一月一酒 第31回
初出:月刊ハンガリージャーナル 2007年2月号
Villányi Cédulás 2005 Selection
醸造所:Gere Attila Pincészete
産地名:Villányi borvidék
いまやヴィッラニ・ワイン地区だけではなく、ハンガリーワインを代表する醸造家の一人であるゲレ・アッティラGere Attilaの名は、ハンガリー高品質ワインの代名詞といっても過言ではありません。
彼の醸造所は2005年の改造工事によって最新の醸造設備を導入し、世界のワイン醸造技術の先端をいく場所になりました。総数800におよぶバリク樽において熟成された各ワインは、それぞれの個性を最大限まで引き出されます。
彼の畑ではブドウ品種ごとにふさわしい栽培過程を厳格に守り、一株ごとに6~7房になるように剪定されます。そうして得られるゲレ・ワインの特徴は、熟成の早さと長期に渡る飲み頃の期間にあります。
そして氏の最大の特徴は、シーズンごとに新しい味をもたらし、常にワイン愛好家に驚きと新しい興奮をもたらす醸造家であるということでしょう。
新たに導入されたブドウ品種が、ヴィッラニ・ワイン地区に新しい見地を開きました。その成果の一つとして生まれたのが今回ご紹介するゲレ・アッティラの新しいワインCÉDULÁSです。
ハンガリーの伝統品種であるキークフランコシュが、その新たに導入された3つの品種、メドックノアール、ピノノアール、シラーとボトルの中で出会いました。その結果、スパイシーでありながら充実した果実感とエキゾチックな味わいをもち、角が取れて円満かつエレガントな、しかし興奮をもたらすワインが生まれたのです。それはゲレ・ワインの新しい、現代技術による新しいワインシリーズ“Gere Válogatásゲレ・セレクション)”の価値ある新銘柄となりました。
この新しいワインCÉDULÁS 2005を、各種鳥肉やフルーツソースによる野生肉の料理の完全なるパートナーとして、またお好みによってはハードタイプチーズのお供としておすすめします。
原文:SZILAJ Eszter
画像・訳文:高久圭二郎