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日本国憲法第十五条

公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2.すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3.公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4.すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

雨が降ると思って折りたたみ傘をリュックに突っ込んでから出かけたが、必要なかった。朝は寒かったからコートを着て出たが帰り道は少し歩くと汗ばむほど。まだまだ服装が難しいこの季節。
それでも朝起きたときの太陽が昇る前の暗さだとか、17時に仕事を終え会社を出ると真っ暗なところとか、とにかく日が短くなったのを実感できる瞬間が好きだ。



今日は朝家を出る前に鍋の準備をしておいた。と言っても野菜を切って豚肉を冷凍庫から冷蔵庫に移しただけだが。チューハイの缶を冷蔵庫に補充するのも忘れなかった。
一人暮らしの鍋は結構効率が良い。別に効率のために食事をしている訳ではないが、難なく野菜を摂れるし何より「食べている時間より作っている時間の方が長い問題」を解消できる。
だからコンビニとかスーパーがあるんだろうな。多分コスパ的には買ってきたものを食べても作って食べてもそれほど変わらない。だけど何となく、冷蔵庫の中をぼんやりと眺め、包丁とまな板を出し、名もなき料理を作るのが好きなのだ。
鍋を料理だとは思わないが、まあ鍋は普通に美味しいので食べている。途中のコンビニでシメ用のうどんを買って帰ろう。



穏やかな人が好きだ。もうこの歳で「どんな人がタイプ?」と聞かれることなどないし、例え聞かれたとしても面倒さと気恥ずかしさで「背の高い人ですかね」と適当に答えて誤魔化してしまうが、本当は穏やかで感情的にならない人が好きだ。
声を荒げたり、自分の許容が追いつかないところに及んだ時にパニックになる人はあまり好まない。
あと煙草を吸ってる人も好き。

今勤めている会社は一般企業だが、全体の管理者である社員さんはとても穏やかでいつでも優しい。派遣やアルバイトが多い中、男女問わず慕われ信頼されているように見える。無理矢理こじつけるのであれば「奉仕者」ともいえる。
今日は比較的仕事が落ち着いていたため、仕事以外の話もちょこっとできた。
お互いに飲むお酒のこととか、趣味のこととか。仕事をしている所以外知らないため、家で瓶ビールを飲んだりゲームをしている姿を少し想像できて嬉しかった。



自分のことを絶対に好きにならない人のことは簡単に好きになれる。少し会話ができれば、少し目が合えば、それで満足。明日も出勤しようと思える。
好きの先に必ずしも「付き合う」は来ない。万が一、億が一付き合えるチャンスがあるならばもちろん断る理由などないが、絶対にそんなことはないので安心して好きでいられる。

何故絶対かと言われれば明確な言葉は出ないけれど、とにかく自分が「派遣社員」以上に思われることはないし、この憲法シリーズを提案してきた彼も、「10年以上前から知り合いの歳下の女友達」より昇格することなどない。

私は、誰かに好かれる想像が付かない。特に、恋愛感情を持たれるはずがないと完全に自己洗脳している。



星が見えないのは、東京だからか曇っているからなのか。見上げると星の代わりにマンションの窓から漏れる明かりが見える。あの明かりの中に、どこか一つでも「一人で鍋をつつく独身女」はいるのだろうか。
まあ、どちらでもいいのだけど。

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