴィッラーニではより上質のものが醸造されますが、当り年のセクサールド産は最高です。
 セベスチェーン・ワイナリーはわずか6ヘクタールのぶどう畑を所有する小さな家族経営の醸造所です。立地条件の良い畑で厳しく管理されて栽培されたぶどうから生まれる、少量生産の本当の意味の手作りワインはすぐに売り切れてしまいます。
 同ワイナリーは創立からこれまでのわずかな期間にいくつものワイン品評会で成功を収め、瞬く間にその名が知られることとなりました。
 今回ご紹介する2003年KÉKFRANKOS VÁLOGATÁS(キークフランコシュ・セレクション)も同様に成功を収めました。それは2003年がいかに素晴らしい当り年であったかを示しています。
 心地よい果物の香りを保ちながら、長期間の新樽による熟成が、バリクの香りを与えています。また、タンニンの刺々しさはなく、ヴェルヴェットのような舌触りで満たされています。そして全体を熟れたサワーチェリーの味が全体を支配・統一しています。
 赤パプリカをたっぷり使った、いわゆるハンガリー料理のお供に自信をもっておすすめします。また鴨やガチョウやアヒルなどのとり肉料理にも相応しいワインです。

原文:TŐZSÉR Róbert
訳文・画像:高久圭二郎

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