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下位バージョンで開くのはだめ

ちょっと信じられない製版ミスが起きたので戒めをこめて覚え書き。

帰校した校正赤字に「写真が90度回転して変倍がかかっている」と指摘があった。入稿時のデータを確認すると問題はなく、正しい状態で出力紙とデジタル検版用のPDFが添付されていた。「なぜこんな事になるのか原因を教えて欲しい」「デジタル検版で見つけられないのか」と。

入稿時のデータと出力データの検証を行なった。

貼り込まれていた画像
入稿時の状態
出校時の状態

一目みておかしい状態で出校されていることがまずダメ。カンプとの照合やプルーフでの色チェックなど目視で見つけられなかったのか。PDFと照合したデジタル検版で見つけられていないのもダメ。入稿された画像データの色修正を行なった上で出力をかけている為、ほとんどの画像が差異で反応してデジタル検版でハイライト表示される。回転がかかった写真が反応していてもうっかり見落としてしまったのかもしれない。出校されてしまったから仕方がない。原因を調べないといけない。

最初に疑ったのが「フレーム調整オプション」だったけど設定されていない。入稿時配置されていたのがjpeg画像で、色修正してpsd保存しているため、画像をリンクし直しする際に「フォルダーに再リンク」かスクリプトで置き換えた時に回転したのかも。検証してみたが再現しない。1点で選んで置き換えても問題はおきない。作業者に作業方法を聞いてびっくり、アプリケーションの下位保存を行なって作業したという。

当社に入稿されてくる印刷用のデータは現在はAdobe製品が主で、アプリケーションのバージョンもクラシック環境のものから最新のCC2024まで様々なので、それぞれに対応できるように古いマシンもなんとか残しているし、最新のバージョンまで取り揃えている。原則入稿されたデータの作成バージョンで作業することにしている。当該のミスは作業できる環境があるにも関わらず下位保存してしまってることが信じられなかった。

入稿はインデザインCC2024で作成されていた。作業者のマシンにはCC2024がインストールされておらず、他のマシンでIDMLファイルに書き出し、CC2023で作業したという。現象の再現をチェックしようと元データと同じ階層においたIDMLファイルを2023で開いても、入稿データの見た目を保っていて画像は回転しない。再現しないのでIDMLファイルを元データと異なる階層に置いてリンクが外れた状態で開いた。するとフレームがグレーアウトしてプレビューが見えない状態になった。

IDMLファイルをリンクを外して開いた状態

貼り込まれていた画像の情報。90°反時計回りとある。

画像を選択した時の「変形パレットの状態

この状態から元のjpeg画像にリンクを取り直すと、リンク更新ができた時点で画像が回転してしまった。下位保存したデータでも作業の仕方で結果が違う。作業の手順を改めて確認し直すきっかけにすべきかなと思った。

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