周りの目を気にしない生き方は本当に幸せか
最近は日本でも周りの目を気にしない生き方が良しとされてきていますが、果たして本当にそれが幸せな生き方なのか。
と最近よく思います。
本屋さんに行ってもそんな本ばかりが並んでます。
「何も気にせず自分が良いと思ったことを貫く」
「周りに何を言われようと自分の意思を貫く」
確かにそうできたら幸せなのかもしれない。
でもなんかどこか矛盾を感じるんです。
いや正確には、日本人がどこか違う捉え方をしているんじゃないかって思うんです。
スウェーデン人は周りの目を気にしない
もうちょっと気にしてもいいんじゃないか、と思うくらい気にしません。
スウェーデン人、というよりかは、日本人以外、と言った方がいいかもしれませんが。
昨年1年間スウェーデンに滞在して、経験して、見て、感じてきたことです。
ある日のサッカーの練習中、
いつも通り監督の長い話を聞きながら、誰もが早く次に進まないかな~と思っていた時、
1人の選手がしびれを切らしてグランドに横になってしまいました。
みんなが、本当はやりたいけど我慢してることをためらいなくやったんです。
日本人だったら絶対やらないしやったら終わり。
やるとしても小さな子どもくらいです。
でもその子は立派な社会人でした。
監督に怒られるとか
チームから追い出されるとか
周りから「こいつやばい」という目で見られるとか
そんな話じゃないんです。
もう長くて聞いてられないしつまらないから横になっちゃう!
それだけです。
もちろんスウェーデン人みんながこういうタイプかと言えば違います。
この出来事はさすがにチームでも問題になっていました…。
だからといってその子を嫌いになるわけではないんですけどね。むしろ憎めなくて可愛い子でした(笑)
他にも「本当に周りの目を気にしてないんだなぁ」と思う出来事が山ほど。
残業はしない
有給は最大限に使う(だいたいみんな夏に1ヶ月まとめてとってバケーションに出かけます)
家族やペットを理由に仕事や練習を休むのは当たり前
すぐ体調不良で休む
工事中のエスカレーターは一生工事中
郵便がなかなか届かない
ビザも進まない
お客さんが待っていても休憩しに行っちゃう
言い出したらキリがないです。まだまだあります。
おもしろいくらい日本人と真逆ですよね。
残業はほぼ当たり前
有給は溜めて退職する時にまとめて使うもの
家族やペットより仕事優先
多少体調悪くても頑張る
工事はすぐ終わる
郵便は次の日に届く
ビザは…分からない(笑)
お客様は神様
もちろん必ずしもそうじゃないことは承知の上です。
この違いの根本にあるものってやっぱり
「周りの目を気にするかどうか」
にあると思うんです。
周りにどう思われようと、周りがどう困ろうと私には関係ない。
私がこうしたいから、こうする。
そんな考え方と、
周りに迷惑をかけてしまう、周りから冷たい目で見られたくない。
だから、こうする。
こんな考え方。
どっちが幸せなんだろう。
きっと大半の人は前者と答えるんじゃないかと思います。
私はと言うと、
足して2で割ったくらいがいい。
と思います。ずる!(笑)
え、その答えあり?って思いました?ありです(笑)
なぜかというと、スウェーデン人の考え方は周りが困るからです。
私も散々困りました。
ビザがおりない、大事な郵便が届かない、大事な試合に大事な選手がいない、工事はよ終わってくれ!仕事せんかーい!
みたいな(笑)
日本人の良いところは自分を犠牲にしても周りの為に行動できるところ。
まさに「犠牲心」だと思います。
それが例え周りの目を気にした上での行動だったとしても、それはきっと他の国の人たちにはなかなかできない素晴らしい事だと思うんです。
日本人の良さを忘れないでほしい
これがこの記事で1番伝えたいことです。
世界からも日本人のパーソナリティは高く評価されているはずです。
実際スウェーデンで、日本人である私のパーソナリティを高く評価してくれ、その結果次のシーズンの契約も勝ち取れたと思います。
前回のW杯で試合後に観客席のゴミを拾う日本サポーターの姿が話題になりました。
単純に綺麗にして帰ろうという気持ちがその行動に繋がったとは思いますが、きっとどこかで「日本人は偉い」という目で周りから見られたい。そんな思いが1ミリでもあったと思うんです。
いや、わかんないですけど(笑)
いや、絶対あったと思う。
ゴミを拾っている時絶対に誇らしげな気分だったと思うから。
そしてそのニュースを見た私たちも誇らしげな気分だったから。
どんな理由でもいいと思うんです。
やってる行動が素晴らしい事に変わりないし、周りの人たちが良い気持ちになったことに間違いはないから。
周りの目を気にして行動して、息苦しかったり、何が正解か分からなくなったり、私もそんなことがよくあります。
そんな時は周りを気にせず好きなように生きられたらなぁと思ったりします。
でもやっぱりどうしても、周りに迷惑をかけてまで自分の意思を貫いて自分だけ幸せになりたい。とは思えないんです。
きっと皆さんもそうだと思います。
だってゴミを拾うということはゴミを捨てた人がいるということであって、捨てた人はきっと周りのことなんて考えずに自分がゴミを持って帰りたくないという意思を貫いたわけですよね。
周りの幸せ=自分の幸せ
でもあるはずです。
周りを気にせず生きようとするばかりに、周りを疎かにしないでほしい。
そう思います。
結論
結局のところ私なりの答えは、
基本的に周りの目は気にしなくていい。
ただ、周りの感情を無視してはいけない。
と思います。
「周りの目」と「周りの感情」は似ているようで全く違います。
「周りの目」は基本的に悪い目です。自分に対する冷たい目や侮辱する目。ただの無責任な他人の目です。
「周りの感情」は自分の行動に対する反対と賛成両方です。そしてそれはどちらも自分のことを思って自分に向けられる感情です。
なので「周りの目」は気にせず自分がこうありたいと思うように生きればとても楽で幸せだと思います。
でも「周りの感情」は無視するべきではありません。
自分の行動によって周りがどういう感情になるのか。例え反対意見だとしても自分を思って伝えてくれている感情であれば無視してはいけない。
それをちゃんと考えた上で行動できるのが日本人だと思っています。
すごーく当たり前なことを言っているような気がしますが、時に人はこの当たり前に気付けなくなるんですよね。私もそんな時がありました。
何よりも、周りの目を気にせず生きる
ということの本当の意味を間違えないでほしいなと。
そんなことを伝えたくてこの記事を書きました。
どっちが良い、悪いとかの話ではないです。
両方の良いところをとって自分のものにしちゃえば最強では…?!
みたいな感じで捉えてもらったら。
最強になれる日までそんなに遠くはなさそうです。
スウェーデン人の友達にも今度意見を聞いてみます。
あちら側の意見もね、聞いとかんと。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
では、また書きにきます。
Hikari