一月一酒 第1回
初出:月刊ハンガリージャーナル 2004年5月号
6 puttonyos Tokaji Aszú 1999, KAPI dűlő
醸造所:Tokaj Disznókő Szőlőbirtok és Pincészet
地区名:Tolaji borvidék
ハンガリー在住日本人の皆様には、あらためて述べるまでもありませんが、ハンガリーが世界に誇る甘口ワイン、トカイ貴腐ワインは、最も有名なハンガリーワイン地区-トカイ・ヘジャイヤ地方で生産されています。
この地方特有の自然の恵み、一般に貴腐菌とよばれるボトリティス・シネレア菌の働きにより、ぶどう果実に含まれる糖分や酸が濃縮されて、貴腐ワインの豊かな味と香りが生まれます。
トカイ貴腐ワインにとって、ここ10年間で最高のシーズンと明言される1999年に、ディスノークー・ワイナリーは、所有のぶどう畑“KAPI”において、細心の注意を払って貴腐ぶどうを収穫し、トカイワイン史において特記すべき6プットの貴腐ワインを生み出しました。
100%フルミント種により作られた貴腐ワイン“KAPI”は、適度に濃縮された糖分による甘味と快活な酸味が見事に調和しています。その清潔な香りは、新鮮なぶどうや様々な果実を思わせ、一口含んだその味わいは、長く余韻を残します。
ぶどう畑“KAPI”で収穫された貴腐ぶどうによって、この驚くべきワインは、1500本のみ生産できました。(訳註:一本500ml)
本稿第1回を飾る「6プット“KAPI”1999」は、ワイン愛好家にとってコレクションに加えるべき、世紀に残る偉大な、そして貴重なワインであると確信しています。
4年間の熟成期間を経てボトリングされた現在の若さでも、すでにその真価を発揮しています。試飲をご希望の方は、ヴァーツィ通りのワイン専門店PRÉSHÁZにて、本稿掲載の月刊ハンガリージャーナル(2004年5月号)をご提示ください。
原文:TŐZSÉR Róbert
訳文
/画像:高久圭二郎
試飲有効期限 :2004年5月31日
PRÉSHÁZ所在地 :Budapest, Váci utca 10.