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日本国憲法第四十八条

何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

来週から行われるはずだった臨床実習が中止になった。右を見てもコロナ、左を見てもコロナ、だ。
こうなったらとことん落ち着いて冷静に、全てを受け入れる覚悟をする以外ない。自宅での8時間オンライン授業もどんとこい。前回の緊急事態宣言発令時も家に引きこもって仕事をしていた。その時に購入した机と椅子を再び活用するときが来たと思えばお得感もある。少し部屋の模様替えでもしようかな。




歩くのも走るのも嫌いな私が、今日は一時間半も歩いた。彼の家から私の家まで、直線距離なら大したことはないのに交通の便がすこぶる悪く、電車やバスを使う関係で謎に時間がかかる。車かバイクがあればね、ともう何度も言い合っていたが「歩くのが良いのでは?」という結論に落ち着いた。
もちろん時間はかかる。それでも面倒な乗り継ぎはないし、何より社会人に最も不足している運動時間を得られる。

昨夜は仕事のあと彼の家に泊まり、今朝は布団の中から仕事に出る彼を見送った。起き上がりもせず、他人のベッドに我が物顔で寝続ける薄情で横柄な女であるが、ほぼ寝ていた私に彼が何度もキスをしていた記憶がぼんやりとある。
そのまま何度かずるずると起き上がり、洗濯機を2度回した。お互いに一人暮らしで殆ど毎日どちらかの家に泊まっているのは非経済的だよな、なんて思いながら乾いた洗濯物を畳んだ。家に帰ったら自分の洗濯もしなきゃな、とも。

暖房と電気を消し、鍵をかけて彼の家を出た。晴天のもと神社や公園の中、川沿いを歩くのは気持ちが良く、途中暑くなりダウンの中に着ていたセーターをリュックに突っ込むほどだった。
何も考えず、ラジオを聞きながらひたすら歩いた。多分だけど、こうやって一人で歩き続けるのは自分の性に合っているのだろう。彼と一緒にいない人生を想像して保険をかけているだけかも知れないけれど。




一人で生きる人生と、そうでない人生を同時進行させることでどっちにも振れるようにしているのだろうな。そうでないと、きっとどうにかなってしまうから。
珍しく運動をしたのと、これは珍しくもないが檸檬堂の2本目を開けていることで、何だか感傷的になってしまった。今日も明日も授業はあるが仕事は休み。一人で寝る夜は、一人で生きる人生の自分。

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