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登山・キャンプのガスボンベ完全ガイド:CB缶とOD缶の違いから安全な使用法まで
山で会ったらこんにちは!低山ハイカー英武ゆうです!
登山やキャンプで使用する燃料の中で、最も多くの方が使用しているのがガスボンベです。今回は、その種類や特徴、そして安全な使用法についてお話ししていきます。
ガスボンベの基本:CB缶とOD缶
ガスボンベには大きく分けて2種類あります。カセットガスボンベ(CB缶)とアウトドア缶(OD缶)です。
CB缶は、ご家庭でも卓上コンロなどでよく使用される身近な存在です。スーパーやコンビニ、100円ショップでも手に入り、価格も1本100円程度からと手頃です。サイズは250gと120gの2種類があり、災害用にストックされている方も多いでしょう。
一方のOD缶は、より本格的なアウトドア用途向けです。丸みを帯びた特徴的なデザインで、110g、250g、500gの3サイズがあります。鍋に収まるデザインで携行性に優れていますが、入手はホームセンターやアウトドア専門店に限られ、価格もCB缶と比べるとかなり高めです。
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ガスの種類と性能の違い
両タイプとも、ノーマルガス缶とパワーガス缶の2種類があります。これらの違いは、中に含まれるガスの種類と混合比によって生まれます。
使用されるガスには、ノルマルブタン、イソブタン、プロパンの3種類があり、それぞれに特徴があります:
ノルマルブタン:最も安価だが、火力は弱く、寒さに弱い
イソブタン:中間的な性能
プロパン:最も高価だが、火力が強く、寒さに強い
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ノーマルガス缶には、ノルマルブタンが60~70%、残りがイソブタンという構成が一般的です。一方、パワーガス缶は、より気化温度の低いイソブタンやプロパンの割合が高くなっています。
例えば、イワタニのカセットガスの場合、ノーマルタイプはノルマルブタン70%、イソブタン30%の配合です。これに対してパワーゴールドでは、ノルマルブタン30%、イソブタン70%と配合が逆転します。
なぜ形状が違うのか
CB缶とOD缶で形状が異なる理由は、内部の圧力への耐久性にあります。どちらも可燃性ガスを高圧で液化して詰めていますが、気体と液体では約250倍もの体積差があるため、高い耐圧性が必要です。
CB缶は本体、底、蓋の3パーツで構成されているのに対し、OD缶は本体と蓋の2パーツ構造です。パーツが少ないほど接合部が少なくなり、高圧に強くなります。そのため、より高圧を必要とするプロパンガスの使用には、OD缶が適しているのです。
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使用温度による違い
メーカーが示す使用可能温度には明確な違いがあります:
CBノーマル:10度以上
CBパワー:5度以上
ODノーマル:約10度(推定)
ODパワー:-5度程度(実質0度くらい)
ただし、これらは目安であり、実際の使用環境や条件によって変動することがあります。
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安全な使用のために:燃焼の仕組みを知る
ガスストーブの炎が青いのは、完全燃焼している証です。これは、燃焼に必要な酸素が適切に供給されているためです。ガスバーナーでは、一次空気(ガスと最初に混ざる空気)が約60%、二次空気(周囲から供給される空気)が約40%の割合で燃焼に使用されます。
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この二次空気が不足すると、不完全燃焼が起こり、一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は無色・無臭で気付きにくく、血液中のヘモグロビンと結合しやすい(酸素の約250倍)という特徴があります。これにより、体内での酸素運搬が阻害され、重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
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重要な注意事項
安全な使用のために、以下の点に特に注意が必要です:
消費期限を確認する(推奨使用期限は約10年)
錆びたボンベは使用しない
大きすぎる鍋や熱がこもる調理器具は使用しない
40度以上の場所(車内や砂浜など)に放置しない
風防で完全に囲い込まない
より詳しいガスボンベの使用法や安全対策については、YouTube「低山ハイカー英武ゆう」チャンネルでご紹介していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。みなさんと山でお会いできる日を楽しみにしています!