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日本列島はどのようにして形成されたのか

山で会ったらこんにちは!低山ハイカー英武ゆうです!

前回は地球の構造についてお話ししましたが、今回は日本列島がどのようにして形成されたのかについて、お話ししていきたいと思います。

古代日本の起源:46億年の歴史を紐解く

地球は約46億年の歴史を持っていますが、日本列島の歴史は約4億年前まで遡ることができます。ただし、前回お話ししたように、日本の地質構造は非常に複雑で、その全体を網羅的に説明することは困難です。そこで今回は、特に興味深い一例として、岩手県の根田茂帯と南部北上帯についてご紹介したいと思います。

産業技術総合研究所が公開している地質年代表によると、約3億5000万年前の根田茂帯は、日本列島形成の重要な手がかりを提供してくれます。この地層は、日本を形成している地層の中でも最古の部類に属しています。

南半球からの長い旅:ゴンドワナ大陸との関係

興味深いことに、根田茂帯が形成された場所は、現在の日本列島からはるか遠く離れた場所でした。当時存在していたゴンドワナ大陸の一部として、現在の南半球に位置していたのです。このゴンドワナ大陸は、現在のアフリカ、南アメリカ、インド、南極、オーストラリアなどを含む巨大な大陸でした。

約3億年前には、この地層は徐々に北上し、赤道付近まで移動してきました。そして2億年前頃には、大陸の分裂が本格化し、より活発な移動が始まります。この過程で形成された南部北上帯は、南半球から移動してきた「付加体」であると考えられています。

付加体:日本列島を作り上げた地質構造

付加体とは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際に形成される特殊な地質構造です。海洋プレート上の堆積物が、ベルトコンベアのように運ばれ、大陸に押し付けられる形で蓄積していきます。プレート自体は沈み込み続けますが、その上に乗っていた堆積物は大陸側に付け加えられていくのです。

実は、日本列島の大部分はこのような付加体で構成されています。根田茂帯と南部北上帯は、その代表的な例の一つなのです。

日本海の形成と日本列島の誕生

約2000万年前、現在の日本列島の原型が形作られ始めます。当時、日本列島の元となる地塊は、ユーラシア大陸の東端に付加体として付着していました。しかし、ある重要な変化が起こります。

海洋プレートの沈み込み角度が変化したのです。若い海洋プレートは温かく浮力があるため、比較的緩やかな角度で沈み込みます。この時、大陸を横方向に押す力が働きます。しかし、プレートが冷却されて古くなると、より急な角度で沈み込むようになり、横方向の力が弱まります。

この変化に加えて、地下深くの高温のマントルの流れが影響し、大陸地殻に裂け目が生じました。この裂け目は次第に拡大し、海水が浸入。海底での火山活動も始まり、これらの要因が複合的に作用して、現在の日本海が形成されていったのです。

このようにして、ユーラシア大陸から分離した地塊が、現在の日本列島の原型となりました。その後の地質活動によって、現在見られる逆くの字型の日本列島の形が作られていったのです。

より詳しい地質学の話については、YouTube「低山ハイカー英武ゆう」チャンネルでご紹介していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。みなさんと山でお会いできる日を楽しみにしています!


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