登山での筋肉痛:その原因と対策を科学的に理解する
山で会ったらこんにちは!低山ハイカー英武ゆうです!
今回は、誰もが経験したことのある筋肉痛について、その仕組みから対策まで詳しくお話ししていきます。
筋肉痛の種類と発生メカニズム
筋肉痛には大きく分けて二つのタイプがあります。一つは運動中に感じる「即発性筋肉痛」、もう一つは運動後、時間が経ってから感じる「遅発性筋肉痛」です。特に後者は、多くの人が「筋肉痛」として認識するものです。
遅発性筋肉痛の原因については、従来から言われている「筋繊維の損傷説」と、新しい説である「筋肉の疲労説」があります。人体の研究は日々進んでおり、私たちの理解も更新され続けています。
なぜ下りで筋肉痛になりやすいのか
登山では、上りよりも下りの方が筋肉痛になりやすいことが知られています。これを理解するために、筋肉の動きを見てみましょう。例えばダンベル運動で考えると、上げる動作よりも下げる動作の方が筋肉痛を引き起こしやすいのです。
これは「伸長性収縮」(エキセントリック収縮)と呼ばれる現象に関係しています。筋肉は本来、収縮する方向に力を発揮するよう設計されていますが、下り坂やダンベルを下ろす動作では、筋肉が伸びながら力を発揮しなければなりません。この「無理な動き」が組織の損傷を引き起こし、炎症反応につながるのです。
筋肉痛が後から来る理由
筋肉痛が運動直後ではなく、時間を置いて感じられる理由は、体内での複雑な過程にあります。まず、筋繊維自体には痛みを感じる神経がありません。代わりに、損傷を受けた筋肉に白血球などが集まり、炎症反応が起こります。この過程で生成される物質が筋肉を包む膜を刺激し、それが感覚中枢を通じて痛みとして認識されるのです。
日頃から運動している人は血管が発達しているため、この過程が比較的早く進みます。逆に運動不足の人は、血液を巡らせる力が弱いため、修復のための成分が集まるまでに時間がかかります。よく「年を取ると筋肉痛が遅く出る」と言われますが、これは年齢というよりも、普段の運動習慣に関係しているのです。
筋肉の種類と特性
筋肉は大きく分けて、遅筋(赤筋)と速筋(白筋)があります。遅筋は長時間の運動に適応し、持久力を要する活動で活躍します。一方、速筋は瞬発的な力を発揮するのに適しています。
登山では、上りの動作では主に遅筋が、下りの動作では主に速筋が活躍します。特に下りでは、体重を支えながらブレーキをかけるような動作が必要となるため、速筋が重要な役割を果たします。
年齢とともに、特に速筋が衰えやすい傾向にあります。これが高齢者のつまずきや転倒の増加につながる一因とも言われています。
筋肉の回復と栄養補給
筋肉は24時間を通じて、常に合成と分解を繰り返しています。この過程では、タンパク質、特にロイシンというアミノ酸が重要な役割を果たします。ロイシンは筋肉合成のスイッチとして機能し、空腹時でも筋肉合成を促進する強力な効果を持っています。
若い人は食事からロイシンを効率的に取り入れられますが、年齢とともにその能力は低下します。そこで注目されるのが、BCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸のサプリメントです。BCAAには、ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類のアミノ酸が含まれています。
ただし、BCAAに頼りすぎるのは禁物です。BCAAの代謝には他のアミノ酸も必要で、バランスの取れた食事が基本となります。私自身は、甘すぎない味のPEレジェンドBCAAレモンライム風味を愛用していますが、これはあくまでも補助的な役割です。
より詳しい筋肉痛対策については、YouTube「低山ハイカー英武ゆう」チャンネルでご紹介していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。みなさんと山でお会いできる日を楽しみにしています!
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