面付け済みデータでの入稿
印刷原稿の入稿はネイティブデータやPDF入稿等色々あります。ポスターや包装紙、大きなPOPなどは印刷時も絵柄1丁で面付けして印刷されることが多いのですが、チラシやDM、名刺など小さなサイズのものは効率よく印刷用紙に配置して多丁付けするのが普通です。大抵の場合は単体で作成されたデータで入稿され、製版・印刷会社で面付けして刷版を出力するのが普通です。
時々多丁面付けされたデータが入稿されてくることがあります。親切心なのか面付け費用を抑えるためでしょうか‥ しかし時々用紙に収まらない面付けがされていることがあります。せっかく面付けされていたのにバラして面付けし直すことになります。ぎりぎり用紙サイズに絵柄が入っていれば印刷できるという訳でもありません。用紙の咬側10ミリほどの部分(印刷機が紙を搬送するためにつかむ部分)は印刷されません。塗りたし分の寸法を見落とされている場合もあります。
たとえばA判半裁にA4サイズを田の字に4丁塗りたし3ミリ+3ミリの6ミリアキで面付けした場合、用紙の寸法には入る計算ですが、紙咬を紙端から仕上がりまで13ミリとしても用紙からはみ出してしまいます。
こんな場合塗りたしを2ミリにして4ミリアキにして紙咬を11ミリとかにします。ギリギリ収まりますが印刷アクセサリーを付ける余白はありません。
またデジタル印刷機の場合は(家庭用プリンターのように)印刷可能領域が用紙サイズより少し狭くなる場合もあります。用紙サイズギリギリで絵柄の塗りたしやトンボが用紙からはみ出すような場合も汚れなどの印刷不良を起こしやすいので注意が必要です。
用紙サイズにきちんと収まり、問題なく印刷できる状態で入稿されたデータの場合でも、レイアウト修正をする必要がある場合に手間のかかる場合があります。
上のようにイラストレーターで面付けされたデータ。イラストレーター上で同じオブジェクトを複製配置されています。データ容量自体も大きくなります。また訂正指示が入った場合、8面全て修正しなければなりません。例えば一箇所だけ色アミ部分を白にして欲しいと修正が入った場合。修正したい箇所を選んで同一色の選択で選んで変更したところ、変えたくない場所まで選択されてしまいました。
目的の箇所をShiftキーを押しながら一つずつ選んで修正することになります。色アミでなく文字訂正なども同様で丁数分だけ修正することのなります。面付けされていることでかえって手間がかかってしまいます。一部修正漏れしていたなんてこともあり得ます。訂正が多いととても大変です。
同じ面付け入稿でも8面全てを複製してあるよりも、ひとつのデータをリンク配置して多丁付けしてあるほうが助かります。データ容量も小さくてすみます。
修正が入った場合も配置されている一つを修正すれば、面付けしているデータでリンク更新することで全て修正が反映され修正もれもありません。例はイラストレーターをイラストレーターに配置していますが、インデザインで面付けすることもよくあります。規格サイズの定型面付けなら台紙としてベースを作成しておくと使い回し出来て便利です。
何をいまさらみたいな話を書いてきましたが、最近入稿された面付け済みデータのアキが大きすぎて用紙に入らなかったり、レイアウト修正ありきで入稿されたデータがイラストレーター上で複製面付けされていて、修正に手間がかかった事例が続いたものだから‥
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