見出し画像

山の危険!低体温症の正しい知識と対処法

山で会ったらこんにちはー!低山ハイカー英武ゆうです!

今日は登山中に遭遇する可能性がある危険の一つ、低体温症についてお話ししたいと思います。1000m以下の低山でも、低体温症が原因とみられる死亡事故が発生していますので、正しい知識を持っておくことが大切です。

低体温症って何?基本的な知識

低体温症とは、深部体温が35度以下になった状態を指します。ここで重要なのが「深部体温」という概念です。私たちが普段意識している体温は、実は皮膚表面の「皮膚温」と呼ばれるものです。一方、深部体温は脳や内臓の温度のことで、体の機能を維持するために非常に重要な役割を果たしています。

通常、深部体温の平均は37度前後で、皮膚温は32度から33度前後です。深部体温は脳や心臓などの重要な臓器の働きを保つために安定していますが、皮膚温は体の表面から熱を放出する役割があるため、より低い温度になっています。

体温計の豆知識:実は予測値?

ここで少し興味深い余談をお話ししましょう。普段私たちが使っている脇の下で測る体温計、実は完全な温度を測るには10分以上かかるんです。現代の体温計は「予測式」と呼ばれる方式を採用していて、統計データを基に10分後の体温を予測して表示しているんですよ。

低体温症はいつ起こる?意外な原因も

低体温症というと、真っ先に思い浮かぶのが雪山での遭難のような極限状況かもしれません。確かに、寒冷環境で動けなくなった場合は大きなリスクとなります。しかし、実は日常生活でも低体温症は起こりうるんです。

意外な原因その1:ストレスと自律神経の関係

ストレスで自律神経が乱れると、体温調節機能が正常に働かなくなることがあります。

意外な原因その2:急激なダイエットの危険性

激しい運動や過度なダイエットで急激に体重を落とすと、体温を上げる機能が低下してしまうことがあります。

意外な原因その3:加齢による変化

年齢とともに、体温調節機能が低下していきます。特に、寒さで体を震わせて熱を作り出す機能が弱くなっていきます。

熱を作る体の仕組み:筋肉の重要性

実は、体の熱を作り出す場所として、内臓が約4割、筋肉が約6割を占めています。これが、筋肉量の維持が体温管理に重要な理由なんです。

低体温症の症状と進行

低体温症になると、まず手足の冷えや震えが起こります。これは自律神経の乱れによって血管が収縮し、血液の循環が悪くなるためです。同時に血圧も上昇し、消化不良や食欲不振といった症状も現れます。

深部体温が35度を下回ると、体は震えて熱を作り出そうとします。この段階ではまだ意識ははっきりしていますが、30度以下になると筋肉が硬直し始め、震えは逆に止まってしまいます。さらに20度以下になると、筋肉は完全に硬直し、脳や心臓の活動も停止してしまう危険性があります。

救急時の対応:専門家の対処法に学ぶ

救急の現場では、まず患者さんの周囲の環境情報(気温や天候など)を確認し、濡れた衣類があれば除去して保温を始めます。医療機関では、深部体温を35度まで上げることを目標に、様々な方法で温めていきます。

私たちにできる対処法

実際に低体温症に遭遇した場合、私たちにできることは限られています。しかし、以下の対応は重要です:

  1. 濡れた衣類を脱がせ、乾いた防寒着や雨具に着替える

  2. エマージェンシーシートやビニール袋で保温

  3. 地面からの冷えや風雨を避けるためにツェルトを使用

  4. 可能であれば温かい飲み物でこ内部から温める

  5. エネルギーとなる食べ物を摂取

  6. 可能な限り早めに救助を要請

これらの対応と並行して、できるだけ早く専門家による救助を求めることが重要です。

より詳しい内容は、YouTube「低山ハイカー英武ゆう」チャンネルでご紹介していますので、ぜひチャンネル登録をお願いします。


いいなと思ったら応援しよう!