東南アジアの複数スタートアップ創業CTOが語る「問題を解決する」【エンジニア起業家ライブガオトークvol.7】
起業家エンジニアの生々しいトークが聞けちゃうガオトーク第7回目はなんと...! 東南アジアを拠点としているスタートアップ「Nexus Frontier Tech」と「SYNQA」にてCTOを務める水野さんに特別ゲストとしてご登壇いただきました。
ガオトークのコンセプトは「創業期の0→1を経験し、サービスグロースにも関わってきていたエンジニアの方を毎回お招きして、サービスの紹介と創業期の振り返り(どういうことをしていたか、大事だと思う点、反省点など)を語ってもらうトークライブイベント」です。そういった話を聞く機会って実はほとんどなく、既にそのような環境で成功されている方に特別ゲストとして創業期の振り返りトークをしていただいております。
今回のお話のタイトルは「問題を解決する」です。
以下、かなりダイジェスト版とはなってしまいますが、レポート記事として公開させていただきます。
スタートアップ創業期に入る始めのソフトウェア開発者は非常に大事と言われています。どういう人と一緒に働くべきか、また、やりがいのある仕事をずっとし続けていくにはどうしたら良いか、そのようなお話をします。
水野さん自己紹介
水野さんはこれまでシンガポールやタイに在籍し、多くの会社でCTOを担当をしています(現時点はシンガポール在住)。
オライリーの本「Web API: The Good Parts」も執筆もしていますので、興味のある方はどうぞ。
はてな、Baidu、DeNAなどを経て、現在はイギリス本社で開発はハノイと世界各地の日本人リモートエンジニアで「Nexus Frontier Tech」で金融や政府向けのAIを活用したプラットフォームを作る仕事をしています。
絶賛開発者もPM募集中です!英語の勉強もできますので、グローバルに活躍したい方はぜひ。
また、「SYNQA」の「OPN」でもCTOを務めています。ブルガリアとバンコクと東京のグローバルな開発チームで進めています。
OPNではブロックチェーンベースのDXを推進し、こちらも開発者もPMも募集中です!
やりがいのある仕事をしていくとは?
やりがいのある仕事とは、上記3つの要素「面白い仕事ができる」、「お金がたくさん稼げる」、「ずっと仕事を続けられる」があると思います。この要素を持つ仕事をするにはどうすればよいか考えていきましょう。
現在世の中にはエンジニアが惑わされがちな情報が溢れています。
技術力を上げれば良いか?と言うとそうではありません。
なぜ「技術力を上げただけでは好きなことができない」のか。本質に立ち返って考え、まずはどこからお金が流れてくるかを考えてみます。
なぜ開発者がお金をもらえるのか
通常、開発者が受け取るお金は上記のパターンがあると思います。誰かがお金を払っているんです。
開発者の役割は、開発を通じて、誰かに対してより高い価値を提供することです。
開発者としてより高い価値はどこから生まれるのか
より高い価値は「問題解決力」、「ビジネス理解力」、そして「開発力」から生み出されます。
顧客が本当に必要だったものを提供できていない、と言うのを表す有名な絵ですね。
顧客自身も欲しいものを表現できていない可能性もあります。もしかしたら、複数人で遊べる遊具が欲しかった、のかもしれないです。
技術力があっても問題を解決できなかったら良い仕事をしたとは言えない
問題解決とは、以下を表しています。
最近話題になった具体的な事例
最近話題になったクラウドワークスのsha256の逆変換のプログラム開発を依頼されたら、皆さんはどうしますか?
技術者であればできるわけがないと考えているので、断ったり、多くの人は技術的に困難であると説明するのではないでしょうか?
あくまで逆変換をしたいのが手段。真の目的を知るのが次のステップです。
最終目的が把握できているのであれば、他の手段が見えて提案できるかもしれないです。
このようにもっと良い方法を提案すること、それができるソフトウェア開発者は意外と少ないと思います。
したがって、重要なことは真の目的を発見する力を磨くことです。
「技術的にできません」と言う言葉を使わないことを誓いました。
「じゃあこうしよう」、「こうしたらどうでしょう?」と言えることが大事。それによって信頼を得られます。
オリジナルの問題解決の演習課題を紹介します。
色々なアイデアが出ると思います。「すごく簡単に山を登る方法を考えました」と言うのは多くの人が回答しがちで、残念ながらよくない答えです。この話を聞いた時に山に登るのが大変で、そちらに意識がとられがちでそこを解決しようとしてしまう。山に登れても木を切れないかもしれなく目的を達成できるアプローチではないんです。
もっと良い回答としては、「山に登らなくても、もっと安く木を調達する方法を考えました」と言うのもあります。さらに良い回答としては「木を切らなくても船を調達する方法を考えました」と言うのもあります。
もっと良い答えは以下です。
結局、ゴールは木の実を女王さまに届けるのが目的なので、目的を達成するのには船を作る必要がないかもしれないです。そのように考えられるのが大切です。
開発者として、時には開発しない方が良い場合すらあります。
問題の発見すること「問題発見力」が重要であり、このような状況で技術力は(あんまり)関係ないんです。
困っている人を助けたい、とか、問題解決したいと思うことが大事です。
以下のような職種では問題解決力が必要になります。
一方IT土方と呼ばれるような職種の下請けのエンジニアの方はそんなに問題解決力は必要とされなかったりもします。
世間で今、エンジニアが足りていないと言われていますが、これまで説明した問題解決のできるエンジニアが足りていないのです。
つまり、問題解決のできるエンジニアは仕事を選び放題な状況になっていると思います。
なぜその技術選定なのか、理由を聞いた時に、きちんと答えられるかをみるとある程度問題解決力があるかをみることができます。
映画「キングスマン」にも出てくる中世教育家の「Manners maketh man」と言う言葉は、生まれながらに人は平等で「振る舞いが人を作る」という意味を表しています。キングスマン面白いのでおすすめです。
以上、より高い価値を提供するソフトウェア開発者についてお話ししました。
質疑応答セッション
質疑応答セッションもパネル形式で非常に盛り上がりました。例えば、「なぜ東南アジアを選んだんですか」や「ソフトウェア開発者として一番力が伸びたのはどんな時でしたか」についてなど、活発に議論がなされました。
会場からはバンコクの起業家の方からも、CTO候補者の判断基準についてや共同創業者との良い関係値の作り方など、非常に興味深い議論も出来ました。
最後に
スタートアップから大手まで多くの企業からCTO依頼のお声がかかる水野さんご自身が大事にしていることを伺えました。意外にも技術的な側面よりも重視されている点が多く特にこれからキャリアを歩む若手エンジニアの方には非常に学びの多い登壇イベントとなったのではないでしょうか。ご登壇いただきありがとうございました!
レポートには書き切れない貴重な内容も実際のイベントでは体験できますので是非興味のある方は次回Vol. 8にご参加ください!
なお水野さんがCTOとして関わる会社も現在エンジニア募集中ですので、ぜひ興味のある方は公式お問い合わせページ、もしくは @mizuno_takaaki さんTwitterでDMやコメントなどしてみてください。
最後に、スタートアップスタジオであるGAOGAOでもエンジニアの方を絶賛募集中です。特にRailsエンジニア・PMの方おりました @tejitak までお気軽にDMください!
「ガオトーク〜エンジニア起業家ライブ〜」過去レポート
・Vol1. 株式会社プレイドCTO 牧野さん
https://note.com/masumi_sugae/n/n46b9afa97263
・Vol2. note株式会社CTO 今さん
https://note.com/tejitak/n/nc03e4f45d2df
・Vol3. ストックマーク株式会社 CTO 有馬さん
https://note.com/tejitak/n/n9001313797a3
・Vol4. モノカブ株式会社 エンジニア 井上さん
https://note.com/tejitak/n/n6f1d1ff4bc29
・Vol5. Autify, Inc. エンジニア 山下さん
https://note.com/tejitak/n/nbb1839437687
・Vol6. RoomClip CTO 平山さん
https://note.com/tejitak/n/ne445daab8f71
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